CYRUS CHESTNUT & FRIENDS A CHARLIE BROWN CHRISTMAS
Cyrus Chestnut & Friends

01.ME AND CHARLIE BROWN (Piano Solo)
02.
SKATING
03.
MY LITTLE DRUM
04.
THE CHRISTMAS SONG
05.
BABY DANCE
06.
FUR ELISE
07.
WHAT CHILD IS THIS?
08.
LINUS AND LUCY
09.
O TANNENBAUM
10.
CHRISTMAS TIME IS HERE
11.
ME AND CHARLIE BROWN
12.
CHRISTMAS IS COMING
13.
GREENSLEEVES
14.
HARK, THE HERALD ANGELS SING

[Vocals]
Brian McKnight (4)
Manhattan Transfer (7)
Vanessa Williams (10)
The Boys Choir of Harlem (10)
 60年代から、アメリカCBSテレビで何度となく放送されてきた「PEANUTS」のTVスペシャル。サイラスはこのシリーズのヴィンス・ガラルディの音楽が、自分のジャズ体験の始まりだったとライナーに書いています。このアルバムは、ヴィンスが番組のクリスマス・スペシャル用に書いた曲、それも71年に発売されたファンタジー盤LP(タイトルも同じ)を丸ごとカヴァーしたものです。(13)はオリジナルLPにはなく、88年のCDで追加された曲になります。アレンジはサイラス自身ですが、装飾過多になることなく、尚且つオリジナルとは別のアプローチでと、ライナーに書いてあるように、「出来ることならMr.シュルツとMr.(ヴィンス)ガラルディに、このアルバムを手渡したかったが、願わくば天国で聴いていてほしい」という思いが伝わってくる、丁寧な仕事です。(1) (5) (11)の3曲が自作曲ですが、イントロダクションのような(1)のフル・ヴァージョンが(11)になります。ただし、個人的な感想になりますが、この(11)はフル・ヴァージョンでなくても良かったように思います。むしろそれぞれ1分足らずの(1) (5) のように、ブリッジのような使い方に留めておいた方が、アルバムとして締まったのではないでしょうか。この曲だけ、サイラスの思い入れがかえって重荷です。参加メンバーは豪華で、スティーヴ・ガッド、クリスチャン・マクブライド、マイケル・ブレッカー、ケニ−・ギャレット等、スゴ腕の面々に加えて、上記のようなヴォーカル陣。ちなみに(6)は、登場人物の1人、シュローダーがオモチャのピアノで好んで弾く「エリーゼのために」です。ただし、このCDを聴く場合、少なくともヴィンス・ガラルディのLP(サントラ)が頭に入っていないと、面白さが半減するかもしれません。

 日本盤CDではボーナストラックとして1曲、シューマンの「子供の情景からの抜粋」が収録されています。しかし、あえて書きましょう。このボーナスは蛇足です。このアルバムが、ヴィンス・ガラルディのアルバムへのオマージュであることを考えれば、ヴィンスのアルバム全曲+自作曲で、CDとして完結しているはずです。ましてシュローダーはベートーヴェン好きなのに。裏ジャケットのレイアウトも台無しです。つまりアーティストの意思ではないことが明白です。(2000.10.6)
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