独り

 

    独りでないと、見えないもの
    独りでいると、聞こえないもの

    語らなければ、見えないもの
    語っていれば、聞こえないもの

    黙って、世界を聴く
    世界が語りはじめる
    沈黙にむかって

              
 これはそんな難解な詩ではありません。人と語るためには独りになる事が必要だ。人と語り尽くさなければ、独りにはなれない。その営みの末に、沈黙にたいして世界が語りかけるようになる。それだけのことです。