パワークのトップメーカー・マナス電子が満を持して送り出したアマチュアスポーツ用最新高級モデル。従来のアマスポーツ機が分類上は「汎用」だったのに対し、このピピーラは一般向け機種としては初めて「競技用」と銘打っている。
特殊構造の二重関節が動作のパワー・スピードを倍加させるとともに緩衝と反動吸収の役割を果たし、これまでになくパワフルかつしなやかな動きが可能になった。
だがその高スペックがあだとなってピピーラの売上げは伸び悩んだ──レギュレーションが改定されるまで公式競技には出場できないとされたため、購入に慎重になるユーザーが多かったのだ。
折しも真洲市では、パワーク犯罪・パワーク非行の撲滅を掲げた「パワーク健全化キャンペーン」が大々的に展開され、その一端として未成年者で構成される「少年自警団」が発足したところだった。マナス電子は少年自警団への賛助としてピピーラ十数台を寄贈。本機種はスポーツよりも先に同団の市街パトロールで活用される運びとなった。
ピピーラに搭乗しパトロール隊を率いるのは、キャンペーンのイメージキャラクターに任じられた里谷・鳥畑をはじめとする少年スポーツチームの花形選手であり、彼らの声望を背景に団の活動は熱烈な賛意をもって迎えられた。
結果的に、少年選手及び自警団がまとう“明朗” ”清新” “正義”といった好イメージがその機体に投影され、ピピーラは予約殺到の人気機種へと押し上げられることになった。
 
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