Various Artists



Release date: 11/6/2001
Country: USA
Label: Motown
Catalog#: 440 016 364-2
Guest Artists:


Track Listing:
Won't Be Long Before Christmas - The Supremes (stereo mix *)
Love Comes With Christmas
-
The Temptations
Purple Snowflakes
-
Marvin Gaye (stereo mix *)
Winter Wonderland - The Funk Brothers (alternate mix *)
Up The House Top - Jackson 5
The Little Drummer Boy - The Temptations (1980 version)
Oh Little Town Of Bethlehem
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The Supremes
White Christmas - The Miracles
Wish You A Merry Christmas - Kim Weston (stereo mix *)
The Christmas Song - Marvin Gaye (Live at the Apollo)
Xmas Twist - The Twistin' Kings (complete version *)
Rudolph, The Red Nosed Reindeer - Jackson 5
Oh Holy Night - The Supremes (*)
Someday At Christmas
-
The Temptations
* PREVIOUSLY UNRELEASED
 毎年のように旧譜を使ったクリスマスものが出てるモータウンから今年出たこのコンピレーションは、何の変哲もないタイトルのために危うく見落とすところでしたが、14曲中8曲が録音当時に発表されなかった音源、そして今回初めて収録される音源やミックスが6曲という、その価値が非常に判りにくい選曲です。アルバムとして統一がとれているかということになるとまた別問題ですが、各音源については紹介の必要があると思い、ここに取り上げることにしました。
 まず一般音源としては、[2][6]がテンプテーションズの'80年のクリスマスアルバム、[14]は'70年のクリスマスアルバムに収録されたもの。ジャクソン5の[5][12]も'70年のクリスマスアルバム、ミラクルズの[8]は2枚あるクリスマスアルバムの'63年の方に収録されたものです。
 さてその他ですが、シュープリームスの[1]は録音は'67年のアルバム用にされたものですが、彼女たちの未発表テイク集が'87年に出たときに初収録されたもので、今回は初めてステレオ・ミックスが収録されます。また[7]も'67年のセッションのものですが、'95年のクリスマスコンピレーションCDに収録されるまでオクラ入りだったもの。そして[13]も同じく'67年セッションのもので、今回初めて世に出るものです。
 マーヴィン・ゲイの[3]は'93年にモータウンから出た『クリスマス・イン・ザ・シティ』というコンピレーションに初収録された音源ですが、ステレオ・ミックスが今回初収録。録音自体は'64年の11月に行なわれたもののオクラ入りとなり、歌詞を変えて「Pretty Little Baby」というタイトルでシングル化されました。バックコーラスはシュープリームスです。[10]は'62年のアポロシアターでのライブで、'90年の4CDボックスセットに初めて収録されたものです。
 [4]のファンク・ブラザースはモータウンのハウスバンドというか、レコーディング・セッション・ユニットで、スタックスのMG'sのようなものだと思ってもらえればいいですが、最近の研究では当初語られていたように全てのバッキングをやっていたわけでもないようで、ある時期からは半分近くを西海岸のスタジオ・ミュージシャンにまかせていたようです。これはテンプスの1枚目のクリスマスアルバム制作時に行なわれたセッションで、やはり前述の『クリスマス・イン・ザ・シティ』に初収録されましたが、今回収録されたのは別ミックスのヴァージョンです。
 キム・ウェストンの[9]も'93年の『クリスマス・イン・ザ・シティ』で発表された音源ですが、ここではステレオ・ミックスが初収録。録音自体は'62年に行なわれたものですが、何故当時発表されなかったのか判らない、上出来のオリジナルナンバーです。
 そしてレア度が一番高いかもしれないのが[11]。このツイスティン・キングスの音源は'61年にシングルで発表されており(シングルB面は「White House Twist」)、同年のアルバムにも収録されましたが、何れも編集モノラル・ヴァージョンで、ここに収録されたのは、編集なしのステレオ・ヴァージョンです。欲を言えばシングル・ヴァージョンも入れてくれるとありがたいのですが、この手のアルバムでそこまで望むのは酷かもしれません。
 ということで、各音源の出来にはバラつきがありますし、アルバムとして1枚通して聴くには正直言ってちょっときついものがありますが、ここまで逆の意味で妙な選曲ですと、好事家には見逃せない今年の1枚であるのは確かです。何か今年のクリスマスCDを1枚だけ買おうという方、素人さんにはちょっとオススメ出来ません。(2001.11.15)

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