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ミクロコスモス総合版2003年3月19日なと氏古典「禅問答4」
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             発行 ミクロコスモス編集部

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   第4回
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【なとさん】

 さて、前回の宿題だ。ちゃんと訳せたかな。・・・

南泉 因趙州門 如何是道 泉伝 平常心是道 州伝 還可趣向否 泉伝 疑向即乖 州伝 不疑 争知是道 泉伝 道不属知 不属不知 知是妄覚 不知是無記 若真達不擬之道 猶如太虚 廊然洞豁 豈可強是非也   州於言下頓悟

【編集長 + よもぎ】

へらほら、ほにほに、ふひてひ〜・・・・

【なとさん】
しょうがないな。これが、現代訳だ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 趙州が修行中にに、師の南泉にたずねた。

 「仏道の道とはなんでしょうか。」

南泉は、祖の言葉を引いて答えた。

 「平常心が道だ」

 「では、平常心を目的として努力すればいいのですか」

 「いや、目標とすればそれる」

 「しかし、目標がなければ、道を求められませんし道を知る事もできません」

 「道とういのは、知るとか知らないといった問題には属さない」

これをきいてただちに悟った

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【よもぎちゃん】

早速、意訳です。意訳ならば得意です。・・

  「道を歩くにはどうしたら良いでしょう。」
  「道の右を歩けば良い。」
  「右とは、どこですか。」
  「道の右側だ。」
  「それでは、分かりません。しっかり右を指してください。」
  「右というのは、どこにあるとかないという問題ではない。」

【なとさん】

「右」ってどんなものか、実体を見てみたいと思っても見られないからな。まあ、外れてはいないかな。

【編集長】

メタ言語とか、実体語と関係語とかの対応を言っているとすれば、こういうのはどうかな。

 「毎日、健康に過ごすにはどうしたら良いでしょう。」
 「何事も丁度良くやることだ。」
 「丁度良くとは、どの位の量でしょうか。」
 「それは日々違う。」
 「丁度良くの量が分からなければ、食べる事もできません。」
 「丁度良くというのは、決まった値ではなく、感じて対応する事だ。」

【なとさん】

そうだね。「中道」は、釈迦の説いた言説の中では、重要なものだけど、「調度真ん中」とか、捉えたら外れてしまう。そこらへんも含んではいる。関係概念と実体概念の関係かな。

【編集長】

いわゆる「頭のかたいやつ」って、関係概念を、実体に変えてしまう人の事みたいだね。たとえばこういうの。

 「良い人生とはどんなものでしょう。」
 「日々良く暮らす事だ。」
 「では、その『日々』を目標とすれば良いのですか。」
 「いゃ特定の「日々」という日ではなく、毎日の事だ。」
 「では、毎日を目標にします。その毎日とはどういう一日ですか。」
 「毎日は、毎日で、いろいろな日だ。」
 「その色々というのはどういうものですか。」
 「色々は色々で、毎日は毎日だ。」
 「なんだか私には分かりません。」
 「・・・・・・・・」

【よもぎちゃん】

 うん。そういう人っている。

【なとさん】

君らは、頭は固くはないようだけど、柔らかすぎても困るぞ。きっかりしているもの大切なのだ。

では次の宿題。

 端厳彦和尚 毎日自喚 主人公 復自応諾 乃伝 惺惺著 
 若 他時異日 莫受人瞞 若 若 

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      今日はここまで ではまた。
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【編集長より】

 シリーズものは、つづけて掲載しても良いかとも思いましたが、どうも続いてもあきる気がして来ました。明日は別のシリーズにします。

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ミクロコスモス出版  ミクロコスモス編集部
   編集長  森谷 昭一  

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