たま
チャコが天国に行ったのが12歳、それでもかなりのお年よりでしたが、腰を痛めてから「あっ」と言う間にいってしまったため、何にもしてやれなかったなあ、という思いが残っています。 たまはほぼ同じ年なのでそのときだいたい12歳、でもすでに足はびっこを引いていて、歯も犬歯が抜けていたりして、チャコよりも老化してるな、と家族みんなが思っていました。 でも、予想に反して(たま・・失礼^^;)チャコが先にゆき、後にたまが残りました。 チャコが天国に行った後のたまは老化がいっそう進んだような気がして、今にもチャコを追いかけて行ってしまいそうで心配したものですが、なんと16歳という大往生となりました。 さて、たまは去年私がこちらへ引っ越してくるころ、老化してるとはいえ家の中をうろうろと歩き回り、家族にべったりと甘え、時には脱走も図るほどでした。で、わたしの部屋は2階なのですが、引っ越す前は私が寝ると部屋に来てちょっと一緒に寝て1階に帰る・・・という習慣でした。たまに実家に泊まりに行くと、「あんたなによ〜うるさいのがまた来たわよ〜」ってな顔で見られたものです。 でもやっぱりだんだんと歩くことが少なくなって日がな一日好きなところで寝て、ご飯を食べて、という優雅な生活をしていました。ただやっぱり年とともに体にも不調があったらしく、獣医さんでお薬をもらって飲ませていました。たまと同居している(言い方がヘン・・・)両親はそれはもう、我が子よりも、のかわいがりようで、世話をしていましたね。で昨年の秋ころから食が細ってきた上に好き嫌いをするようになりました。 それまでは歯がなくてもかたいフードを食べていたのですが、食べない、で缶詰をあげると食べたり、今度は缶詰にも飽きて、しょうがないのでマグロを刺身で(!)あげたり、さわらをやいたり・・・とまあ両親は自分たちよりも食費をかけているんじゃないのか?!というほどの待遇^^;さらに獣医さんから、「栄養が足りないといけないからミルクを飲ませてね」ということで、赤ちゃん用のミルクよりも相当高いミルクを飲ませて(嫌がるので注射器みたいなので無理やり飲ませる^^;)いました。ただ1年位前と比べると格段にやせてきています そんな生活が続いて今年の5月ころからはあれこれご飯を変えても食べなかったり食べたり。 医者通いも回数が増えてきました、獣医さんは「この子は毛づやがよくて、長生きしますね」って言っていました。でも、そんな優しい言葉を掛けられてもたまはうなるやら吹くやら・・・大変です(笑) 実家にはちょくちょく行っていたのですが、やっぱり行くたびにたまの動作が遅くなっていることに気付きます。人間と同じ経過をたどっているのですが、やはり老化のスピードが速いようです。この前はテレビの上に乗っていたのに、今日はもうジャンプしないや、とか。水ばっかり飲むなあとか。 そんな感じで、家族みんなが、そろそろかねえ、なんて思っていたんですよね。チャコのときと違って心の準備期間はそういうわけでとても長かったのです。 6月の下旬に両親から「ここのところあんまり食べないし、動かなくなってきたから、覚悟しておいてね〜」なんて電話が来まして、さっそく行ってみたところ、寝てる・・・しかも玄関。 チャコのときと同じです、どうも自分の死を悟ると寒い方へ寒い方へ行きたがるんですね。動物の習性なんでしょうね。親は冷えちゃうからと心配して玄関に毛布とかを敷いてあげていました。そこでトイレとご飯(ミルクを飲ませる)、水を飲む以外はただずーっと寝ています。触ると怒らないけどやっぱり嫌がって、相変わらずでした。 ちょうどくまさんが夜遅い日があって、次の日お休みだったので実家に泊まりに行くことにしました。そのときはこれで会うの最後になるのかなあ、最後見てやりたいなあ、どうしようかな、、、と思いつつ行ったのです。 泊まりに行った一日目、ちょうどW杯の決勝の日でした。もう何にも食べなくて、ここ数日は連日獣医さんで注射(栄養の)をしてもらっているとのことでした。私は本人が食べたくないんだから、無理に栄養を与えるのはどうかな、とも思いましたが、尽くす手があるのになにもしないということは今の医学とか社会は考えないんですよね。嫌がるたまを医者に連れて行くのはかわいそうで、私は揺れていましたが。 夕方横になっているたまをなでていると、突然けいれんを起こしました。私はいい子ねいい子ねとなでながら、(これが最後のときなのかな)と思って、辛いけれど冷静にたまを見ていました、親はすごく慌てていました。チャコのときはけいれんのあとすぐに亡くなった経験があったからです。それは知っていましたが、誰かがあったかい手で触っててあげないといけない気がしました。けいれんがおさまったので「素人じゃ状況が分からないから獣医さんに電話して聞いて」って親に言うと「しゃべれないかもしれないからお前頼む」という・・・( ̄▽ ̄;あああ、もう〜。で、たまをなでつつ先生に状況を話すと、心臓発作がおき始めているんだ、ということで、それが何回か起こっていくと、心臓が弱っていくんです、と説明してくれました。 でもたまはまた息をして心臓が動いている。これから何回発作が起こるのかなあと思って、チャコの写真に「頼むからたまを苦しまないように連れて行ってあげて」とお願いしました、マジです。だって、チャコはたまのことが大好きだったから、きっと聞いてくれると思ったんです。そんなことを知ってか知らずか、たまはわたしの手にすりりんっていつものように頭をつけて、声もでないのに「にゃ・・ん」って鳴いてくれました。分かったのかな?いい子ね。 その夜、あんまり歩けもしないのに歩いて行きたがるので、心配して父親はずっと起きていました、明け方私が目を覚ますとたまは水をのみに行って、へろへろと歩いては休み、また歩く・・・という感じで一晩中じっとはしていなかったとこと。猫は夜行性だからねえ。。。と言いつつ、そのタフさに関心。 朝、食事の後またたまが発作を起こしました、親は慌てる、私がなでる・・・と同じことをしていました。一回見ているので、今度の発作は短く感じました。発作が落ち着いて、心臓がまだ動いているのを確認して、「チャコ、頼むからって言ったのに!」ってちょっとうらんだり・・・そう都合よくは行かないよね。 母親はその日仕事だったので、「これで最後かな〜」と言いつつ握手をして出かけていき、夜寝ていない父は仮眠を取っていました。これは今日は帰れないな、当分かかるかなと思って、午後くまさんにいろいろ荷物を持ってきてもらい、くまさんもたまをなでて「ちっちゃくなっちゃいましたねえ」って言ってました。 もうその日はたまは力が足りなくて立ち上がれないのですが、それでも立とうとするんですよね、あれは、なんなのかなあ、本能とかなのかな。トイレにも行きたがって、だっこして連れて行ったり。だっこしたらほんとに軽くて、よくがんばってるね、えらいね。 水くらいは飲ませたいのですが、飲ませようとしても、もう、いらない、って手で押すのでちょっとだけ。 夕方母が帰ってきて、夕飯を作る前にたまに話し掛けたりしていたら、3度目の発作。またわたしは話し掛けつつなでて励ます、それでチャコには「もう!なにやってんの、チャコ〜〜〜」と。ずーっとなでていたのですが、しばらくしてご飯を食べようということで父親にバトンタッチしてご飯を食べていると、父親が「?あれ?たま?死んじゃったかな?!」慌ててそばにいって、おなかを触って、見て、耳を近づけて。私がたまの息を引き取ったのを、確認しました。 「うん、動いてないね、やっとチャコが来てくれたね」っていう様なことを言って(よく覚えてない)、みんなでおんおん泣きました。 悲しいのではなくて、よかったね、って。いい子だったねって。ちょうど家族がそろっているときに、静かに息を引き取りました、なんて孝行な猫でしょう。それに、最後までプライドを保って、立派な猫でした。 そのあといつも寝ていたかごに入れて庭のお花で飾ってあげました。よかったねえ〜って、きっと幸せだったよね?って言いつつ、急に食欲が出てばくばく食べたのには自分でもびっくりしましたが、ほっとしたんでしょうね。 というわけで、たまは(たぶん)幸せに天国に行きました。今ごろきっとチャコとか他の友達と一緒でしょう。 さて、たまが亡くなった次の日、母親が「昨日ね、夢にチャコがでてきたよ!今まででていたことなかったのに。夢でね、押入れのところに座ってて、柄がチャコだった!」って「きっと迎えに来てくれたんだねえ」って、うれしかったなあ。本当に来てくれたのだと、私たちは思っています。 |
読んでいただいた方、ありがとうございます。
詳しく書くのもどうかなって思ったのですが、たまにいろいろ学んだので、(強さとか、そういうようなことを、)
忘れないためにも残しておこうと思いました。
たまの死を聞いて書き込みをしてくれた人、心配してメールをくれた人、
みなさん、ありがとう。
たまはきっとしあわせだったから、大丈夫です^^
本当にありがとう。
END
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