Release date: 8/27/2002
Country: USA
Label: Globe
Catalog#: GLO-029
Guest Artists:
Norton Buffalo,
Angela Strehli, Maria Muldaur
Greg "Duke" Dewey,
Mike Duke

Track Listing:
1 Santa Lost A Ho
2 Santa's Workship
3 Hey Santa
4 Ain't That Cold?
5 Boogie Woogie Santa Claus
6 These Christmas Blues
7 Plant A Santa
8 I Want A Hippopotamus For Christmas
9 Lonesome Reindeer Blues
10 Don't They Know It's Christmas?
11 Santa, You've Got What It Takes
12 Silent Night

 一昨年に27年ぶりのホット・リックス名義のアルバムを出した才人ダン・ヒックスですが、このクリスマス・ジャグ・バンドというユニットを25年前から始めており、'87年に初アルバムを出して以来、数年おきにアルバムを発表し、本作が4枚目になります。ダン・ヒックスの他にも、ティム・エリシュマン、オースチン・デ・ローン、ポール・ロジャース(フリーのあの人じゃないですよ)ら多くの曲者ミュージシャンが参加し、オリジナルソングだけでなく、カントリーナンバーやブルースを改作してクリスマス仕立てにしたりと、毎回楽しいアルバムとなっています。
 最初はメンバーのオリジナルでP・ロジャースの[1]、D・ヒックスの[2]、A・デ・ローンの[3]、T・エリシュマンの[4]とすっ呆けたナンバーが続き、[5]のメイベル・スコットのカヴァーでは、ゲストヴォーカルのアンジェラ・ストレーリとマリア・マルダーを迎えて、ビッグバンドスタイルで耳馴染みのあるこのナンバーがジャグバンド・スタイルで演奏されます。
 [6][7]でまたD・ヒックス、P・ロジャースのオリジナルが続き、[8]では'53年にゲイラ・ピーヴィによって歌われたクリスマス・ノヴェルティソングを、やはりゲストのノートン・バッファローによって歌詞を変えてカヴァー。[9]はフレディ・キングのヴァージョンが有名な「ロンサム・ホイッスル・ブルース」をトナカイのブルースにアダプトしたカヴァーです。
 [10]はボブ・ディランの「サブタレニアン・ホームシック・ブルース」、バッファロー・スプリングフィールドの「フォー・ホワット・イッツ・ワース」、スキーター・デイヴィスの「エンド・オブ・ザ・ワールド」、この3曲の一節をそれぞれアダプトしたT・エリシュマンの作。[11]は'60年にダイナ・ワシントンとブルック・ベントンがデュエットして大ヒットした「ベイビー・ユー・ガット・ホワット・イット・テイクス」を元に、歌詞を改作したカヴァー。最後はゲストのマイク・デュークのヴォーカルで[12]を賑やかにと、全編洒落っ気たっぷりの1枚で、英語に堪能な人なら、おそらくもっと楽しめるでしょう。
 クリスマスを厳かにという向きにはお薦めできませんが、耳当りの良いインストアルバムあたりにお金を使うよりも、ずっと楽しいひとときを与えてくれるはずです。(2002.11.10)

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