─────────────────────────────────
ミクロコスモス総合版2002年11月30日 月末挨拶「蜜柑の丘」
─────────────────────────────────
発行 ミクロコスモス編集部
─────────────────────
11月最後の御挨拶 蜜柑の丘
─────────────────────
ここ小田原は北と西は山に囲まれます。南は海です。そして東に平野が広 がり、関東平野に道が続きます。小田原から先へ行く旅人には、これから登りです。ここは、関東平野の終端なのです。編集部のある御幸が浜を最後に長い砂浜の湘 南海岸はおわり、湘南も、ここ御幸が浜を端として、伊豆につづく岩の海になります。
先日、北側の山の斜面を自転車をおして、散策してきました。もの凄い心臓破 りの坂ばかりで運動不足ではへたばります。でも、登りきると気持ちの良い 風景が広がります。11月終り頃は紅葉のまっさかりで、山紅 葉が透過光に輝きを見せてくれます。
とある斜面の道に、ごろごろ蜜柑が散らばっていました。風でとばされた蜜柑 の実が、落ち葉ならぬ「落ち実」状態になって、転がっています。野生化した 蜜柑から、うち捨てられた蜜柑、見事な名作蜜柑からすれば等級もない蜜柑。小田原の山の斜面は今、蜜柑だらけです。
蜜柑畑の向こうに海がみえます。湘南の海岸線が町並みの向こうに続きます。 空の青、海の碧、蜜柑の葉の深緑に実の橙色。小田原の丘の美しい配色です。 銀杏と山紅葉と積まれた石の色で秋の風景画はそろいます。セザンヌあたりの マチエールが合うでしょうか。
農家の庭先で、まだ残り咲きの花が最後の主張をしています。サルビアやら、 アフリカ鳳仙花やら、くたびれた様子もなく、遠い移住の地で、命を歌い続け ています。もうすぐやってくる初霜の朝に、その終焉に私達が気づくまでの短 い時間の誇り高き花々です。
昔は、なんとなく温室に移したりした事もありましたが、今は11月の晴れた日 に、なにげなく見つめるだけです。それが良い気がするのです。
透明な残り咲きの花
初霜前の青空で
ふと、挨拶をして別れる
もうすぐ12月です。11月の透明さ、静けさに比べると、クリスマスやら年末 の騒がしさやらで、何か明るい雰囲気があります。でも、これは人間の世界で す。自然の世界の12月は、ますます冷たく、ますます静寂で、ますます色の薄 い世界です。
あまりに、冷たく、寂しくて我慢の出来ない人間は、いろいろお 祭りやら考え出して元気を出そうとしているのでしょうか。
小田原の蜜柑の丘から、自転車で高速で降りてくると、着陸前の飛行機のよ うです。それとも、魔女の宅急便で箒にのっている状態とでも言ったら近いでしょうか。町に戻って見上げる、山はいもつのようにくすんだ緑ですが、 今までと少し違う色にも見えました。近くに美しい場所はあるものです。
何のメッセージもありませんが、11月お終い頃の日々の様子です。
────────────────────────
今日はここまで ではまた。
────────────────────────
【お詫び】
配信時間が遅れました。月末ぎりぎりです。・・・
【お知らせとお願い】
★ 今月も「ミクロコスモス継続購読希望」をお願いします。いつもの通りで す。メール本文の最初に
ミクロコスモス継続購読希望
と書いてください。もう、いらない人は何もしなくてかまいません。
今月から読者になった人には、別に継続購読希望の趣旨や方法をお知らせします。
今月の継続購読希望の時に、9、10、11月のベスト選出してください。
「笑えたベスト」「意味不明ベスト」「良く分かったベスト」
「役にたったベスト」「賛成できるベスト」・・・・
みたいに、各自でにベスト項目を作って選んでください。
「全部くだらんぞ〜」とかでも結構です。
日付か、「団子の話し・・・」みたいな書き方でもかまいません。
なにやら、忙しくて「そんな事やってられるか」という方は、また後ほどで結 構ですので、とりあえず継続購読希望をお願いします。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ミクロコスモス出版 ミクロコスモス編集部
編集長 森谷 昭一
★ 編集部宛メール micos@desk.email.ne.jp