人口爆発に関するアートプロジェクト企画案
「他の生物から見た人類の危機 特に人口爆発について」(仮称)
〜提案者〜
route6(福岡、日本)
代表 宮本初音
作成日 2002年10月
●企画趣旨
近年の世界規模の大幅な人口爆発は、食糧、医療等の問題をはじめ、さまざまな側面での危機を招いており、その深刻さと複雑さは増大している。
しかしいっぽう、日本では出生率は下がりつづけ、少子高齢化が極めてまれなスピードで進行している。
地球全体で見たときの人類という、このアンバランスはなぜ生じているのか。
種としての人類は何か不備があると言えるのだろうか?
地球上の他の種族、未来の種族、そして地球外生物から見ると、現在の人類の置かれた状況はどう見えるのだろうか。
人類の現在の状況を他生物、他の時代が分析したらどうなるかという仮定。
そこから現状を変化させる手がかりが見えて来ないだろうか?
●企画内容
特定の生物を想定、その生物から見た視点で21世紀初頭の人類像を描く。
絶滅した生物と無機的な日用品を組み合わせ新たな生物を作ることを得意とする造形アーティスト「角孝政」(すみたかまさ・福岡在住)をキーアーティストとし、SF作家、マンガ作家、生物学者、歴史学者等を巻き込んだ多角的なプレゼンテーションをおこなう。
以下は、例としての案である。
参加アーティストらのアイデアによって、企画詳細は決定していくようにする。
(A案)
現在の人類以外の特定の生物「A」を一種類、想定する。知的生物とは限らない。
「A」の基本生態を考案したうえで、「A」から見た人類の姿を描出する。
(B案)
現在の人類以外の特定の生物「B」「C」「D」・・・など数種類を想定する。
それぞれの生物からみた「21世紀初頭の人類の人口増加」をテーマとした展示。
他の時代、違う地域に住む人類の視点でも構わないが、なるだけ想像力を働かせられるような設定にする。
●企画の特徴
◎参加するアーティストは視覚芸術家に限らない。アート以外の業種を専門とする人もアーティストとして起用。SF作家、マンガ作家、生物学者、歴史学者、政治家、商社の勤労者等を起用
◎男性またはゲイのアーティストの視点を強める。(こういうテーマでは女性アーティストがメインになりがちであるため。参加を否定するわけではない。企画者が全員女性であるので、アーティストはそうでないほうが対比できるとも思われる)。
◎単なる見せ物にならないよう、あくまでも、人口爆発による人類危機をどうやって解決しうるか、という視点を中心にすえる。
あわせて、危機的な現場に居る人々が見ても嫌悪を催さないようなユーモアと配慮を入れること
◎プロジェクトとしては、視覚的な展示だけでなく、ネット等での展開、マガジンやペーパーなどの出版物、音楽や芝居等のパフォーマンスの上演も考えられる。
●角 孝政プロフィール
角 孝政[すみ たかまさ] アーティスト
1968年生まれ。福岡在住。主にFRPによる造形物を制作。「アートレック」代表。
動物と植物、あるいは動物と幾何学的な形態を合成した「中間的」な架空の生物や、微小生物を巨大化した作品などで知られる。個展等のほか、2002年春から夏にかけ「マリンワールド海の中道」で深海魚模型を展示するなど多彩に活躍している。
共著に「日本怪奇幻想紀行」第四巻(同朋舎、発売角川書店)がある。
ホームページ 「不思議博物館」 http://www.asahi-net.or.jp/~BU9T-SM/





●提案者プロフィール
「route6」
日本、福岡市在住の現代アート関係者を中心とした有志の女性グループ(一部メンバーは現在福岡市以外に在住)。
1999年頃より自由に集まってアートのミーティングをおこなっている。
構成メンバーは20代〜40代の8名。
ギャラリーディレクター、フリーランスのアートコーディネーター、エディター、公共施設プログラムコーディネーター等。
代表 宮本初音(ミュージアム・シティ・プロジェクト事務局長)。
○連絡先 c/oミュージアム・シティ・プロジェクト事務局
〒812-0029 福岡市博多区古門戸町5-18ぎんなんビル403
電話・ファクス +81-92-283-6205、e-mail [RY4H-MYMT@asahi-net.or.jp]