Release date: 10/18/2005
Country: USA
Label: Arista
Catalog#: 82876-70300-2
Guest Artists:

Track Listing:
1 The Man With All The Toys
2 What I Really Want For Christmas
3 God Rest Ye Merry Gentlemen
4 O Holy Night
5 We Wish You A Merry Christmas
6 Hark The Herald Angels Sing
7 It Came Upon A Midnight Clear
8 The First Noel
9 Christmasey
10 Little Saint Nick
11 Deck The Halls
12 Auld Lang Syne
13 On Christmas Day
14 Joy To The World
15 Silent Night

 昨年の『スマイル』で、完全復調したような感のあるブライアン・ウィルソンの、ソロとしての初クリスマスアルバムです。春頃にこのアルバムのニュースが流れたときには[1]〜[12]の全12曲構成でしたが、その後ボーナストラックが3曲追加されました。何れもブライアンの公式サイトで、クリスマスシーズンに配信されていた音源で、[13]はその後ウォルマートのみで販売されたコンピレーションCDに収録されました。

 タイトル曲[2]はバーニー・トービンの詞、[9]はジミー・ウェッブの詞によるオリジナルでどちらも佳曲。'64年のビーチ・ボーイズのクリスマスアルバムに収録された[1][10]は、原曲を忠実になぞったアレンジになっていますが、[10]はグロッケンが入ったシングル・ヴァージョンの方の再演になっています。[12]もビーチ・ボーイズのアルバムのラストに収録されたアカペラ・ヴァージョン(ナレーション入り)を、拡大したような仕上がりですので、実質これも再演に近いと考えてよいかもしれません。その他のクリスマスキャロルは、'64年でクリスマス・スタンダードをカヴァーしたときのアプローチとは違い、バンドアレンジを施したもので、ちょっと意表をつかれましたが、これはむしろブライアンが今のバンドに自信を持っている表れと考えていいのかも。

 インタビューなどで語っている通り、ブライアンのクリスマスに対する思いも充分感じられる仕上がりで、水準以上のものになっているのは確かなのですが、アルバムを聴き終えてやや物足りなさも感じました。ただ、これは『スマイル』の次のアルバムということで、どうしてもこちらの期待が高すぎたのかもしれません。正直に言うと、2000年の暮れに[13]を公式サイトで初めて聴いたときの感激の方が、私にとっては大きかったようで、その感激×12倍を勝手に思い描いていたせいかも。

 US盤のパッケージはデジパック仕様。私が入手したのは表面がラメのようになっているといえばいいのか、キラキラするコーティングだったのですが、その後CD店で見ると、普通の銀紙のような仕上げの輸入盤が売られていましたが、こちらはEU盤のよう。ただ、中にはブックレットも何もなく、ちょっとそっけない作りなので、そういうものも欲しいという方は11月23日発売の国内盤まで待つのをお薦めします。

 ・・・とかなんとかいろいろ書いておりますが、個人的にはパッケージ内側の「Special Thanks」に書いてあったこの一行を読んだときに、出来が云々とかそんなことはどこかへ飛んでしまいました。
To my beloved brothers Carl and Dennis who I miss singing carols with.
(2005.11.20)

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