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   メイルマガジン 「ミクロコスモス」  総合版
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                   2002/5/31
         ミクロコスモス出版
              編集長 森谷


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     五月  お終いの挨拶
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 五月は美しい月でした。こう言うと「時は均質であり、すべての季節は美しい。」とお叱りの方もいらしゃるでしょう。でも、五月の美しさは格別です。それは、縮約の美しさとでも言うのでしょうか。

 編集部は小さな城下町に引っ越して。ここは海と山が近づいている地形をしています。さらに、中程の大きさのふたつの川に挟まれ、田園地帯にも間近です。町には、気軽に歩ける範囲に、寺町、青物町、大工町・・西海子通りと、古き町の名が残り、歴史の風物を秘蔵した町でもあります。少し歩けば、力強い海に、少しのぼれば鬱蒼たる森林が続く、ミクロコスモスな町です。


 五月という季節もミクロコスモスです。記録的だった早い春。緑も乾く事なく、深みを増して来ました。すべてが早まって、梅雨を予感される一時もありました。真夏のような一日には、外で水と親しみ、寒気の南下する日には、静かに家ですごせました。雷の音と激しい雨に、豪快な夏を予感しました。でも、見上げる山々はまだ雪を貯え、遠い山々からは降雪の便りさえありました。短い間に、季節の断片が挟み込まれている。これが五月の縮約の美しさです。


 広大無辺な宇宙は、冷たい均質空間に、時折、灼熱の炎の世界が配置されても、単調な世界です。

 しかし、奇跡的に地球の表層の小さな領域では、ブラスマイナス50度の狭い温度帯域に、あらゆる複雑で多様な現象がおこります。雨、雪、雲、霙、氷河、波、海、嵐、そして季節。植物達が芽生え、葉をしげらせ、花ひらき、実をむすぶ。あらゆる生き物がそれに合わせて躍動する。

 広大ゆえの荒涼を悲しむ宇宙が、せめてもと作った、小さなあそび場が地球なのでしょう。宇宙の荒涼を思えば、争いの絶えない世界でさえも、愛おしきものと感じられるでしょう。すべてを楽しもうではありせんか。さらに季節という光を与えられた、この国の、この季節、わが住む町の、この5月の日々に感謝します。

 読者のみなさんの5月も、思い出せばきっと、季節の光がそばにあったことでしょう。

                         し/あ
   
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【編集長より】

 月に一度の、恒例の編集部よりのご挨拶です。「何、文章の練習してるの。」といつも言われるのですが、たしかに、少しばかり、言葉の遊びの「ご挨拶」です。

ほんとうは、こういう文は当社では「禁じ手」なのですが。「単純」「明快」の方針に背くからです。でも、まあ月に一度の文章を使った「飾り物」と心得て、お許しを。また明日から、足で取材した「無骨」な記事をお届けするようにいたします。

 五月分はこれが最終です。

 継続なさらなかった方々には、残念ですが、またおつきあい、いただける時が来る事を願っております。

 継続の方々には、さらなるご御批判、御協力を願いします。つたなき、内容をお詫びするとと共に、今後の努力を約束させていただきます。


  ミクロコスモス編集局
  メイルマガジン
  「ミクロコスモス」

    筆 者   一同
    編集長   森谷 昭一
     2002年5月31日

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     今月は、ここまで。
        ではまた。
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  ミクロコスモスロス出版 メイルマガジン編集部
     編集長  森谷 昭一
  ご感想、ご意見、リクエストも編集部まで。
 
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