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メイルマガジン 「ミクロコスモス」  総合版
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          2002/5/15
          発行 ミクロコスモス出版
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      今日の言葉      No.156
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    片づけていない本はいっぱいあるように思えるが、
   片づけると少ししかない。


                       森谷 


 今日の言葉は編集長の作です。編集部の引っ越しをして、バラバラに なっていた本がいっばいで、「どうしてこんなに本があんるんだ〜」とか半分呆れていたんです。で も、ちゃんと分類して、片づけが終わると、今度は資料の少なさに呆れています。

物事は「ちゃんと片づける」 と、以外とと少ないように思えてくるものです。乱雑にしていると、物事は多くあるように感じる・・・体系的に片づけていくと、物事は一点に集中していく・・・・人生もそうなのかなあ・・・

 こんな事考えていたら、急に「トリムニナ スビタニフ」の詩の意味が分かったような気がしまし た。物事が整理され、一点に集中する時、多は一に帰して、整理され得ない唯一の生命だけ が、数えられる対象になる。・・・・・そんな哲学じみた事を一瞬考えましたが、なんだか良く わかりません。

 とにかく以前紹介した「トリムニナ スビタニフ」の詩をもう一度掲載させてい ただきます。


                       も/あ

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     今日の詩  夕べのために
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          人生の絵画



   私の若い頃

   人生は何もかもがつながりをみせず

   そして世界は悩みと悲しみに満ちていた。

   年老いて、人生のすべてが見渡せる今

   すべの苦しみは人生という絵画の下塗りとなり
 
   すべての悲しみはひとつの背景になり

   数える事のできる、いくつかの幸せの時と、喜び
   
   夢と希望が

   人生という背の上にに描かれている。

   そして

   その夢と希望は、もはや絵画から飛び出して

   絵を見てくれる者の所に届けられるだろう


             トリムニナ スビタニフ  画家


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 トリムニナ スビタニフの絵画を見た事がありますか。国籍も定かでない身分で、東欧のいくつかの国を転々としながら、さまざまな肉体労働をしながら、戦争に翻弄される人生をすごし、あらゆる種類の災難と苦しみを経験しながら、わずかばかりの絵画を残した人生の画家です。

 しかし、彼の人生の暗さに対して、その画面の明るさ、映像的音楽の幸せは無類のものです。彼の光をつかまえ、見る者に届けてくれる美しさは天国的とでも言うのでしょうか。

 彼の残した数少ない詩のうち、最後のものがこの詩です。この詩と共に、あの最後の名作「私の村のタシス草」にふれると、永遠の安らぎと、静かな勇気が与えられるのです。

                      す/い

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      きょうは、ここまで
          ではまた。
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  ミクロコスモスロス出版 メイルマガジン編集部

   編集長  森谷 昭一

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