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 ミクロコスモス総合版2002年11月24日講座「スリーサイズ」
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              発行 ミクロコスモス編集部

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本日の記事は、2002年に書かれたものです。数値は当時のままです。

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     コンピューターミニ講座 初心者編  
        コンピューターのスリーサイズ
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 人のスリーサイズと言えば B H W てすが、この3つの数字をならべれば、 人の体型は、だいたい想像できます。

さて、コンピューターの基本性能を示すスリーサイズと言えば、『CPUスピー ド』『HD容量』『メモリー容量』です。漢字で示せば『演算速度』『硬盤容 量』『一時記憶容量』にでもなるでしょうか。それぞれ説明しましょう。

 『CPUスピード』

 CPUとは中央演算装置の事で、まあ電脳の頭の回転速度とでも言ったらいい でしょうか。単位は、MHz(メガヘルツ)。1ヘルツと言うのは一秒間に一回の 周期で振動することです。

1000倍すると、1KHz(キロヘルツ)、さらにその1000倍すると、 1MHz(メガ ヘルツ)となります。例えば、100MHzのCPU速度だと、1000×1000× 100で、 100000000Hz、つまり一秒間に一億回の割で、電気を入れたり切ったりしてい ます。

コンピューターを『そろばん』に例えれば、珠をパチパチとやる回数が一秒に 一億回ということになるのです。 数年前まで、600MHzのコンピューターが最 新性能でしたが、今年あたりで 1GHz程のものが主流。最近は、1.2GHzだ、 1.5GHzだ、(ギガヘルツ メガのまた1000倍)だとスピード競争は激化してい ます。

なんで、そんなに速くしないといけないのか、疑問かもしれません。モニター 上の点をひとつ表示するだけで、数千回の計算が必要だったりするので、画面 一杯に画像を表示したりすると、すぐ速度は足らなくなるのです。

 速度の差は、画面を表示する速さや、複雑な計算をさせた時の待ち時間の違 いとなってきます。25MHzなんて遅いCPU速度で、インターネットの画像を表示 すると「ノタ〜ァ」て感じで、1ページの表示に10秒以上かかったりします。 まあ、コンピューターの速度を決めるのは、CPUだけではありませんが、車で 言えばエンジンの性能といってもいいでしょう。

まあ、普通にワープロや表計算などを利用するなら、 300MHzもあれば良いの です。インターネットを普通に見るなら、最低600Hz位かな。

車や飛行機が飛び交うような画面のゲームをやると1.5GHzなんてのが欲しくな ります。誰かとコンピューターを自慢しあうのが目的でなければ、必要以上の 速度はいりません。1GHzより速いのが必要なのは、ポスターサイズの画像を加 工したり、ビデオ編集をしたり、まあ原子爆弾の設計でもする場合です。

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『メモリー容量』

 正式にはRAM(ラム)容量と言います。計算のためにコンピューターが、一 時的に情報を記憶しておく場所です。普通の頭では、15×6は暗算できても、 335×568はちょっと計算できないでしょう。

位上がりやら、桁ごとの九九の結果を、頭脳に一時記憶できないからです。計 算力の基礎に一時記憶力があるのです。このように、計算のために一時の間、 データーを記憶をする場所が「メモリー」と呼ばれます。計算のために数字を 一時記憶させる道具が、「そろばん」です。

メモリーはそろばんに例える事ができます。電源を切ると、メモリーは「ご破 算で願いまして」と消えてしまいます。まあ、「そろばんの大きさ」とでも言 ったら良いでしょうか。現在のメモリーの容量をそろばんとして広げたら、運 動場よりずっとでかくなるかも知れません。

この『そろばんの珠の数』が、メモリー容量です。単位は バイト『byte』。 1024バイトが1KB(キロバイト)、1024KBが1MB(メガバイト)です。メモリー 容量には普通 メガバイト MB が使われます。

 これが少ないと、どうなるでしょうか。少ないメモリーのコンピューター で、電話帳ほどの文字を打ち込むと、どこかで「メモリー不足です」とか表示 がでたり、急に動かなくなってしまいます。

表計算で、縦横1000列、1000行なんて表をつくって計算させようとすると、止 まってしまいます。『フリーズ』とか言って、コンピューターがかたまってし まう原因の多くは、メモリー不足や、メモリーの中で訳の分からない事が起き てしまった場合です。

珠が5列しかないそろばんで、 58945× 65848 なんてやったら、はみだしち ゃうでしょう。メモリーから、計算がはみ出すと、コンピューターはいちいち 凍り付いてしまうんです。現在の普通のコンピューターは16MB以下では、あま りうごきません。

32MBだと何とか動きます。128MBあれば、なんとか安心です。ただし、でっか い画像とかやるのに、遅くなります。256MBあれば、通常の人は安心です。た だし、マックで、画像処理とかする時には、いくらあっても足りないのです。

 このメモリー一時は大変高値で、秋葉原では株式よろしく、朝と夕方では値 段が違ったりしていました。おかげでメモリー長者とか、メモリー破産なんて のがあった位です。今の相場は、32MBで1500円位、128MBで6000円位といった 所です。まあ 1メガで50円位ですか。正確には、その日にお店にいくまで不明 です。

さて、コンピューターの話に出てくる数字に 16 だの 32 だの 256 だ の 1024 だのという半端な数字があります。これは

 2×2=4 4×2=8 8×2=16 16×2=32 32×2=64 

 64×2=128 128×2=256 256×2=518 518×2=1024

が元になってます。コンピューターの内部は「二進法」で働く世界なので、こ んな数字が頻繁に出で来るのです。詳しくは別の機会に。256を「にごろ」  なんて言うのがマニアの言い方です。

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 『HD容量』

『HD容量』メモリーが一時記憶なら、HD(ハードディスク)というのは、永久 記憶とでも言いましょうか。電源を切っても、壊れない限り情報は消えない記 憶装置です。昔々は、そろばんで計算した結果を、ちびた鉛筆で帳簿につけて いたりしましたが、この帳簿とかノートにあたるのが、ハードディスクです。  

ハードディスクの原理は、基本はカセットテープと同じです。磁石を鉄に擦り つけて、鉄が磁石になってしまう事で情報を刻んでいます。カセットを丸くし たのが、フロッピーディスク。この刻む目をうんと細かくして、厚みをつけた のが、ハードディスクです。

中をみると、ピカピカの鏡のような円盤が凄い勢いで回転しています。まあレ コードの進化したものと思えばよろしい。昔のレコードは毎分33回転なんて、 のんきなものでしたが、最新のハードディスクは、1分に一万回、回転してい ます。コンピューターが騒がしいのは、この回転のせいです。ここに書き込め る情報の容量が『HD容量』というわけです。

 単位はメモリーと同じ、バイト『byte』。1024バイトが1KB(キロバイ ト)、 1024KBが1MB(メガバイト)1024MBが1GB(ギガバイト)です。

少し前のコンピューターで、HD容量は2GB(ギガバイト)位が主流でした。こ れが大きいほど、沢山のソフトをインストールしたり、多くの書類や画像を保 存できます。最近のパソコンは6GBから20GBなんてのが主流になっています。 一生ワープロをたたき続けても、多分10GBのハードディスクを使い切る事はで きないでしょう。しかし、音楽やらビデオ画像なんてのを記録したら、あっと いう間になくなってしいます。

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 まとめ コンピューターのスリーサイズ


 ●サイズ    ●漢字訳         ●算盤に例えて  ●単位

 CPU速度    中央演算装置演算速度   はじく速度    MHz メガヘルツ 

 RAMメモリー  一時記憶装置容量     算盤の珠の数    MB メガバイト

 HD容量     固盤記憶装置容量     帳簿・ノート    GB ギガバイト


 コンピューターの性能と、価格はこのスリーサイズでほぼ決まります。ただ し、 CPU速度の数字での比較はペンティアムとその互換メーカーのCPUの間で しか公平にできません。マック等に使われている、パワーPCなどは、数字が同 じでも少し速くなります。

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 体のスリーサイズと同じで、機械の性能もバランスがとれないと美しくあり ません。メモリーとかだけ異様に増やしても、役に立たないのです。スリーサ イズを人間の脳味噌の性能に例えると、

『CPU速度』= 頭の回転速度、『メモリー容量』= 一時に考察できる範囲 の広さ、『HD容量』=経験や知識の豊富さ

・・にでもなりましょうか? 頭の回転速度ばかり速くても、記憶容量が少な いと、そそっかしくて、すぐにフリーズする人間になります。経験や知識が豊 富でもメモリーが足りない人間は、いわゆる石頭と呼ばれ、反応が鈍い骨董品 です。一時記憶ばかり大きい人間を『誇大妄想』と言いますが、コンピュータ ーの場合は、メモリーが無駄なだけです。

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     今日はここまで   ではまた。
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 ミクロコスモス出版  ミクロコスモス編集部
    編集長  森谷 昭一   

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