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  ミクロコスモス総合版2002年5月20日へちがら「コイン」
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               発行 ミクロコスモス編集部

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      編集長の大失敗
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 これは編集長の失敗でなく、他人の大失敗に出逢ったという経験である。
 3月末だか、編集長はちょいと冷え込む春の夜の東京で、人影少ない裏道を歩いていた。すると、急に若いおねえさんが、

  「あのう、ちょっと話を聞いてくれますか。」

と話しかけてきた。こんな方法で信者を勧誘している新興宗教があると聞いたので、それかと一瞬思ったが、違った。

「実は〜、そこの駐車場で〜、あと百円という所で、お金が無くなって、車が出せないんです。ここのまでは、家に帰れない。それでぇ〜、このテレホンカード100円で良いから、買ってくれません。」

と、そのおねえさんは、銀色のカードを差し出した。

 確かに、少し離れた所に、100円コインの駐車場がある。お金をいれると、タイヤを止めている鉄板が下がって車が出せるようになるあれだ。

 なんだか良く分からないままにに、編集長は「はあ、100円でいいんですか?」とかいって100円を渡した。一瞬もう少し渡した方が良いのかなとか思ったが、言われるままに100円を渡したら、テレホンカードをくれた。

それは、フジテレビ社製の未使用カードであった。人助けだったのか、ちょとした儲けものだったのか、キツネにつままれるような気分であったが。数日後の今も確かにそのテレカは手元にある。ちゃんと使用もできた。

 さて、こんな「あと100円事件」「あと、10円事件」は、読者の皆様にも、一度はあると考察するがどうだろう。コインランドリーを利用してた時、編集長はあと100円事故のため乾燥機が止まり、半分濡れた洗濯物で寒い思いをした。

別の時には、洗剤買う分のコインがなくて、水洗だけの服を着たりした事がある。「そんな馬鹿な事は、お前だけだ」とは言わせない。きっと、誰でもある筈だ。

「コイン○○××」 が増えていく昨今、こういう大失敗の数は、世の中でどんどん増加していくのだろう。コインシャワーなんてのがあるが、頭にシャンプーいっぱいのまま、お湯が止まって、さてコインは無いとなったら、どうするんだろう。

しかし、夜の町には、コインやカードを吸い込もうと、光を点滅させている冷たげな機械が沢山ならんでいる。なんだか、寂しい風景だ。都会は、コインさえもってれば、寒い冬の夜中に、暖かいお汁粉やらスープやら飲める。おでんの缶詰まである。

しかし、100円玉がひとつ足りないために・・・最後のたったひとつのコインがなくて、腹をすかして機械の前で悲しく死んでいく都会の物語を思いついて、書こうかと思った。

マッチ売りの少女ならぬ、「コイン足らずの、おねえさん、あるいはおじさん」・・・・けど、考えただけで寂しくなったので、やはり書かぬ事にする。


   春の夜  百円足らずの テレカ買い   

                編集長


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くだらん話しだったので、口直しになるか、イギリスの古い民謡から


      数え歌


   パン屋の娘は、数え下手

   パン切れ数えて、歌うたい

   素敵な男に、1、2、3、3、4

   野暮な男に、1、2、3、5

   ミルク足りなきゃ、1、2.3、2



  (蛇足) おまけの歌ですよ。

      
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      きょうは、ここまで。
             ではまた。
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