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 ミクロコスモス総合版2004年6月16日「新諺研究2」
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             発行 ミクロコスモス出版

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 新諺研究プロジェクト 2 
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 またまた、新諺研究 です。

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【古典】 青天の霹靂

[解釈] 突然に起こった、思いがけない出来事のこと。または、予想もしなかった大事件、大変動が突然起こること。晴れた空に突然雷が鳴り出す、との意味。霹靂=激しい雷鳴のこと。
                 由来 = 陸溝の詩

【新作1】 晴天の大気汚染

 [解説]一見、美しく見えても、悪は薄く広がって、気が付かないとの例え。


【新作2】 雨天の酸性雨

 [解説]突然思いがけない事が起きれば誰でも驚いて、なんでもするが、すこしずつ、だんだんにやってくるものには気づかないで見過ごしてしまう。

  類義  湖の環境ホルモン

【新作3】晴天の辟易

  [解説]昔、雨ばかり続くので、雨乞いならぬ「晴れ乞い」の神事をした。ところが、今度は晴ればかり続いて、いやになってしまった。
 
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【古典】重箱の隅を楊枝でほじくる

[解釈]つまらぬことまで根掘り葉掘り干渉すること。また、どうでもよいことに神経を使うこと。重箱=食べ物を入れて重ねておくための四角い箱のこと。

【新作】重箱の隅をシャベルでほじくる

  繊細にあつかうべき事に無神経で不器用な扱いをすること。類作 = 楊枝がわりの五寸釘 経済学とか心理学とか教育学とか、現実には役立たない、いい加減な学問を示すとの説もあり。

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【古典】痛し痒し

[解釈]ふたつのやり方のうち、どちらかをやってみても、それぞれ都合が悪いことがあり、どうしてよいのかわからないたとえ。かくと痛いし、かかないと痒い、の意。

【新作1】 痒し、痒し

   水虫の時の気持ちを表す。

【新作2】 うっしし、うっしし。

   まったく意味のない諺である。


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【古典】竹を割ったよう

[解釈]性格や性質がさっぱりしていること。また、気性がさっぱりしていること。

 【新作1】 西瓜を割ったよう

 [解説]性格や性質が、ぐちゃぐちゃな様子をしめす例え。女性の容姿に対して使う事は禁物である。

【新作2】 茶碗を割ったよう
    ガラスを割ったよう
     ゴムを割ったよう
     糊を割ったよう
     風船を割ったよう
     七で割ったよう

  [解説] いずれも、人の性格や性質を表しているとの事だが、どんな人間を形容しているかは不明である。各自で想像されたい。
 

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【古典】虫も殺さぬ

[解釈]虫も殺さないほど優しい、ということ。また、おとなしそうなようすのこと

【新作1】 虫も殺さぬ殺人鬼

 [解説] 大罪をなしているのに、小さな罪は犯していない事を理由に、大罪を逃れようとする人間の例え。

【新作2】 大腸菌も殺さぬ

  [解説]大腸菌を殺さず、生きる事は不可能である。殺生戒も微生物に広げれば成立しない。どんな理念も徹底して断行する事は不可能であるとの例え。

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【古典】人は見かけによらぬもの


[解釈]外見だけでは、人の本質や能力は判断できない、ということ。

【新作】 人はおかげによらぬもの

[解説]人はいくら恩を売っても忘れてしまう。「恩を仇で返す」と類義。


【新作】 人はトカゲによらぬもの

[解説]人はトカゲにはあまり気持ち悪がって寄りつかない。黒のスパンコールドレスのような怪しげな服をしていると、人はよってこない。怪しいみなりをしてはいけないとの教え。

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【古典】物言えば唇寒し秋の風

[解釈]自慢したり、人を馬鹿にしたりした後は、なんとなくむなしい気持ちになる、との意味。または、余計なことを言うと、それが元でつまらないことがおこるから、なるべく余計なことは言わないほうがいい。松尾芭蕉の句で、芭蕉はこの句を自分への戒めにしていたという。

【新作1】物言えず唇寒し冬の風

[解説] 言論統制が厳しい冬の時代であるとの表現。


【新作2】もの言えず、唇熱し、秋の風邪

 [解説]風邪をひいて、ひどい熱で、唇まで腫れて声もだせない状態。つうじて、ひどい言論弾圧を表している。あまりに、弾圧がひどいため、こんな遠回しな表現になっているとのこと。

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【古典】問うに落ちず語るに落ちる

[解釈]他人に聞かれると用心して打ち明けないことも、自分勝手に話させるとついつい白状してしまう、ということ。 出典 = 毛吹草

【新作1】十(とう)に落ちずに、十一におちる。

 [解説]危ない橋を10まで落ちないようにと目標を立てて成功するが、11番目で落ちてしまうこと。目標を立てて、達成した後こそが危ないとの戒め。

【新作2】問うに答えず、語るにあやまつ

 [解説]訊いても黙っているし、しゃべると間違った事しか言わない。どうにも頼りになりない人間の例え。
  
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【創作】 翌朝の電子レンジ

[解説]夜食にちょっとつまもうと、残り物などを電子レンジに仕掛けたまま、忘れて寝てしまい、翌朝にひからびた姿で発見すること。通じて、物事の評価をすぐに行わないと、機を逃してひからびてしまうとの例え。
 
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【創作】 雨の日の布団干し


 [解説]奇行・愚行の例え。 類似作品=石を鍋で煮る。

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【古典】彼も人なりわれも人なり

 [解釈] 彼も我も同じ人間だ、ということから、他人のできることが自分にできないはずはない、と自らを励ます言葉。 出典 = 韓愈の文

【新作1】 彼も猿なり、我も猿なり

  [解説]みんなお馬鹿で、下等であるとの例え。「彼も鶏なり我も鶏なり。」も類似作で、だれでも物忘れするものだと、自らを慰める言葉。


【新作2】彼も言いなり、我も言いなり

 [解説]ワンマン社長に、社員一同でごまをすっている様子を表す。
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【まとめ役より】
新諺シリーズも2回目になりました。数人 + 一部読者で作ってます。時々、 意味不明が混入していますが、御容赦ください。
  なお、【創作】は、古典によらない、まったくの新作です。

【御意見より】

読者より御意見を頂きました。

「石橋をたたいて壊す」は・・・・・・

臆病な人が、必要以上にガンガン叩いたために頑丈な石橋も壊した。
慎重になりすぎると、確実な機会をも失う例え

ではとの事です。

[解説]怪力・強靱・粗暴な人間を表す。ゴジラみたいなやつ。

よりは、まっとうな解釈と思われます。有り難うございました。

 「紙橋を吹いて、壊す」

というのが究極の儚い存在と細密な不信の組み合わせという事でしょうか。誤爆、過剰攻撃も不信の故でしょうか。あっ、ちょっとミクロコスモスのルール違反かな・・・


【編集長より】・・・数カ所ルール違反。今回は警告のみ・・・

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      今日はここまで ではまた。
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【お詫びとへちがら】 数回とばしてしまいました。申し訳ありません。箱根の山に樹木の観察にずっと行っていました。この所、梅雨が一休みなのか、さわやかな日々が続きました。

梅雨の季節の中の爽やかな風の季節・・・小春日和が、寒気の到来の中でのふとした暖かな日であるように、季節の中にある小さなもう一つ季節は、特別に美しいものです。

春の名残雪は春の中の冬です。盛夏も終わりに近づくと、秋を予告するような日があるものです。そんな小さな季節を身に受けとめるべく、機に応じて、自然の中にを散策できるる身分は、嬉しいものです。

 仙石原あたりを探訪していると、なんとも爽やかな風でした。箱根は、今、ウツギ類、ヤマボウシ、カズラ類が盛んに白い花を咲かせています。

この季節に咲く花には、白いものが多いのです。緑が濃くなると、白が昆虫達に目立つ色なのでしょうか。花は、昆虫に花粉を運んでもらうために目立つ存在なのです。


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ミクロコスモス出版  ミクロコスモス編集部
   編集長  森谷 昭一   

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