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 ミクロコスモスいちもんめ学園2003年3月21日講義録「学ぶ事」1
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   いちもんめ学園講義録 「学ぶということ」1  

 いちもんめ学園に入学したみなさん。どのように勉強していったら良いかお話したいと思います。いちもんめ学園の勉強の方法と、授業のしくみを知ってもらうために大切な話です。最初の主題は「学ぶことを学ぶ」です。

 さて、「学ぶ事はジグソーパズルに似ている」と言った人がいました。パズルの『ピース』にあたるのが、知識の断片です。例えば数学、国語、政治・・などの学校の科目で学ぶひとつひとつの知識です。

        

また学校以外でテレビや映画を観て得た知識や、本や新聞を読んでとりいれた情報も知識のピースです。さらに、友達との会話や、道で転んで痛かったというような何気ない日常の経験も知識のひとつです。

 ピースはひとつひとつを見れば、ばらばらで無関係な別のものに見えますが、組み合わせると大きな一つの『絵』が出来ますね。勉強する事も同じです。ばらばらに、受け取った知識を自ら並べていくと、やがて大きな『知識の絵』ができるはずです。

勉強は、ひとつひとつの知識を受け取っていく事も大切ですが、それを並べて大きな一つ絵をつくる事が、何よりも重要なのです。

 ジグソーパズルは、出来る絵は決まっていますが、みなさんがこれからいちもんめ学園で学んだ事を並べて描く絵は、ひとりひとり違います。その絵は、みなさんの個性、人生観、世界観と言っても良いでしょう。その絵は、知識の地図、つまりこの世界がどうなっているかの地図なのです。

知識のジグソーパズルは、同じ部品からでも、人によって違う絵が出来るのです。むしろ積み木細工に近いかもしれません。ギリシャの哲学者トヒノメラタデの言葉に

「この世には数多くの知識があるように見えるが、しかし学ぶべき知識はたったひとつなのかも知れない。あなたの人生がひとつしかないように。」

と言う意味のものがあります。たったひとつの知識とは、個別の知識によって描かれる大きな絵とは、つまり世界観の事でしょう。世界観とは、この世が究極的にどんなものなのか個々人が描く像です。

 これから、言葉の科目、数学、理科、政治や経済、人の心の事など、様々なな科目を学んでいきます。これらは、もとから別の学問であったわけではありません。

もとは人間がより良く生きるにはどうしたら良いかというたった一つの考える行為だった筈です。一度に学ぶのは大変なので、歴史とともに、だんだんと細かく分けるようになって、 出来たのが様々な学問や、科目なのです。

ジグソーパズルも、もともと一つの絵だつたものを切断してピースにします。もともと一つであるった知識を、元に戻す作業が、これからみなさんの勉強なのです。だから、国語や数学や理科という科目は、本当は関係のない別の知識ではありません。

それは、一つの幹から分かれた枝のようなものです。最初はつながりが分からないかも知れませんが、いつも受け取った知識の断片を大きな絵にして、知識の樹の幹にたどりつくように、これから学んでいってください。

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      今日はここまで ではまた。
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【編集部より】

いちもんめ学園の校長先生の特別授業の様子です。クラスを回って短い授業をしていきます。いちもんめ学園には10分区切りの時間割りがあるのです。

全部の時間が50分とかではなく、10分授業、30分授業、50分、2時間、一日授業とかあって、いろいろ複雑ですが、先生も生徒も携帯端末をもっていて、それにしたがって教室にいくようになっています。選択が複雑で、休んだり、関門テストに不合格になると、先に進めないので、適時にクラス編成と時間割をコンピューターで制御しているのです。

みんな胸ポケットにいれているのがそれで、出席もこれでとります。教室に入ると、すぐに反応して集計されるのです。いちもんめ学園は、みかけは、なんだか木造校舎で自然派ですが、肝心な所はなかなかハイテク技術が駆使されているのです。
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ミクロコスモス出版  ミクロコスモス編集部
   編集長  森谷 昭一   

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