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ミクロコスモス総合版2004年9月26日DJ番組「言葉にすれば」
────────────────────────────── 発行 ミクロコスモス放送局
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DJ番組 ミクロコスモス お題拝借 言葉にすれば
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DJ番組「ミクロコスモス」の時間です。さて、今日は川崎の消印の名無しさんから、お便りいただきました。
「いつも不思議な番組、聴いてます。さて、最近ちょっと思う事があるんです。それは、言葉って通じるのかなあ〜って。言葉にしないと分からない事もあるし、言葉にしても通じない事ってのもあるし、言ったらますます通じなくなったり、言わなくても通じる人もいるし、・・・分かんないです。・・どう思いますか・・・」
との事です、あっはっはっは、深淵な悩みですね。では、本日は「お題拝借」といきましょう。お題として、
言葉にしなければ分からないこと・・
言葉にしても分からないこと・・・・
言葉にしたら通じないこと・・・・・
何も言わなくても通じること・・・・
にして、語りましょう。では、順番に
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【悪魔の言葉編】
言葉にしなければ分からないこと・・絵や音楽を理解できないやつへの説明
言葉にしても分からないこと・・・・馬鹿と話している時に思い浮かぶ言葉
言葉にしたら通じないこと・・・・・自分の作文能力に限界が来た時に使う言い訳
何も言わなくても通じること・・・・我侭なガキがそのまま大人になると使う要求
【蛇足】
最近コンサートで解説したりして・・通には邪魔なんだよね。まあ、馬鹿にいっても分からないだろうけど。こういう事は、言葉じゃ言えないことだけどね。まあ、僕の言うとうりなのさ。まあとにかく、人の言葉はコンプレックス・・・・
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【人任せの怠け者の言葉編】
言葉にしなければ分からないこと・・・それは学者にまかせよう
言葉にしても分からないこと・・・・・そいつは神様にまかせよう
言葉にしたら通じないこと・・・・・・絵描きか役者にまかせとこう
何も言わなくても通じること・・・・・それは女房ににまかせとこう
【蛇足】そんなに何もしないで、ひとりで何するんですか?
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【ちょっと社会的】
言葉にしなければ分からないこと・・・国会の演説
言葉にしても分からないこと・・・・・ワープロの使用説明書
言葉にしたら通じないこと・・・・・・漫才の台本
何も言わなくても通じること・・・・・役所のお知らせ
【蛇足】とにかく、最近はくだらんおしゃべりと、紙資源の無駄遣いか増えてます。
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【天使の説教編】
言葉にしなければ分からないこと・・語る勇気を持ちなさい
言葉にしても分からないこと・・・・それをくみ取る知恵を持ちなさい
言葉にしたら通じないこと・・・・・沈黙を守る強さを持ちなさい
何も言わなくても通じること・・・・そのような伴侶を求める旅が人生です
【蛇足】はいはい、分かりました。・・
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【職業倫理編(医療関係者編)】
言葉にしなければ分からないこと・・・気楽に話せる人間性をみがこう
言葉にしても分からないこと・・・・・信頼に包み込もう
言葉にしたら通じないこと・・・・・・わが医療技術に語らせよう
何も言わなくても通じること・・・・・ただちに行動に移そう
【蛇足】
偉そうなドクターだと、なんだか、患者はどもっちゃいますね。難しい説明より、一言「平気さあ。」っていってくれる方が安心かなあ。
いちいち説明も大切だけど、気がつかないうちに採血が済んでいたなんていう、名人芸の看護婦さんってのは有り難いね。
しかし、どうでもいいけど、寒いんだけど、早くなんとかしてよ。喉に管がはいっていてしゃべれないんだから。・・・
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【職業倫理編(教育関係者編)】
言葉にしなければ分からないこと・・良い教師は洗練された言葉を使う
言葉にしても分からないこと・・・・良い教師は自ら模範を示す
言葉にしたら通じないこと・・・・・良い教師は深い愛をもつ
何も言わなくても通じること・・・・良い教師は無駄な言葉がない
【蛇足】あの先公ったら、意味不明の授業だし、わかんなくなると殴るし、自分は馬鹿話ばっかりだし、ホームルームは余計な連絡ばかりだしよ・・・・・
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【母と子 編】
言葉にしなければ分からないこと・・あなたの名前が太郎だって事
言葉にしても分からないこと・・・・あなたがこうして生まれてくる事
言葉にしたら通じないこと・・・・・あなたが私のおなかに確かに居たこと
何も言わなくても通じること・・・・あなたが私をたよりにしていること
【蛇足】
ほんとうに不思議なもんですね。赤ちゃんが自分の名前が分かるようになる日を楽しみにしてるんでしょうね。おかあさん達は。そして、きっと男には、子どもが自分の中にいた事は永遠に理解できない事なんでしょう。そして、胎児が親を信頼する事は絶対的で、永遠なるものんのでしょう。いつか子どもは言葉を話しはじめる。そして・・・
────8─────────────────────
【ぴったりする言葉編】
言葉にしなければ分からないこと・・愛
言葉にしても分からないこと・・・・愛
言葉にしたら通じないこと・・・・・愛
何も言わなくても通じること・・・・愛
【蛇足】どれも、あんまりぴったりしているので驚きますね。不思議な言葉なんだな。愛って。
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【単純な恋歌 (a simple song of love)】
言葉にしなければ分からないこと・・語ろう、あなたへ
言葉にしても分からないこと・・・・わけいろう、あなたと
言葉にしたら通じないこと・・・・・みつめていよう、あなたを
何も言わなくても通じること・・・・感じよう、あなたから
【蛇足】 おめでとう。幸せにしてください。
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【複雑な恋歌 (a complex song of love)】
言葉にしなければと、心整わぬうちに過ぎ去ったあの人
言葉にしてもと、語れまいまま消えていったあの人
言葉にしたらと、黙って分かれたあの人
何も言わなくても通じると、甘えた時から遠のいたあの人
【蛇足】 傷は深いですね。でもね・・・・
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【深遠な哲学者編】
言葉にしなければ分からないこと・
言葉は人間の武器である。無意識の暗黒から人を理性の明るみに導く唯一の道具である。
言葉にしても分からないこと・・・
言葉を超越した純粋経験の彼方より言葉は生まれ、言葉はそこにいきつくのである。
言葉にしたら通じないこと・・・・
語りえぬことについては、沈黙しなくてはならぬ。
何も言わなくても通じること・・・
人は共同の幻想に包まれ無意識に生きる。
【蛇足】何のことやら、わからん。
【蛇足の草履】合理主義、西田幾多郎、ヴィトゲンシュタイン、吉本隆明・・知っている?
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【だらしのない森谷編集長編】
言葉にしなければ分からないこと・あわてて言い忘れてばかりいる。
言葉にしても分からないこと・・・手をばたばたさせるだけでどうにもならない。
言葉にしたら通じないこと・・・・しゃべる事のほとんどが意味不明である。
何も言わなくても通じること・・・鈍感なので遠回しに言っても分からない。
【蛇足】森谷編集長はいつもぼっとしていて、言葉が下手なんで、ガツンとはっきり言わないと、分からないんですよ。
──────────────────────────── さて、次は「名詩紹介コーナー」です。今日の名詩はこれ
もし言葉が
黙っていたほうがいいのだ
もし言葉が
著作権のために引用は2行まで。原文は本を買ってください。
谷川俊太郎の詩集から、「もし言葉が」でした。言葉職人 谷川俊太郎の若き日の作品です。決まり文句や、同じ事ばかり繰り返す安物音楽の騒音の世界です。でも言葉は、詩人としての、言葉を操る者の倫理とでもいうべき、厳しい決意がみられます。言葉を用いる事の厳しさを教えてくれます。
この詩を乗り越えたとき、本当に人に勇気ややすらぎを与える言葉を使える、強くてやさしい人間になれる気がします。この詩の先にある意味を読むならこうも読めるのです。
話した方がいいのだ
もし言葉が
ひとつの小石の沈黙を
融かすほどなら
話した方がいいのだ
寡黙な老人の肩を読めるならば
一人の人生の歴史の深さと
沈黙のやさしさを理解したなら
話した方がいいのだ
もし、あなたが
言葉を越えたものに
ふれたのならば
話した方がいいのだ
ひとつの戦いをすませ
遠い世界への祭りを祝うなら
話した方がいいのだ
言葉によって
言葉のいらない伴侶が
得られるならば
話した方がいいのだ
ひとつの言葉をかみしめ
言葉を超えるものに挑戦する
人を前にしたなら
さて、今日の番組は言葉がテーマでしたが、余計な私の話もそろそろおしまいです。それはまたの機会に
世界の言葉をつくして語り
おしまいに、ふとおとづれる沈黙
その時、すべてが理解の中に
いかがでしたか。番組 ミクロコスモスは 。川崎の消印の名無しの○○さんのお便りからのお題拝借でした。さて、最後に私の意見を・
世界は言葉でできています。花でさえ、香りでさえ、実は言葉で出来ています。だから、言葉にすれば、この世に通じない事などありません。分からない事など、この世にはありません。ただ、ちょっと工夫が必要で、ちょっと時間がかかるだけです。ちょとってどの位かって?
ちょと一言、答えを探すのに一万冊位本を読んで、100年位時間をかければいいだけです。大した事はありません。
川崎の名無しさん、答えになったでしょうか。・・・では、またこりずに、お便りください。ほとんど意味不明で、ちょっとだけ教養のある番組 「ミクロコスモス」 DJの森谷でした。
【編集長より】
旧版読者でない新規読者のために、意味不明の記事の解説をしておきましょう。そもそもミクロコスモスが始まったのは、インターネットなどない、パソコン通信の時代です。
電話にワープロつぎっぱなしで、一行づづのたあ〜って、文字が出で来る画面で、チャットなどしていた時代に、数人の仲間と、やりとり始めたのが起こりです。
メールマガジンなんて、名前もない時に、数人に同じ内容を送って、交換したのが始まり。なかなか、古いのですぞ。
さて、最近、古いワープロのフロッピーのデーターを整理しました。そんで、出てきた古い記事が、これです。
編集長はそのころ、DJ番組を作っていました。音楽とおしゃべりと詩や物語の朗読って内容でしょうか。テープでやりとりしていたので、リスナーったて、僅かな数です。その原稿が今日のものです。古いテープで残っているのは、少ないのだけど。
まあ、そのうち、ミクロコスモス放送局も、リニューアルして、登場させたいと思ってはいます。
DJ番組のテーマ曲はいくつかあるのですが、そのうちの一曲を紹介しました。
シモネッティの「マドリガル」
です。古き良き時代の、SP盤のレコードの雰囲気ただよう名曲です。ちょっと知的な、いろいろ番組ミクロコスモスの雰囲気をお酌み取りください。
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今日はここまで ではまた。
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【お知らせ】
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ミクロコスモス出版
ミクロコスモス編集部
編集長 森谷 昭一
★ 編集部宛メール
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