たいていの場合自分のオリジナル企画の世界観に則ったものを描いて、後日そこに組み入れて有効利用を図っているのですが、時々そこから外れるものもあります。そんなサイト未掲載の作品を集めてみました。
地球人は居住可能と思われる他惑星に調査隊を派遣するに当たって、
惑星上に地球由来の有機物を1mgたりとも排出しない、
また調査員を惑星上の有機物に接触させない、という
厳しい条件を自らに課した。
化学的組成の根本が異なる有機物同士が接触した場合、
予想外の連鎖反応が起こって取り返しのつかない事態に陥る
こともあり得たからである。
「みくろあーす」は、この計画のために開発された、
自給自足の完全循環システムを備えた探査ロボットである。
藍藻類を培養して酸素と食糧を確保し、
微生物を利用した浄化装置によって
エンジン及び乗組員の排出物を分解・再利用する。
浄化装置はあえて手足に配置されているが、
これは作動時の振動が微生物を活性化するからである。
※デザインを多少変えてオリジナル企画に組み込む予定。
 
レイデ王国の伝統芸能として名高い「健康の舞」は、
実は80年ほど前に創作された比較的歴史の浅いものである。
その当時、同国は近代化への道を歩み始めたばかりであり、
不衛生な環境や粗食のために健康を害する国民が多かった。
政府は、国民の保健衛生意識を高め体力を向上を図る一策として、
健康増進効果のある新作舞踊を開発し、その普及浸透に努めた。
普及の手段として、当時始まったばかりのラジオ放送に注目し、
ラジオで毎日定刻に楽曲を流し、それに合わせて舞踊をする
という習慣を定着させようとした。
しかし問題は、振付の手本をどうやって示すかということだった。
各戸に配布された手引書だけでは動作のタイミングがわからず
実演を希望する声が多かったが、全国に指導員を派遣するには
人員及び準備期間が不足していた。
そこで提案されたのが、国土の北端に位置するチョーレ台地に
巨大なロボットを配置し、舞踊を演じさせるという方法だった。
レイデ王国の地勢はその台地を除けば一様に平坦であり、
ロボットの姿は国内のどこからでも見ることができた。
こうして新作舞踊は着実に国民の間に広まっていった。
一方ロボット自体も予想外の人気を集め、テーマソングまで作られた。
 
地球上の文明はほぼ壊滅し、わずかに生き残った人類は、
外界から隔絶したドーム都市を築き居住している。
ドームの外は汚染された死の世界であり、
それぞれの都市は互いに遠く離れ孤立している。
他のドーム都市へ行く必要がある時は、
闇土(あんと)と呼ばれる一族の運び屋を雇う。
闇土は外界に適応したミュータントで、
洞穴に住み狩猟生活を行う蛮族であるが、
一方で独自のバイオテクノロジーを発展させており、
ある面では人類にはない高度な技術力を有しているのだ。
外界には当然道路などはなく、過去の災害による地割れ、
陥没、巨大な瓦礫が待ち受けている。
これらを突破するため、移動には2足歩行式のロボットが使われる。
ロボットは人型の外骨格に「菌肉」と呼ばれる粘菌を詰め込んだ
シンプルな構造で、粘菌の収縮運動によって作動する。
粘菌の各部には無数の穴が穿たれており、そこに闇土が入り込んで
特殊な鍼を打つことによって粘菌を刺激し、ロボットを操る。
粘菌は日光と空気さえあれば生存でき、
ロボットは補給・整備なしで数千kmの距離を踏破できる。
日光を効率的に取り入れられるよう、
外骨格のボディは平たく透明なものになっている。
数か月に及ぶ旅の間、ロボット内の闇土は粘菌を削り取って
食料とするのだが、削った分は1日で元に戻る。
(闇土が普段から粘菌を食べているのかどうかはわからない)
ドーム都市からの乗客は頭部に乗り込む。定員は1名である。
外部からの汚染を防ぐため頭部は密閉され、
目的地に到着するまで乗客がそこから出ることはない。
 
超古代エジプト文明の都市を形成するのは巨大な石造建築群である。
1辺50〜200mの 立方体状で、全て同じ向きに配置されている。
都市の中心部に向かうにつれ建築物は 密集の度を増していき、
ついには壁と壁の隙間がすなわち道、という状態になる。
インプゥを始めとする都市防衛ロボットは、
このせまい通路を走り抜ける必要から、
左右の幅を極端に切り詰めたスタイルが採用されている。
これら都市防衛ロボットの姿を描いた壁画やレリーフは、
かつてそのような機械が存在したことを知らない後代の人々によって
人体の様式的表現と誤解され、
エジプト美術における独特の人物描画法を生み出すことになった。
※我ながらいいデザインになったと思う。
※デザインを多少変えてオリジナル企画に組み込む予定。
 
20XX年、日本の郵便事業は存亡の危機に瀕していた。
謎の郵便テロ組織「ブラックメール」の、
郵便物に無差別に危険物を混入させるという作戦によって
あらゆる郵便物が恐怖の対象となったからである。
勇気ある郵便局員たちは多くの殉職者を出しながらも事業の存続に努めたが、
そんな犠牲を払って届けられた郵便物も、
テロを恐れる人々に受け取りを拒否されてしまうのだった。
この郵便暗黒時代に現れた謎のヒーロー、それがポストマンパワードだ。
郵便物分類作業の現場に、あるいは配達中の郵便局員の前に突如現れた彼は、
郵便物の束の中から危険なものを即座に選別する。
そして爆発物に対処する場合はポストマンボンバー(図中)、
細菌・毒物などの場合はポストマンバイオケム(図右)に
モードチェンジし、危険物を無力化処理する。
安全になった郵便物を局員に手渡すと、彼はまたいずこかへと去っていく。
はたしてその正体は──?
 
 
6体1組で活動するムカデ型メカ。
建物のわずかなな隙間をすり抜けて敵の基地に侵入し、スパイ活動を行う。
敵に発見された時は6体が合体し戦闘・高速移動形態となって応戦する。
閉所での戦闘時には直立形態となる。この形態は味方兵士を包み込んでパワードスーツにもなる。
 
古代インダス帝国の行者兵団が使用した巨人兵器。
(「ラタ」は巨人兵器一般を指す名称)
気息術(プラーナーヤーマ)によって操縦する。
気息術とは、器物にプラーナ(気息、生気)を吹き込むことにより
自分の体のごとく意のままに動かすという秘技である。
機体の四肢は全体が1本のロープで構成され、
一方の端に水ギセルのような管が付けられている。
操縦者はこの管を通じてプラーナをロープに吹き込み、機体を操作する。
ラタの巨体を操るほどの術を修得するには長年の修行を要し、
立たせるのに5年、歩かせるのに10年、
存分に戦わせるようになるには20年かかるとされる。
なお、ラタに遭遇した敵兵は、
操縦者がプラーナを吹き込む様子を笛を吹いているものと誤解し、
そこから「ロープや蛇を笛で操るインド人」の伝承が広まったという。
 
関節にはマイクロ・カー・ブラックホールを動力源とする
「エルゴモーター」が使われている。
足元を「宇宙足場」によって任意の座標に固定し、
無重力空間での反作用に煩わされることなく物体を移動することができる。
※この回は〆切に間に合わず不参加。
 
 
惑星ドゥグドーの海は透明度が低く、一様に白く濁っている。そのため表層部と深層部の温度差が大きく、200m程度の深さでも表層との差は日中で50〜60℃に達する。
これを利用して海洋温度差発電が行われ、惑星開発基地のエネルギーを賄っている。
シェーシャナーガと名付けられた発電プラントは、本体である海上プラットフォームと、「表層部から温水を汲み上げる取水管」、「深層部から冷水を汲み上げる取水管」、「使用済みの海水を排出する排水管」からなる構造となっている。
液化ハラーガスを温水で気化してタービンを回し、冷水で再び液化するというシステムであるが、冷水の供給が急に途絶えるとガスの圧力が高まり爆発する危険があるため、故障に備えて冷水取水管は2本設けられている。
排水管は内部の水圧の加減により自在に動かすことができる。これは爆発・火災事故の際、本体に排水を浴びせて鎮火するためである。
かつて敵対勢力がシェーシャナーガの破壊を目論み戦闘ヘリ部隊を差し向けたことがあったが、排水管を内圧による操作と先端からの水の噴射によって超高速で振り回し、戦闘ヘリを残らず撃墜したという。
   ※絵が手抜き〜っ。