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ミクロコスモス2003年1月26日ふとした疑問「なぜ花は美しいか。」
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発行 ミクロコスモス編集部
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ふとした疑問 「なぜ花は美しいか。」
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Q「なぜ花は美しいのか?」と聞かれたらどう答えますか。?
A 当たり前だろ。花だもの・・・
なんか突き放されたようで、案外と的を得ていたりして・・・
A 花を美しいと思う心が美しいのだ。
ちょっとかっこ良い言葉ですが、
答えを先延ばししただけのような気も・・・
A 花は、虫に目立つために、美しくなった。
合理的、機能主義とでも言いますか。
A 花は一時さいて、やがて散るから美しい。
日本人でないと、正解にしてくれませんね。
ものの「あはれ」なんでしょうか。
花は、なぜ美しいか。良く考えてみてください。色々な答えは、またの機会 に。ひとつだけ、参考のために詩を紹介します。ジブラーンの詩です。
花のうた
私は自然が語る言葉
それを自然はとりもどし
その胸のうつにかくし
もう一度語り直す。
私は青空から落ちた星。
みどりのじゅうたんの上に落ちた星。
わたしは大気の力の生んだ娘、
冬には連れ去られ
春には生まれ
夏には育てられる。
そして秋はわたしを休ませてくれる。
わたしは旅人たちへのおくりもの
また婚礼の冠でもある。
生者が死者に贈る最後のささげものもわたし。
朝がくると
わたしとそよ風は手をたずさえて
光来たれる、と宣言する。
夕べには鳥たちとわたしは光に別れを告げる。
わたしは野の上にゆれ動き
その飾りとなる。
わたしの香りを大気にただよわせ、
眠りを深くし、
夜のあまたの眼は私をじっと見守る。
わたしは露に酔いしれ
つぐみの歌に耳を傾ける。
叫ぶ草たちのリズムにあわせて踊り、
光を見るために天を仰ぐけれど、
それは自分の象をそこに見るためではない。
この智恵を人間はまだ学んでいはしない。
ジブラーン 「涙と微笑」より
こうして考えると、花は色々な役割をしていますね。人間にとっての花ばかり を考えるのではなく、鳥にとっての花、大地にとっての花、そして花自身の目 から花の美しさについて考えられるのは詩人だけですね。
さて、この詩の最後の三行の意味は少し分かりにくいかもしれません。だれで も、人は天を仰ぐ時に、自分より偉大なものを想像はします。だけど、その想 像は、いつも小さく低く、無限に届く事は難しいのです。
どうも人は、人間くさい天使だの、神話の神様達を描きがちですが、この地上世界の延 長にすぎない事が多いようです。
偉大なものは、そんな小さなものではない。それを見る智恵は、いまだに花 しか知らないと言っているのです。花の美しさは、その偉大さなのかも知れま せん。
さて、これは考えるための参考文献のひとつです。花はなぜ美しいか。考えてください。
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今日はここまで ではまた。
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編集長 森谷 昭一
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