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     メイルマガジン「ミクロコスモス」総合版 8月25日
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       光の世界2   共振
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 さて質問から始めましょう。ひとつめです。

  「光はどうして生まれるの。」

 光を出すものを考えてみましょう。ロウソクに火をつけると光ります。鉄を熱すると赤く光ります。どうも光を出す物は温度の高い物のようです。電熱線も温度が高くなると赤く光ります。裸電球をみるとタングステンという金属が光っていますが、約3千度程の高温になっています。まばゆく輝く太陽も6千度という超高温です。

 温度が高くないと光はでないのかというと、そうでもありませんね。コンサートでふったり、お祭りの時に腕輪にしたりする「ケルミカライト」とかいうのがあります。プラスチックの管をパキンと折ると、黄緑色に光ります。さわっても少しも熱くはありません。蛍も光りますが熱くなったりしません。

 ものは、一体どのようになると、光るのでしょうか? 光はどうして出るのでしょうか? 第一回の「光の正体」を思い出してください。

光の正体は電磁波でした。電界と磁界が繰り返される電磁波のうち、きわめて波長の短いものが光でした。電磁波を出すには、電界か磁界を変化させれば良いのです。

変化させるには、例えば電気をきったり入れたりする、あるいは磁石を振り回せば良いのです。発電のために発電器の中で磁石を回転させていますが、弱い電波が出ているはずです。

 ゆっくり変化させれば、電磁波の波長は長くなります。速く変化させれば、波長は短くなります。ロープをゆるく張って、端をぶんぶん揺らすと波ができますね。ゆっくり動かすと、長い波、速く動かすと短い波になります。

1秒あたりに揺らす回数を「周波数」と言いました。波の長さを「波長」と言いました。その波が1秒間に伝わる距離を周波数で割ったものが波長になります。つまり周波数と波長は反比例します。短い波長の電磁波、つまり光を出すは、超高速で電気なり磁界を変化させてやる必要があります。

 さて、どうして物を熱すると、光るのか? 

答えです。

熱とは、分子の運動です。ものが熱せられると、原子や分子の運度や振動がはげしくなります。すると原子から電磁波が出されるのです。

どうして、原子が動くと電磁波がでるのでしょう。原子に電気や磁気があるのか ?
 実はそうとも言えるのです。原子は電気と磁気のかたまりみたいなものです。原子核の回りを電子が回転している図と、電子がマイナスの電気をもっている事もみなさん知っていますね。電子という電気をもったものが、動けば電磁波がそこから出るのです。

詳しく言うと、核の回りを回転する電子の軌道が変化すると、電磁波がでるのですが、少し乱暴ですが、「電気をもっている原子というものを動かすと、そこから電磁波が出る。」と思っていてください。先にいったら訂正しますけど。

 原子はものすごく小さいので、電子の振動する周波数はとても高くなります。したがって電磁波の波長は短くなって、可視光線や赤外線や紫外線が出てくる事になるのです。

さて、ルミカライトのように熱くない物からも光が出るのはどうしてでしょう。これは化学反応により原子の結びつきが変わると、電子の回転軌道が変わり、その時に光が放出されるのです。あのチューブを折る事により、ふたつの薬品が混ぜ合わせられ、電子の回転が変化するのです。

「電気をもった原子が、熱せられたり、化学反応をして電子が変化すると、電磁波である光などがだされる。」とまとめておきましょう。

 さて、二つ目の質問です。「どうして、光があたると、ものが温かくなるのでしょう?」という質問です。どう答えますか?太陽の光を受けると、温かいですね。夏の光をうけた鉄板は、さわれない程です。

この質問は、ひとつめの質問と反対の質問です。「熱 → 光」が最初の質問です。「光 →熱」の理由が二つ目の質問です。

 さて、その答えは「共振」です。共振という現象をしっていますか。「物体がその大きさに等しい波動を受けると、共に振動をする。」これが共振です。「長い波が来ると、大きな船はゆれるけど、小さな船はゆれない。短い波が来ると、大きな船はゆれるけど、小さな船はゆれない。」これも共振です。

また「大きな釣り鐘を、大きさにあった周期で押すと、大きく動く」、「 大・中・小 のビルが地震にあったら、どういうわけか 中 の大きさのビルだけ壊れた。」なども共振による現象です。ビルや橋を造る時に、特定の波長に共振しないようにしないと破壊してしまいます。

 波動の波長に物体の大きさが合うと、共振をして波動を吸収して大きく動き始めるのです。光があたると熱がでるのは、光に共振した分子が運動をはじめるからです。長い波長の電磁波、つまり普通の電波にも分子は共振をして運動して、熱をだします。

「電波を当てると熱がでる。」つまりこれが、電子レンジです。電子とか名前がついてますが、「電波レンジ」と言う方が原理を良く示しています。食物の中の水に共振する電波をあてているのです。

 「波動ある所に共振あり。」と言えます。沢山の放送局の中から、特定の周波数のものだけ選んで受信できるのも共振によります。電波を能率よく吸収するには、波長に近い大きさの電線をはっておけば良いのです。これがアンテナです。

中波ラジオの放送局アンテナは百メートル近くあります。テレビのアンテナは1メートル位ですね。あの程度の波長です。携帯電話の電波の波長は、あの数?のアンテナの程度です。

 その他、共振の関係する現象は、数限りなくあります。物に色があるのも、バイオリンが良い音を出すのも、植物が光を受けて光合成をするのも共振によります。

 人が目でものを見る事が出来るのも、共振現象です。目の網膜にある特定のの分子が光に共振して光りを受け取るのです。耳で音が聞こえるのも、音波に耳にある細胞の毛が共振するからです。見る事、聞く事の基本に共振という現象があるのです。

 「人にどうして目があり、光をみる事ができるか。不思議としか言いようがない。人の思慮を越える神の手があるとしか考えられない。」 と、ある哲学者が言っています。あまり良く分かっていなないようですね。

ちっとも不思議ではありません。光を出すものがあれば、光を吸収するものが必ず存在する。光を出す原理と、受け取る原理は同じなのだから。光に反応する部分をもつ単細胞生物があります。

光を吸収して反応すると言う現象は、原子・分子のレベルからあるのです。そんな機械的なな、段階から順に理解していけば、人間が光りを受けて、それを認識できるのは、当たり前に思えるのですが。案外簡単な原理だけで、世界を深くみる事もできる気がします。

まとめ

 ★ 物が熱くなると光を出すのは、原子や電子が振動して、電磁波
   を出すからである。

 ★ 共振とは波の波長に等しい大きさの物体に波がであうと、吸収
   して振動を始める事である。

 ★ 光があたると、熱がでるのは光の電磁波に分子が共振するから
   である。

 ★ 共振がかかわる現象は、数限りなくある。

 ★ 人が音や光を感じる事ができるのは、共振と言う現象による。

 では、スイカなどを食べて頭を冷やしてください。

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  きょうは、ここまで。          
       ではまた。
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           ミクロコスモスロス出版
           メイルマガジン 編集部
           編集長  森谷  昭一 
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