─────────────────────────────────
 ミクロコスモス総合版2004年8月23日人生処方「ひとつにしなさい」
─────────────────────────────────
             発行 ミクロコスモス出版
            
─────────────────────
  人生処方詩集 「ひとつにしなさい」
─────────────────────

    ひとつにしなさい

  寝ていなさいよ
  寝るときは死ぬほど寝ればいいのに
  ほら、寝ながら明日の仕事を考えている

  仕事しなさいよ
  仕事する時は、徹底的にやればいい
  ほら、また早く寝たいって考えている

  旅行中なのよ
  旅の時は、旅に生きて死になさいな
  ほら、また家の事ばかり考えている

  ここは家なのよ
  家なら、家で楽しみなさいよ
  ほら、また旅のこと考えてる

  ちょっと痛いのよ
  ちょっと怖いのよ
  ここって決めて、まっすぐ歩くのは

  青い服と決めたら、帽子も青にしたら
  ほら、あなた青い服着ながら
  赤いい帽子に気がとんでる

  ひとつにしなさい
  ひとつをとって、後は棄てるの
  ひとつの自由を活かせば、残りは不自由


 こういう人っているもんですね。一緒に旅行にいったら、旅先で「映画みよう。」とか言い出したり、美味しいフランス料理の店にいったら、どこかの懐石料理の思い出ばかり話しているとか、ワガママと言うのではなく、これは「記憶力不足」「持続力」によるものです。

意識の持続力が、ある時間で本人も意識しないまま「ぷつん」と跳んでしまうのです。意識持続の短い人には、ふたつの場合があるようです。ひとつは、「単純に訓練不足」の場合と、もうひとつは「持続する事に不安を持つ」場合です。

訓練不足の人は、徹底した単純動作の繰り返しを自ら課して乗り越えるしかありません。「東京・大阪間の線路のボルトを締める仕事」なんてのを、もしやったなら、集中力と持続力はつくでしょう。まあ、トラック一杯のジャガイモの皮剥きをしても良いし・・・

持続する事に人は不安はもつものです。広い運動場で安全な場所で、目をつぶったまま何歩、歩けるかやってみてください。大抵の人は10歩も歩かないうちに、目を開けたくなります。どんなに信じても、疑いとか、別の世界があるとの気持ちは、不規則に沸き上がって来るものなのです。そのような不安や疑念を払いのけ、一つに決めて進む事は、とても痛みを感じる事さえある事なのです。

ただ、確かに11歩目に石に躓くかもしれないし、閉ざされた世界で、無用な人生を送ってしまう危険性もあるのです。そのような事態に対する心の防御機能があるとも考えらます。
 
 まあ、副作用もある処方ですが、どうも「気の定まらない」人には、適切な処方になるはずです。

ひとつの自由を選ぶ事は、組み合わせの不自由を引き受ける事です。旅行出かけて広い世界に出逢う自由を選んだら、映画見られない不自由は我慢しなきゃ・・・

             切断面の響き「人生処方詩集チーム」


 ────────────────────────
      今日はここまで ではまた。
 ────────────────────────
【お知らせ】配信時刻がめちゃくちゃになって申し訳ありません。 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ミクロコスモス出版  ミクロコスモス編集部
   編集長  森谷 昭一   

★ 編集部宛メール     micos@desk.email.ne.jp