ビッシナム

惑星リトスの地下にはエネルギー供給網〈ベインシステム〉が張り巡らされ、地上のあらゆる機械類はそこからエネルギーを得て稼動している。

ベインシステムの設置地域は惑星全土の9割を超えるが、リトス統一政府は現在も、システムの拡張工事、それに先立つ未設置地域の調査・制圧といった事業に莫大な予算と労力を注ぎ込んでいる。

彼らは人々をシステムに依存させることで権力を得ているのであり、その地にシステムを埋め込むことは支配することと同義なのだ。世界をシステムで覆い尽くすことが即ち世界を手に入れることなのだ。

ではこれらの事業に投入されるメカは、システム未設置の地域でいかにしてエネルギーを確保するのか──そこで登場するのがこのビッシナムである。

このメカは、ベインシステムから受け取ったエネルギー波を遠距離送信用パルスビームに変換し、未設置地域へ送信するという役割を担っている。

そのビームを送信先に控えている受信用メカ・メルキュラム(遠景手前)が受け取り、エネルギー波に再変換して周囲のメカに供給する。