
青年劇場 第80回公演 (2002早春公演)
作:篠原久美子 演出:高瀬久男 |
「宇宙の調和−生きとし生けるものすべて、人間も惑星も、調和したいと願いながらシンフォニーを奏でている、調和の歌を歌っているんだ。」
ヨハネス=ケプラー。今から400年以上前にドイツで生まれた科学者です。当時のヨーロッパはプロテスタントとカトリックの衝突という宗教戦争が激しさを増し、あちこちで魔女狩りが行われていました。この激動の時代にケプラーは目を天に向け、太陽系の構造理論を構築し、それは後に「ケプラーの三法則」とよばれました。
しかし彼の生涯は貧困と不幸の連続でした。未熟児で生まれて、生涯は病気のオンパレード。家族親族も平穏とはいかず、父親はならず者で詐欺師。母親は気丈者でしたが、祖父は乱暴者で、祖母は母親と諍いが絶えず、これだけでも問題なのに夫に毒を盛られて出戻ってきた叔母に飲んだくれの叔父までいるのでした。そして弟には知的障害が....。
「科学は、国境と戦争をなくしていく道具だ」という師との出会いから、未来を夢見て科学者の道を歩み、くじけず宇宙の調和の営みを証明しようとしたケプラー。
「国境も戦争もない地球への夢」を情熱を持って求めつづけたケプラーのひたむきな生きかたは、きっと現代に生きるわたしたちに「勇気と希望」を持たせてくれることでしょう。元気をもらいにぜひ劇場へいらしてください。
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