卒 業

 今日は午前中、卒業式でした。何となく"卒業式"っていう感じがしなかった。予行練習のような。。。彼らが明日から、もう学校に来ないというのが信じられない気がします。2年間、ほとんど毎日顔を合わせて、家族よりも共有する時間が多かったかもしれない。
 彼らは、卒業をして、社会に出て初めて、2年間何を学んだかを知るはずです。今は、それでいいんだと思っています。この学校に勤め始めた頃は、彼らにそれを在学中に気付いてほしかった。でも、自分が学生のときだって、そんなことわからなかったもの。
 去年の夏頃、本気で転職を考えたことがありました。あまりにもの忙しさに疲れていたのかもしれません。そんな時、その年に卒業したYちゃんが学校に用事があってひょっこり現れました。彼女はとても優秀な学生で、国家試験も合格し、郵政省に就職しました。無口な彼女は在学中はほとんど自分のことを話すことはありませんでしたが、その日は、珍しく私を相手に話し込んでいきました。その話しの中で彼女が「先生の授業が一番わかりやすかった」って言ってくれました。専門学校で教えることを迷っていた私は、その時すうっと気持ちが楽になったような気がしました。卒業した後で少しでもそんなふうに感じてくれる学生がいるのなら、私がやっていることは無駄ではないかもしれないって。あの時、彼女の言葉を聞いていなかったら、今ごろ違う仕事をしていたかも知れません。
 今日、卒業した学生は就職も決まっています。2年間学んだことが彼らの人生の中で、何か彼らを助けてあげることになればと思います。

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