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 ミクロコスモス総合版2002年11月16へちがら「世紀の大失敗」
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                 発行 ミクロコスモス編集部

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     編集長のがらくた箱  世紀の大失敗 
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 オバQと森谷氏には共通点が2つある。ひとつはイヌが苦手な事。もうひとつは、年中同じ服を着ている事だ。

「オバQが服、着てるって? オバQって服きてたっけ ? 」

 とか言う人、・・・知らないんですか。良く漫画を読んでください。オバQのあの格好は服だって事。米袋みたいな形の服を毎日着替えている。おばQはまったく同じ服を大量にもっているらしい。本体はどんな格好かって? 作者によると、永遠の秘密だそうだ。

 ・・・いやオバQはどうでも良い。森谷氏の服の事である。森谷氏もほとんど毎日同じ格好である。まったく「同じ服」で、着替えたりしない訳ではもちろんない。毎日、同じ「型の服」なのだ。大量生産の同じメーカーの無地の服を大量にもっているのだ。

 森谷編集長は、「無地、基本形、飾りなし」で生きている。白いシャツしか着ないし、靴から、鞄まで、無地で模様も文字もない。靴もカバンも同じだ。別に深いポリシーがあるわけでなく、身につける物をあれこれ考えるのが面倒なのだ。そして、謙虚な性格なので、一番目立たない格好が好ましいと思っている。

同じ白地のシャツを、一度に大量に購入して、毎日着替える。毎日、同じ服だと思われたりするが、とんでもない。おかげで、まあ毎日洗濯ばかりである。白い服というのは維持が大変なのだ。昔は、森谷氏は洗濯はまとめてコインランドリーで乾燥までさせていた。

 ところが・・・ある日突然、無地の筈の森谷氏の服がすべて[白黒模様」になってしまった。ホルスタイン牛だか、セントバーナードのよう・・いやもう少し小さい模様だ。

たった一本の黒ペンが原因だ。黒の水性ペンを胸ポケットに刺したままシャツを洗濯機にほうりこんだ。しかし、ここではフタはとれなかった。

 続けてコインランドリーの大型乾燥機にぶちこんだ。ガラガラ回るうちに、フタがとれたらしい。インク満タンの黒ペンは、もまれながら、シャツだズボンだ靴下だと、無地の衣料に、黒点・黒点・黒点・黒点・・●・ ★ .▲・・■・ ●・・●・、・★・. ★・・・・・・・...と黒色模様をつけていった・・・

 一週間分程の服、金額にしたら、ゆうに一万数千円は越える、無地の服達は、無惨にも黒玉模様だらけになってしまった。発見時には、目が点、いや黒丸点になった。

「明日から着るものがない。」

と悲痛な思いの森谷氏。必死の脱色作戦が始まった。ハイターやら、濃厚洗剤やら試した。が、相手は黒の顔料。黒を漂白する、化学成分はないらしい。一番効果があったのは、ただの石鹸。これでごしごし擦るのが、一番だった。明日着る分だけ、なんとか模様を薄くして、再度洗濯、乾燥。えらく時間がかかり、深夜となってしまつた。

 薄くはなったが全身黒ブチ模様。捨てるにはあまりに大量である。あまりにひどいのを除いて、そのまま着続ける事にした。

この程度のシミなど、服の機能上、健康に影響をおよぼすような事はありえない。だいたい、服など人からどうこう言われなければ、体を守って生存出来ればよい。

他人の服のシミを話題にする人物に偉大な人間はいない。強くそう思った。その頃に、黒い点に気づいて森谷氏に声をかけて、無愛想ににらまれた人は少なくない。

余計な事いうやつに、顔で笑いながら、「ふん、人の着るものしか見てないやつは、小人物だ。馬鹿たアホだ。」と表情には出さぬが、心でわめいていた。しかし、確かにこれは目立つ。なんだか、かえって目立つ。何度か洗濯を繰り返して、だんだんと薄れてきたが、いまだ編集長の服には、どこかに黒い点がある。

白を着こなす人は「貴人」である・・と何かの古典に記載があった。さて、黒点のある白を着こなす人間は「奇人」なのだろうか。いや貴人中の貴人だと思う。

 ● ★  ▲ ■ ◆ ● 続編 ▼ ・● ★ ▲ ◆ ● ▼ ・

 さて、以上は一昨年の出来事である。もう黒縁模様の服ははなくなった。そして、今はコインランドリーではない。洗濯機がある。おかげて、今度森谷氏は、しわしわ・へなへなの服を着ている。干すときに伸ばしたりないで、適当につり下げるだけだからだ

乾燥機を使わなくなったので、ペンのシミが蔓延する事件はなくなったが、かわって頻発するのが、「所持物洗濯事件」である。財布だ、鍵だとみな所持物をポケットにいれたまま放り込んでしまう。ちゃんと確認はしたつもりなのだが、見落とす。
 
洗ってはならない物品を洗濯機に放り込む事件は、こりずに続いて、千円札、キャッシュカード、スイカ、手帳、飴玉、漢方薬、時計、ハサミ、ピンセット、文庫本・・・それぞれどういう結果になったか。それは今後の記事のネタにとっておく。
 
 最近洗濯して、ドキリとしたものが「USBフラッシュメモリー」だ。以前に紹介した32メガの容量でライターほどの大きさのメモリーだ。最近編集長は毎日ポケットに差している。そして、そのまま洗ったらしい。

脱水を終えた服と共に出てきた時には、

「あ〜れ〜 貴重なデーターが・・5600円が・・・」

とか叫んでしまった。でも、コンピューターにつないでみたらも、何ともなかった。なかなか頑丈だ。思わぬ製品テストになってしまった。コンピューターの記事にしてみよう。

 最後に、付け加えておきたい事がある。森谷氏に服の事を話題にしてはいけない。特に、しわしわだらけだとか、いつも同じだとか、黒いシミがあるとか・・・。そんな事すると、にらまれるか、絶交されるか、墨でもかけられるか、暴れ出すか、まともな反応はない。気を付けるように。
ああ、しかし、服の事で頭を使うのは嫌いだ。寒くなくて目立たなければ、それで良い。おしゃれが趣味とか言う人は、きっと別人類だと思っている。

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   今日はここまで   ではまた。
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ミクロコスモス出版  ミクロコスモス編集部
   編集長  森谷 昭一  

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