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ミクロコスモス総合版2002年9月29日今日の一曲「青い地球は誰のもの」
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           発行 ミクロコスモス編集部

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    今日の一曲  青い地球は誰のもの
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 年輩の人には懐かしい、若い人には歴史の玉手箱の一曲を聴いてもらいます。 NHKの番組の主題歌です。

  「青い地球は誰のもの」
NHK特別番組「70年代われらの世界」より 
  作曲  富田薫 作詞  坂田寛夫

 人類初めて人工衛星に乗ったガガーリンの言葉「地球は青かった」からとられた題 名です。この頃から人類は地球を外から見る映像にふれました。そして、高度発展を とげた日本は深刻な公害問題が広がっていました。

そして地球の有限性を表した言葉が「宇宙船地球号」でした。水俣病、イタイイタイ 病、カネミ油事件など、今では貴重な映像ともに、環境問題を人々に訴えたこの番組 の業績は大きかったと思います。

その頃の日本人の感覚には、地球規模で物事を考える余裕すらなかったようです。豊 かになる事が悲願であり、あるゆる犠牲を省みない状況でした。

 筆者の住んだ川には、近くの精糖工場から流される、廃液で真っ黒になって、魚は 完全に死滅していました。だれも、何も言いませんでした。ヘリコプターから散布さ れる農薬は、洗濯物にかかっていました。

 小学校では、農薬をまいた田圃に立てられる赤い三角の旗について、なんどもなん ども注意を子供達にしていました。山に廃棄物を捨てる事が犯罪と捉える事もありま せんでした。みな川に集める者さえいないゴミを投げ捨てていました。横浜市内で魚 の住む川はなくなった時期さえありました。

 それから、十年、二十年として、そんな常識が非常識となっていきました。川に魚 がもどり、あらゆる公害に対する規制や処罰が整備されました。1960年頃、子供達が 泳いだ川は、10年で、真っ黒なゴミだけの川になり、20年かけてなんとか鯉のおよぐ 川にもどりましたが、まだ子供が泳ぐ川には戻っていません。

 歴史をたどれば、人間の狭隘な視野と愚劣さは、測り知れません。でも、それを解 決してきたのも事実であり人類の営みです。もちろん、それは死をかけた告発と、解 決のために注がれた英知と、泥沼の中での戦いがあってのことです。しかし、悲惨な 状況の中で、夢を描いた人々の高い理想は、未だに果たされてはいません。

 そして、あの頃の公害とは違う「環境問題」「社会問題」が次々と、起き続けてい ます。

 この番組の最後では、「残った最後の食べ物を食べた子供達は、腹をくだして死ん だ・・・」と絶望的な詩で未来を予言しようとしていました。それは、大袈裟だった のか、まだまだ楽観的だったのか、分かりません。解決をみないで、犠牲となってい った多くの人も存在するのです。

 30年前の番組を思い出して、振り返る時、思う事があります。人間は、想像を超え て愚劣であり、同時に英知に富み、未来は楽観的な夢物語でもないし、絶望してもい けないと言うことです。愚劣さと戦う意志と勇気とともに、それが決していつも成果 を得るものではない事も諦念する必要もあります。そして、いつも犠牲者と、安易な 追随者が語り合う事なく、存在していくことも認識させられます。

 新たに直面していく諸問題に対し、悲観と楽観の両論がいつもだされます。歴史を みれば、そのどちらに与してもいけいない事を教えられます。人間の愚劣も英知も、 どちらも限りなく深いのです。「未来は暗い」などと一言にくくる事なく、事実を分 析的に見て、そして大きく動かしていく思考が大切なのです。このような態度を「し たたかさ」あるいは「強靱な魂」と呼びます。

   未来が暗黒であると
   絶望してはいけない

   未来が薔薇色であると
   楽観してもいけない

   もちろん、その中間でもない

   過去を正しく見よ
   現在を正しくすごせ

   未来は待つだけのものでも
   作り上ていくだけのものでもない

   過去を一言にまとめてはならない
   未来を一言で語ってはならない

   確かに、ゆっくり、ひとつずつ
   時に、急いで、一斉に

               ライマン・ハウゼン

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   今日はここまで   ではまた。
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【編集長より】ミクロコスモスでは時事問題をとりげません。問題の取り上げ方そのものが視野が狭くなりがちで、長い時間と広がりを失いがちだからです。
二十年程度以上経過した問題あるいは、そのような未来を考えるあたりが、とりあげる問題の境界線かなと考えています。

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