カーマ

地球上にはいまだ人類の調査が及ばない秘境が数多く存在する。

完全無欠な衛星測位システムの構築を目指す情報サーピス企業・マナス通信は、全地表の地理情報を網羅集積する一大プロジェクト「EGS(アースグローバルサーベイヤー)計画」を立ち上げ、世界各地の秘境地帯に測量隊を送り込んだ。車両での進入が不可能な地域がほとんどのため、現場には多くの二足歩行メカが投入された。

カーマは砂漠地帯の踏査のために開発されたメカであり、その地で予想される熱暑や砂嵐といった脅威に対して、コクピットを半透明のシールドで覆うことで操縦者を保護するようになっている。

頭部の測量機にはカメラのほか、サーモグラフィーなどの環境観測機能が組み込まれ、陽炎現象による光学測定の歪みを推定・補正することができる。左腕に鉛直器、右腕にはレーザー六分儀を備える。

多くの荷物を積載できる機体ではないので長期の単独行動には向かない。普段は輸送メカ・通信メカなどを擁する本隊に随行し、必要に応じて隊列を離れ難所の調査に赴く。