一期一会
一期一会 〜3周年のお礼の言葉
 遊来星図書室は、1999年の開設から、3月21日で3周年を迎えました。
 「石の上にも三年」ということわざがありますが、絵も少しは上手に…なってないですね。
 季節柄、開設記念絵は毎年桜になるのですが、今年もまた納得のいく絵は描けませんでした。
 ずっとドロー絵描きだったのですが、表現に限界を感じ、今回は影付けなどにフォトショップエレメンツを、そして桜のぼかしにはペインタークラシックを使うという新技術を導入してみました。ペンタブも初めて使ったのですが、結果は無惨なものです。もう少し練習してみたいと思います。いい道具を使っても、所詮腕とセンスの問題。上手い方々のサイトを見て、限界なのは自分自身だと、思い知らされ続けた3年間でした。

 私がひそかに同期生だと思っているサイトさんがあります。それは、小鳥猫大(ニャントリ)さんの「なう・はっぴぃ」、きわいちさんの「A.T.Chronicle(旧称Alpha Town)」、あしべるさんの「しとら」、そして、昔よく来ていただいた、Leicaさんの「E.S.U.A」です。いずれも、うちと同じ1999年初頭〜春頃開設され、現在も活動を続けていらっしゃいます。4年以上続いている大御所さんや老舗さんの風格や、2年以下の新興サイトさんの勢いの狭間にありながら、それぞれらしい路線を確立されています。うちも負けないようにがんばらないといけませんし、同時に深い連帯感をもって、相互に励まし合っていけたらいいなと思っています。


 さて、今回はお抹茶をいただく準を描いてみました。私、茶の湯の心得は全くないのですが、いつかその心に触れてみたいと、ひそかに思っていたりするのです。
 茶道というと堅苦しいイメージがありますが、思うに、亭主が趣向を凝らしてお客をもてなし、そして、お客は道具などから亭主の心をくみ取って一服のお茶をいただくということに尽きるのではないかと思います。厳しそうに見える作法も、ルールがなければスポーツが成り立たないのと同じで、亭主とお客の心の交流を演出する手段に過ぎないのです。
 ホームページもまた、同じなのではないでしょうか。管理者は精一杯の作品をアップし、見に来られる方はその感想を伝言板に残す…自分が意図した通りの反応が返ってくれば、作者としてこんなにうれしいことはありません。バーチャルな空間ですが、そこに心の交流が生まれる、そんなサイトを目指したいと考えています。
 茶道に、「利休七則」というのがあります。
  茶は服のよきように点て
  炭は湯の沸くように置き
  冬は暖かに夏は涼しく
  花は野にあるように生け
  刻限は早めに
  降らずとも雨の用意
  相客に心せよ
 これを、ホームページに当てはめてみると、絵のサイズは大きすぎないように描き、文章は読みやすく配置し、伝言板のレスは早く丁寧に、内輪でしか楽しめないネタに偏よらず、更新は早めに、誤解を与えるような表現をしないように…おこがましいですが、こんなところかと思います。言うは易く、行うは難し、ですね。
 そして、最後の「相客に心せよ」ですが、常連さんとの話ばかりに気を取られていると、新しい方が入り込めなくなってしまうし、常連さん同士の関係にも気を配らないといけないし、これが一番大変かと思います。友だちの友だちはみな友だち…ではありません。そのあたりの心遣いも必要なのです。

 今回の絵のタイトル、「一期一会」は、お茶の方でよく使われる言葉です。現代人には漢字を呉音読みする習慣に乏しいので、なかなか「いちごいちえ」とは読めません。意味は、一生のうちにただ一度だけの(茶)会ということです。何度茶会をやっても、毎回それ一度と思って心を込めよという、まるで真剣勝負のような精神がそこにはあります。私も、それぐらいの覚悟で作品づくりをしていかなければと思いますが、いつも中途半端で終わってますね…。来ていただいた方が、少しでも楽しんでいただけるHPを、これからも目指したいと思います。
 そして、一期一会は、転じて一生にただ一度きりの出会いという意味で使われるようになりました。3年も続けていると、惰性でせっかくの人間関係を疎かにしてしまうことがあります。最近忙しいのもあって、つい挨拶回りを怠りがちです。ここはもう一度「一期一会」の精神に立ち返り、ただ一度の出会いと思って、皆様と接していきたいと思います。

 HPや同人活動をやっていて、一番よかったと思えるのは、いろんな人との出会いであると、多くの方がおっしゃいます。私もまたその通りだと思っています。準の絵や物語を通じて、「遊来星図書室」がみなさんと、あるいはみなさん同士の出会いの場であってほしいと心から思っています。最近更新遅くて申し訳ないのですが、これからも「一期一会」の心で運営してまいりますので、4年目の「遊来星図書室」をどうかよろしくお願い申し上げます。

      2002年3月21日彼岸
      遊来星図書室
      Meteor ☆/

トップへ→もどるもどる←更新履歴へ