リアルタイム =その時、別世界では=

 2月17日、おかげさまで10000カウント達成することができました。これもほんと皆様のおかげと深く感謝しています。これで何万カウント行ってる大サイトと桁数では並んだ・・・などと思い上がらず(^^;、がんばっていきたいと思います(^^)。
 そこで、9999カウントを踏んでいただいたELEさんから、6000に続き記念の絵と物語をいただいてしまいました(^0^)〜♪。タイトルは、『リアルタイム =その時、別世界では=』。お楽しみください、ELEさん作のS(すこし)F(不思議)な物語(^^)。

リアルタイム =その時、別世界では= 文:ELEさん
「あぁ、やっと片づいたよ。」
ジャパンネットワークマネージメント社に勤める 羽犬塚 準(26)は、その日の仕事を終えホッと一息つき、パソコンのブラウザを起動した。彼は仕事が終わった後に、ネットサーフィンを楽しんでいる。しかし、ふと時計を見ると午後8時近く。帰りが遅くなると奥さんがコワイので、いつも見ているページを軽く巡回することにした。
「そういえば、あのページはどうなったかなぁ。」
そのページは、絵物語りを発表しているページだった。自分と同姓同名の男の子が主人公なので、ほぼ毎日チェックしている。最近はカウンタがどうのこうので盛り上がっていた。
「たしか今日あたり、10000カウントするはずだったよな。」
ブラウザはそのページが置かれているサーバに接続し、どんどん情報を読みとっていく。トップページが現れたのを見届けた後、カウンタを確認しようとして、ブラウザを下方にスクロールした。
「なぬ!?」
そこに表示されてた数字は9999。
「うわぁ!キリ番だよ。しかもあと1つで10000じゃないか!」
彼は、画面を画像ファイルに取り込み、それを作者にメールで送った。9999取りましたと。

「だっ...誰が10000取るんだろう。」
自分が作ったページではないのに、興奮しているのがわかった。いや、自分(と同じ名前の子)が主人公のページだから、その気持ちが高まるのかも知れない。
彼は興奮したままパソコンをシャットダウンし、家路についた。

...ふと夜空を見上げ、つぶやく。
「もう一人の俺...ほんのちょっと早いけど、10000カウントおめでとう...」

おしまい

※この物語はフィクションであり、人物名や企業名は架空のものです。念のため。
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今回の物語はオイラの言動を「別世界の 羽犬塚 準」の視点で脚色してみましたが、いかがでしたでしょうか? ちなみに、この世界の準さんについては、書いたおいらにも詳しいことはわかりません。
全くの別人なのか、それともタイムスリップして記憶をなくしてしまった、未来の準くんなのか...(謎)

 
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 藤子・F・不二雄先生には、SF短編と総称される作品群があるのをご存知と思います。そのなかに『パラレル同窓会』という作品があります。だれでも人生の選択に迷うことがありますが、そのとき、択ばなかったもう一つの途を行っていたら・・・。大会社の社長が、ふとしたことからある同窓会に出席することになります。そこには、それぞれの場面でもう一つの選択をした、パラレルワールドに住むおびただしい数の自分が・・・。このあとどうなるかは、珠玉の作品を読んでいただくことにして(藤子・F・不二雄[異色短編集]4『パラレル同窓会』小学館文庫が手に入りやすい)、パラレルワールド(並行する別の世界)に住む「もうひとりの自分」に逢うというお話は、先生の作品にはよく出てくるテーマだったりします。そもそも物語を書こうとする人間は、いかに作中人物に「もうひとりの自分」を盛り込んで「もう一つの人生」を楽しむかということに腐心するものだと思いますが、ネガティヴな言い方をすれば、「ああ、あのときこうしていれば・・・」というやや後ろ向きの想いを持つ人間が、すばらしい作品を紡ぐことができるのではないかと思います。藤子F先生の作品のなかに そんな先生のお姿を見つけるたびに、もしかしたらくよくよ迷ってばかりの自分にも、すてきな作品を物す素質があるのかな、などと思ってしまいます。

 すいません、いつも前置きが長くて(コラム欄に書けよな(^^;)。今回ELEさんからいただいた『リアルタイム =その時、別世界では=』は、そんなパラレルワールドのもうひとりの自分を彷彿とさせるような作品です(^^)。もしかしたら、ただ同姓同名なだけかも知れませんが、たとえそうでも自分自身を重ね合わせることができるキャラを見つけたときはうれしいものです。26歳の羽犬塚準氏は、準の物語をどういう想いで見ているのか、とても気になります。しかも、それがタイムスリップした自分だったら・・・。そのあたりは、読者の想像にお任せするということなのですね(^^)。準に感情移入している羽犬塚準氏、そして、羽犬塚氏にご自分の行動を重ねているELEさん。その三重構造に、ELEさん一流のアイデアが光っていますね(^^)。硬質な文体と合わせて、短くてもよくまとまったいい文章だと思います(^^)。絵も、こないだの6000記念絵のように、見たら忘れないというか、個性的です(^^)。26歳の準・・・想像したこともないですが、なるほど、確かに準ですね(^^)。サスペンダーと赤いネクタイ、私が描いた記念絵と同じです(ピンクのシャツは、やっぱ色気が出てきたのか?)。同一人物だとしたら、いつまでも準らしくあってもらいたいなどと思ってしまいます(^^)。

 ELEさん、あらためてありがとうございました(^^)。思うに、ELEさんは私が書いている普通の生活物語ではなく、もっと奇想天外なストーリーが書ける人だと思っています。それは、こないだのオフのとき、話してくれた作品構想を聞いて思いました(^^)。文章の方も、落語で培った掛け合いの妙味、会話主体の流れるような文体は、余人の真似できるところではありません。始まったばかりの眠杜永流くんの物語、これからの展開大いに期待しています(^^)。これからも奇抜なアイデアで、我々を楽しませてください(^^)。もちろん、Susshysの方もがんばってね(おまえもがんばれよ、って言われそう(^^;)。

 私もいつか書きたいなあ。準のS(すこし)F(不思議)な物語(^^)。


やってもぅた!6000記念絵もらったときはまだ準備中だったELEさんのHP「やってもぅた!」、只今絶賛公開中です(^^)/。

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