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ミクロコスモス2002年9月15日人生処方詩集「若き日の挫折の時に」
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                  発行 同人 切断面の響き

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    人生処方詩集 若き日の挫折の時に
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  たちどまってはいけない
  傷ついた分だけ、君は
  人を知るのだから
  
  たちどまってはいけない
  おくれた分だけ、君は
  遠くに行けるのだから

  たちどまってはいけない
  はずれた者は、それだけ
  広い世界に生きられるのだから
 
  そして、今
  いつでも今
  旅立ちはいつも、今
 
  人には人の乗り物がある
  自分にあった速さで進む

  一番苦しい時に
  今を夢に結んだ人が
  世界をささえている

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    同人 「切断面の響き」 について 解説
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                  切断面の響き

 「切断面の響き」という文芸の同人の趣旨は次の詩に表現されています。

   切断面の響き

 高みに挑み、深淵をみつめ
 世界が切断される
 どんな叫びも届かなくなる
 
 もう自分を理解する者のない事を知る時
 人は、その心を詩にたくす
 永遠の未来の理解者、
 世界の果ての理解者を求めて

 詩は世界の切断面から響く、
 最後のさけび


 詩は、本当は叫びなのでしょう。高みにいたる創造の断崖に、世界を結ぶ果敢さゆえの否定を受ける時、人は鋭い刃物で切り裂かれたような世界の切断面に触れます。その暗黒の空間からの叫びが詩です。それは、永遠の未来と、遠き世界の周縁に放たれる、最後の言葉の切れ端なのでしょう。

 このように詩を受けとめる時、人は初めて時を越えて、遠き世界の詩の小さな言葉に、人が生きて、そして残していった叫びを、心に聞き取る事が出来るのです。その叫びを受けとめる時、世界の切断面は、僅かにですが結び合わされ、微細な幸せというものを、一時取り戻すのです。

 詩に、そんな思いをいだく者の仲間が「切断面の響き」です。

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   今日はここまで   ではまた。
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【 編集長より】

 編集長も同人の一人です。三番は編集長の若き日の作品をいれてもらいました。直したくて仕方ないのだけど、そのままのせろとの事ではずかしいやら、なさけないやら。

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      編集長  森谷 昭一   

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