Release date: 9/3/2002
Country: USA
Label: NorthSide
Catalog#: NSD6067
Original release year:
 2001(Norway)
Guest Artists:

Track Listing:
1 A Child Is Born In Bethlehem
2 Lullaby For Julie
3 Spirit Of The Grove
4 Christmas Eve
5 My Heart Is With Jesus
6 St. Sunniva
7 A Little Child So Pleasant
/In This Sweet Christmas Time
8 Father Fiddled On Christmas Eve
9 The Loveliest Rose Has Been Round
10 Christmas Gangar
11 For Such Generous Gifts

 ノルウェーの女性フィドル奏者アンビョルグ・リーエンをリーダーとするユニット、ブッケネ・ブルーセのクリスマスアルバムです。2001年に発表された盤ですが、今年アメリカ盤が発売され、私もそれで初めて知りましたし、非常に面白いアルバムですので紹介させてもらいます。
 アンビョルグは'87年にデビューした人で、以来多くのソロアルバムを出し、このユニット名義でも数枚のアルバムを出しています。個人的には'97年のチーフタンズのアルバム『Tears of Stone』に参加していたのを覚えています。私が入手したのはアメリカ盤で、プラケースの通常盤でしたが、先日輸入盤に解説を添付したデジパック仕様のものを見かけましたので、あれがオリジナルのノルウェー盤なのでしょう。流石に書いてあることが判読出来ませんでした。メンバーは他にヴォーカル&フィドル、リコーダー、キーボードから成り、結成当初はキーボードを除くトリオ編成だったようです。
 アルバムに収録された曲にはやはりノルウェーのトラディショナルナンバーが多く、例えば[1]はスンモーレ地方で20年代からよく知られるようになったという古謡で、歌詞は14世紀に書かれたもの、[3]はテレマーク地方で古くから伝わる、神聖な樹にまつわる民話を元にした内容、[9]はスウェーデンとの国境寄りのトリシル地方で馴染みの深い古謡、[11]はノルウェーのテレマーク地方でよく知られるニュー・イヤー・ソング、といったように英文ライナーがなければお手上げでした。その他、[4][5][7][8]もやはり古謡やキャロルです。
 オリジナルは3曲収録されており、[2]はリーダーのアンビョルグとキーボード担当のビョルンが書いた子守り歌、[10]はリコーダー担当のスタイナーの作、しかし驚いたのはアンビョルグとビョルンの他にキース・エマーソンの名が作者クレジットにあった[6]で、序盤ではEL&Pの『恐怖の頭脳改革』ラストに入っていた「悪の教典#9〜第三印象」がカヴァーされていました。ノルウェー盤のブックレットにはキース・エマーソンのコメントも載っているらしいですが、このアメリカ盤には残念ながらありませんでした。
 歌入りとインストが交互に並べられた45分で、個人的にはインストの方が好みですが、かといってインストだけの構成では、この45分をもたせるのはキツいかもしれません。普段我々に馴染みのあるクリスマスソングというのは1曲も入っていないのですが、騒々しい賑わいではない北欧の素朴なクリスマスが味わえる1枚です。(2002.11.21)

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