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 ミクロコスモス総合版2004年4月18日「雨の日に洗濯物」
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    今日の詩とエッセイ
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    雨の日に洗濯物

  すてきな人はこんな人
  雨の日に洗濯物を笑って干している
  とがめる言葉に、その人は
  「もうすぐ雨は、晴れになるわ。」
  きりっと、そう言い、空を見上げ、
  しとやかな雨の中で手を動かす
  わが愛する伴侶はこんな人

            柏木 徹

 あなたの伴侶が、雨の中で洗濯物を干し始めて、なんだかにこにこ笑っていたらどうしますか。心の病にでもなったか、心配しますか。「馬鹿、やめろ。」って怒りますか。

私なら、笑いかけて、一緒に手伝います。こんな女性つて、本当にいたら素敵です。女性って、夢があるようで、芯は男よりずっと現実的で、意外とファンタジーの持ち主ではない気がしています。全身から、こんなファンタジーを生み出せる女性は、また身近に出会った事はありません。
それどころか、大抵の女性は

 「洗濯物は、ちゃんと籠にいれなさい。」

とか

 「余計な事ばかりして、また洗濯が増えるでしょ。」

とかひとつひとつ・・・・。 あまり「正しい事」を言われ続けると、いい加減いやになってしまいますね。・・・男ってそんなものです。

 なんか少し、はずれていると言うか、奇行の持ち主の女性に、案外と男は惹かれるものです。「保護コンプレックスの現れだ。」とか言われそうですが、違うと思います。

現実的なようで、実は「永遠の冒険少年」、夢見る存在である男達。きっと、気のあう冒険仲間を、いつまでも探し続けているのでしょう。

 さて、人には欠点や多少の奇行が必ずあるものです。それらに対して、

 1 とがめる、
 2 矯正しようとする、
 3 諦める、
 4 補って助ける、
 5 それを喜び、楽しむ、
 6 欠点が長所である事を知る、
 7 欠点とか長所とか、そんな区別など無いものと悟る。

こういう階段を上りながら、人は人に対する寛容とか愛を育てていくものてす。そして、この階段を上るには、夢見る力か必要なのです。

永く暮らして、7の段階に達した夫婦って案外いるものです。7の段階の中に1から6までのすべてを取り込んでますから、みかけは喧嘩ばかりのようでも・・・

 この詩の作者の奥様は、確かに不思議な人みたいだったそうです。可愛い絵を描くセミプロ画家だったのだけど、思いつくといきなり絵を描き始めるので、なんだか生活とごちゃまぜで、カレーの鍋の中から、絵の具のチューブが出てきたり・・・

みんな絵の具を食べさせられてはいないか、招待されるたびに心配したりしていたそうです。

詩人は、まじめできちんとした仕事をする人だったので、まあ周囲から見て、「良い具合の組み合わせ」だったようです。でも、この詩人の詩作は、実に幻想と夢にあふれ、まじめな見かけから想像できない世界を構成していました。多分、この奥様の与える影響が大きかっのだと思います。

 なにやら最近は、年老いた夫婦が離婚したり、なんの交流もなかったりする事が多いそうですが、こんなファンタジーを持ち続けないと、長い人生、現実に埋没して空虚となってしまうものです。

人は、生涯、「夢見る夢子さん」「永遠の冒険少年」をどこかに、生き続けさせる事が大切なんでしょう。
 
あなたの周囲に、こんな女性はいますか。いたら、大切にしてあげてください。人類の宝です。
                 y/s


 【BGM】BGM として次の曲をかけながら読んでください。

  オーバーザレインボー 
       武満徹 編曲 演奏 鈴木大介
 
【編集長の蛇足】

 あなたの周囲に、雨の日に洗濯物を干すような男性はいますか。多分沢山いるので、やめさせましよう。男って、本来、壊れた心の持ち主ですから。いくら、やめさせても「永遠の冒険少年」は、しょうこりもなく、何か変な事始めますから・・・
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      今日はここまで ではまた。
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【お知らせ】
 今回から、時々ですが、詩やエッセイなどにもBGMとして曲を紹介する事にしました。
 
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ミクロコスモス出版  ミクロコスモス編集部
   編集長  森谷 昭一   

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