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ミクロコスモス総合版2002年11月27日今日の言葉「滑る」
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発行 ミクロコスモス編集部
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今日の言葉 滑れば、滑らない
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「滑れば、滑らないよ。」
(スケートを教えてくれたおっちゃんの言葉)
なんか、文法や論理が間違っているようですが、実際のスケートの指導のためには、正しい言葉です。詳しく言えば
「少し滑ってしまえば、転ぶほど大きく滑ったりしないよ。」
と言うことでしょうか。いい歳になって、初めてスケート靴をはいて、氷上にいきました。どうしようもなく滑ります。必死に一点に止まって、立とうとしても、すってんころりんです。ころべば、ころぶほど体中が恐怖で硬直して、ますます滑ります。その時に言われた一言が今日の言葉です。最初はなんの事やら ???
しばらくして、なんだかどうでも良い気になって来て、もうやめるつもりで、力を抜いたんでしょうか。足が滑るままにしたのです。・・・そしたら何と、転ばないではないですか。少し体はすべっていきますが、ちゃんと立っていられる。・・・大発見でした。
考えてみれば、当たり前です。スケートしにきて、最初から滑らないようにしたら、そりゃ物事うまくいかないです。すべるもんは、すべるんだから、すべらしておいて、その滑り方をコントロールすれば良い。なかなかの哲理です。
動いている自転車が倒れないのは、倒れる前に、前に進んでいるからと力学で習いました。スケートも滑る力と、進む力が「動的平衡」して立っていられるのです。そのバランスを微妙に調節して、滑走方向をコントロールします。
そう言えば、似た事を思い出しました。物事に取り組んでうまく行かない時、それを打開した気づきが、「滑れば、滑らぬ」という哲理だった事が多かった。
水泳は、沈むまいと思ったら、溺れます。水死体になったつもりで、水中に倒れこんでてしまうと、気がつくと浮いてます。息をする時だけ、ちょいと水の上に出てくりゃ良いわけです。
まあ、当たり前の事に逆らっちゃいけないという事です。子供は泣くもんだし、食べ物はほっときゃ腐るもので、歳とりゃ髪の毛はへるし、体力もへる。
ただ、「あんまりくよくよするな。」とか、「自然体がよろしい。」とか言うのとちょっと違います。似たような言葉として
失敗は成功の元
( 良く聞く諺 )
と言うのがあります。試行錯誤する、つまり沢山失敗して経験を積む事が成功につながると解釈されるようですが・・・違います。
「滑れば、滑らない」と言う深い哲理もって、この言葉を噛みしめると、違う意味に解釈できます。失敗しつづける事が、成功と同値だと言う事です。
いつも、安定して成功した人生を送り続ける人っています。そういう人は、けっして固定した、成功の状態をキープしている訳でなく、一瞬一瞬失、敗を続けているんです。つまり滑って転び続けている。転ぶ力を、ちょいとコントロールすると、あら不思議、見事にスケーティングしてしまうように、うまく負の力を利用しているんです。
病気になりかたの上手い人は、なかなか健康です。病気の襲撃と治癒力が釣り合っている。使う分だけ、ちょうど稼いでいる人は大金持ちと同じです。上手に精神病になれ、自ら戻れる人間はを芸術家と呼びます。異なる世界へ進む心の負担と、意志の力が釣り合っている。 これらはみな動的平衡とか言うのでしょうか。
「失敗は成功のもと」とは、「滑れば滑らない」と同じ哲理です。一見すると負と思える事項を、うまく飼い慣らし、そして支配する事なんですね。さらに言えば、法則に逆らわないて、大きなものに身をあずけつつ、少しだけ意志を働かせるという事でしょう。
まあ、いろいろ広い範囲に適応できる哲理です。応用してください。ただし、すべてに適応できるかは疑問です。誤解されやすい言葉なので、間違って理解しないこと。
「 死ねば、死なない。」「寒くすれば、寒くない」「食い過ぎれば、もう食わない」・・・とか、そのままでは誤解です。そういう意味ではありません。少し、逆転の発想が必要なのです。
T/E
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今日はここまで ではまた。
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【お詫び】
内容のないような、あるような、わけの分からない話が続いて申し訳ありません。
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ミクロコスモス出版 ミクロコスモス編集部
編集長 森谷 昭一
★ 編集部宛メール micos@desk.email.ne.jp