マナス電子社のサービスマン。
真洲人工島の“地下”に隠された巨大な閉鎖空間ナラカ──
社会不適応者と見なされた少年たちはパワークマンによって狩り集められ、そこに送り込まれる。待ち受けるのは果てしなく広がる人工土壌の荒野、始めから廃墟として建造された廃墟、散乱する無数のパワークの残骸。周縁には堅牢な壁がそびえ立ち脱出は不可能だ。
5つのグループに分けられた入所者たちは乏しい生活物資を奪い合い、パワークによる戦闘に明けくれている。時おり食料やパワーボックスが配給される(天井から降ってくる)ものの常に不足気味で、収容人数が増えるにつれ争いは激化してゆく。
地上の世界ではありふれた工業製品の1つに過ぎないパワーボックスだが、ここナラカにあってはこの上なく貴重な財物と見なされている。パワークの手足のパーツはその辺にいくらでも転がっているが、動力源であるパワーボックスは希少である上、稼働時間に限りがあるため絶えず新品を調達し続けなければならない。調達が滞ればグループの戦力は見る間にゼロに等しくなってしまうのであり、その保有数が戦況を決定すると言っても過言ではない。
バフローマンは、パワーク軍団が進撃する際に補給用パワーボックスを携行するためのメカである。
機体のそこかしこに設置されたジョイントに多数のパワーボックスを装着し、着ぶくれたような姿になっている。装着可能な個数は最大で25、そのうち自身の動力として使われるのは7個だけである。
戦闘時には、獲得したパワーボックス(味方が敵機から奪い取ったものを預かり、自らも敵味方の遺棄された機体から収集する)を五体に貯め込み、パワーボックスを損耗した(敵に奪われた、あるいは使用中に寿命が尽きた)味方機があればその分を補給する(リーダーの裁量により放っておくこともある)。
輸送に特化したメカであるため動作は鈍く、基本的に戦闘には参加しない。ただし緊急時には全身のパワークボックスを動力にして腕力・脚力を激増させることができる。左腕にパワーを集中して放つ必殺パンチは強力無比だが、多用するとせっかく集めたパワークボックスの寿命を縮めてしまう。
図の機体は末田の所属するグループ・地軍の所有機。
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火軍 (歌原の所属グループ) バフローマンは元々地軍メンバーの開発・製造になるもので、他のグループが所有しているのは地軍から奪取した機体である。 |
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