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     メイルマガジン 「ミクロコスモス」  総合版
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                      2002/7/20
         ミクロコスモス編集部
               
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       科学詩 紹介
                  科学詩 研究会
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 始めに  科学詩研究会より

 科学詩が現在、公の場に発表される事はあまりありません。科学の内容を詩で表現する事はギリシャの自然哲学以来、ヨーロッパでは良く行われていました。最近は、科学的発見を詩で発表する事はまずないでしょう。一部の科学者が戯れに仲間に書き送ったり、科学雑誌の片隅にほんの戯れとして掲載される位でしょうか。

 私達の研究会では、科学詩を主に教育の場に活用していこうとしています。古典から使える科学詩を発掘したり、メンバーによる科学詩の創作などを行っています。

 自然科学と諸人文科学が遠いものになっていますが、私達はもう一度、科学に詩情を取り戻してみたいと考えています。これから時々ですが、ミクロコスモスに科学詩を紹介させて頂きます。

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  本日の科学詩
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     生物の詩 1

    いのちあるもの
    
  いのちあるもの
  子をなし、地表にふえる
  小さな姿で生まれ、育ち、老いて、死ぬ
  食らいて、ふんをなし
  地をはい、空を飛び、水をおよぐ
  音におどろき、光に向かう
  他の命を食らい、自らの命つなげる
  その様、不思議の一言 

 生物の授業のはじめに「生物の機能」を勉強します。「遺伝」「発生」「代謝」「運動」「調節」「生態」という6機能です。この詩は一行目から順に6行目までが順に、この6機能を示しています。生物学の教科書の説明体系は、この6つの機能で構成されています。これを最初に学ぶ事はとても大切なのですが、最初に取り上げても抽象的で、あまり理解されません。この詩は、生物の機能を分かりやすく表現しています。高校の生物の授業の最初に使えると思います。


   生物の詩 2 
 
   あわのいのち

  いのちのはじめ
  太古の海にいのちは生まれた
  いのちはあわ 海にもまれた小さな泡
  ふくろがふくろを飲み込んで
  ふくろが、たたまれ、重なり、集まって 
  いのちは生まれ、進化した
  はじけて、死んで
  ふくれて生まれ 

 細胞は「あわ」で出来ています。生物の形そのものが、あらゆる所で「ふくろ」あるいは「泡の形態をしています。原生動物に洗剤を与えると、膜が破けて破裂するように死んでいきます。生物の存在は泡としての存在です。

 オパーリンのコアセルベートや、膜進化説、共生説など生物の進化を説明する上で、生物を膜で出来た泡あるいは袋と考える事は、極めて生産的な発想です。発生学や形態学の基本的な思考ととして、ふくろの概念を強調しておく事は大切です。この詩は、そのような場面で利用できると思います。
                 
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    きょうは、ここまで。
           ではまた。
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【お知らせ】
  
 まだ日程は未定ですが、夏のどこかで、編集長と関係者は旅行のため

ミクロコスモスをお休みさせていただく予定です。またご連絡します。

 筆者や読者で公立の先生してる方は、なにやら今夏から面倒な事にな ったようで、学校で記事を書いてください。編集長は本日より全面的にちゃんと夏休みです。
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         ミクロコスモスロス出版局 
             メイルマガジン編集部
             編集長  森谷 昭一
 
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