シャシャ

 

パワークの普及が進むにつれ、それを使ったコンビニ強盗などの事件が多発するようになり、人々の治安に対する不安感が高りつつあった。そんな世情の中、マナス電子社は一般家庭向け防犯パワークシャシャの販売に乗り出した。

パワーク購入をためらう理由として多く寄せられた「置き場がない」という声に応え、機体を従来の3分の2のサイズに折り畳めるようになっている。(動作が多少制限されるもののこの状態でも作業メカとして使用可能である)

緊急時には標準的なサイズにまで伸展し、不審パワークに対峙する。この変形は大腿部の〈モーターシャフト〉により瞬時に行われる。

変形をスムーズにこなすための〈モーターシャフト〉導入だったが、その結果関節運動では得られない高い瞬発力が備わり、従来の一般用機種を大きく上回る跳躍・走行性能を持つこととなった。

反面、外からの衝撃に対する安定性に難があり、格闘戦には向かないようである。

購入者の大部分が操縦初心者であることを考え合わせると、犯罪パワークを撃退するというよりも威嚇・牽制を目的としたものと言えそうである。(コクピットがやや高い位置に置かれているのも相手に対する威圧効果を見込んだものであろう)

それを裏付けるように、シャシャをホームセキュリティーシステムと連携させるオプション「パワージェンシープラン」が購入者に対して盛んに推奨されている。これは変形機構が働くと自動的に緊急コールが発信され、警備会社のパワークが駆けつけるというサービスである。

図の機体は、市民有志により結成されたパワーク自警団・スマイルガードに新発売の宣伝を兼ねて寄贈されたもので、同団のイメージカラーに塗られている。

■バリエーション

個人(スマイルガード
メンバー)所有のもの