東京off 1999.10.9〜11


  10月9日(土)
 体育の日を含んだ連休、夫婦で東京のAquarist、Shopに押しかけました。9日土曜の夜、水野邸におじゃましました。ここで、岡田さん、Marinの円藤さん、山崎さんとお会いしました。円藤さんとは初対面です。ここで話し合った事は、時間があるのに東京に来なかったアキリンさんにはヒミツ、ヒミツ、ヒミツ。

 水野さんの奥様の手料理は最高です。量もすごい、Kg単位で水野さんのお腹に格納されていきます。水野さんには適いませんが、この旅行で私も2Kg太りました。

 この晩、岡田さんはゲジゲジの途中で遭難。岡田さんは風水に凝っているようですが、人工太陽(メタハラ)に焼かれているので、お日様の方角が定まり無く、占う人は大変でしょう。

 Natural System総本山、日本全国に広まった湯島ミドリイシの故郷、水野さんの水槽です。 

 この水槽のお魚達は、たとえ草食のハギでも、全て肉食魚と化しています。これはご主人のProtein Dietの影響でしょう。
(水野さんは肉しか食べす、炭水化物は月に一度)

 左がいくつもの群体に成長した湯島ミドリイシ(オトメミドリイシAcropora pulchra)の極一部、
 右の綺麗なブルーはコエダミドリイシ(A.microphthalma)?
 うちにも、送って下さいました。これで私も湯島ミドリイシ観察隊の一員です。

 水野邸のお魚達は人間の顔を見るとチーズ、お肉が降ってくるはずと思っています。

 水野薬局は昔、フランスのリヨンにあった薬局がアンティークとしてイギリスに渡り、それを水野さんがそっくり持って帰ったという内装です。
水野さんに教えてもらったところでは、入り口の両方にあるアラビア風ガラス容器に、中世では、疫病が流行っているときには赤い水、平常時には青い水が入っていて、市民にそのことを伝えたそうです。
 現代では、水槽の調子がよいときは透明で、黄色い水ならお魚の病気を伝える。・・・ウソですよ。


  10月10日(日)
 この日は、水野さんに東京中をご案内して頂きました。うちら夫婦だけで回ったら、この半分も行けなかったでしょう。回ったお店を中心にレポートします。関東方面の方には、もうよくご存知のことばかりでしょうが、私のような地方Aquaristの方への東京情報です。

 まず最初に行ったのは、「ひかりアクアリウム」。ここはお魚が中心。サンゴはあまりありませんが、サカナの種類と量はものすごい。
正面のホワイトチップシャークから始まって、壁面は下、中、天井近くの上まで水槽だらけです。あんまりいたので何がいたのか忘却。
 そのあと、新しく入れたNaturalSystemが調子よいという葛西臨海水族館に向かましたが、渋滞で途中リタイア。千葉近くに来たので、「東京サンマリン」によりました。三階建てのMarinShopというのは秋田から見れば想像を絶します。いろんなサンゴが大量にあります。SPSどっさり、LPSうんとこさ、ソフトあちこち、シャコガイこれでもか。特に珍しいものとか、珍種というのはありませんが、各種大量にあるので、好みの大きさ、色合いが選べるでしょう。
 
 お昼は、MLの新井さんのお店、「やぶそばです」。ここのエビ天はすごい、箸で持ち上がらないほどの重量感があります。お昼時のお忙しい時間帯もかかわらず、ご自宅の水槽も見せていただきました。ここでも湯島ミドリイシはすごい成長で、ブッシュのようになっています。太陽が差し込む水槽はうらやましい。新井さんは水槽に限らず、生物一般が大好きで、鳥もたくさん飼っていて、フェレットまでいます。
 あまりのサンゴの成長の見事さに驚いてバックを忘れてしまい、車に乗ったときに新井さんが気づいて届けてくれました。本当に、ありがとうございました。助かりました。
 
 この後、本郷方面に戻り、「KUKI」、MLの金井さんのお店「Natural」におじゃましました。この2軒はNaturalAquarist専門店のようなお店です。非常に状態の良い、Berlinistなら欲しくなるようなSPSが沢山あります。ミドリイシファン必見のお店です。金井さんとこの円柱ベルリンはガラス製です。水野さんのところと同時期に作ったという水槽です。ガラスの曲げ水槽は難しいと思っていましたが、お二人の所とも92年以来問題なしです。

 水野さんがにゃん太さんに連絡を取り、「MZC」で合流。女性で、自分の水槽を持ち、ダイビングをし、1日に1回はネコに触らないで入れない、という共通点があると聞き、うちのカミさんが会いたがったのです。(他は全く共通点無し、うちのカミさんはいい年した鼻ぺちゃのおばさんで、体重は数年前まで亭主とそれほど変わらなかったひとです)
 MZCで驚いたのは水換えのみの従来式濾過法で、ツツミドリイシ系なのどの難しいSPSが状態良く成長していることです。もっとも換水は月に120パーセントということです。それでも6.7年前、毎週70パーセント水を換えてもSPSはうまく飼えなかった私には、とても不思議です。MZCはほとんどの水槽のサンゴは非売品です。このお店は店主が道楽でやっているとしか考えられません。観賞用Shopとでもいうべき所です。

 ここから、橋本さんとこの「Jamming」に参りました。橋本さんはリーフィーシードラゴンのために、クロレラ→ワムシ→イサザアミと培養する食物連鎖水槽群をお持ちです。並々ならぬ、愛情の注ぎ方ですJammingさんのところには君太君のベビーベットが店内にありました。それがとてもほほえましい。

 Jammingさんから「小籐田さん宅」を教えてもらいました。ツツミドリイシフリークの小籐田さんです。このすばらしい水槽を前にしながら、妻はデビット・サンボーンの色紙に釘付け。(ファンなのです)。サックスの生演奏までせがむという、中年のおばさんのわがままを聞いていただいて、小籐田さんすみませんでした。
 小籐田さんには水槽以上に驚くものを見せていただきましたが、それは、秘密、秘密、秘密(・・・アキリン風)。

 この日の夕食は地下三階にある二階で(これはどうなっているか行った人でないと分からない)メキシコ料理。昨日、遭難して行方不明になっていた岡田さんが復活、みんなで山本さんを辛い物攻撃(山本さんが最も辛い物に弱い方でした)。私達は、弱点があれば、そこを攻めずにはいられない子供のようなアクアリストどもです。(連休が全てお仕事なのに、お付き合いいただいた山本さん、ごめんなさい)
 私と水野さんは辛い物は入れるのはいくらでも平気ですが、その次の日がつらい。どうつらいかはマル秘、マル秘、マル秘

 このあと、金井さんを誘って、連夜のゲジゲジ。ここで、小籐田さんの昼の部を上回る隠し芸(極秘、極秘、極秘)を拝見。一番喜んだのは、うちの妻。なんというおばさんだ。

 この日は、Shop、Aquaristの水槽を沢山見てのぼせたのか、写真を撮るのをすっかり忘れていました。う〜ん、新井さん、小籐田さんの水槽は是非撮っておきたかったのに。

 みなさん、お付き合いどうもありがとうございました。

  10月11日(月、振替休日)
 本日は本屋めぐり。うちら夫婦は買い出しと称して、年に1回上京して、書店を回って歩くのですが、書泉グランデでは医学書専門コーナーを数年前から無くしてしまうし、だんだんと本屋が「本を揃える」という事を放棄しつつあるような気がします。どこも店内は本以外のイベント広告でいっぱい。それでも三省堂など神田を中心に本を買いあさって、中段ボール1つ、小2つ。

 残り時間は、しばらくぶりで上野動物園に行きました。7.8年ぶりです。話には聞いていましたが、だいぶ様子が変わっていました。以前は、延々と続くコンクリートボックスの中の動物を見て歩く、という感じでしたが、今の上野動物園は歩道も動物の飼育・展示場もたくさんの植え込みがあり、植物の陰に動物の姿を捜す、といった感じです。コンクリートボックスの檻と違って、動物は間近に見られないし、時には全く姿を拝めない事もありますが、ちらっと見かける動物の姿は昔よりより自然に見えます。トラは涼やかな顔をしていて、アジアの王者の風格があります。このような様子は以前のコンクリートの上でうだっていた姿より、はるかに好ましく思えます。
 また、以前より飼育種類は減っているようです。これはたとえばネコ科は多摩動物公園に集め、そのかわりゴリラは日本中から上野動物園に集めて、繁殖を計ろうということでしょう。展示動物数に拘泥せず、「より自然な飼育環境と、より専門的な飼育技術者・施設のもとで」というのは、動物園ばかりでなく、水族館にも必要なコンセプトでしょう。
 動物園でも水族館でも、その規模に比して種類数が多いところは飼育環境が悪いばかりでなく、展示にオリジナリティーが乏しい、そこに行かなければ見られないというものがない、という共通点があります。「あそこで飼っているあれが欲しい、うちでも」というのは観客動員数を考えれば、分からなくはありませんが、これは一時の客足は伸ばしても、すぐ飽きられてしまいます。ふだんの創意工夫で、そこのオリジナリティーが生きればリピーターは増えます。
 優れた水族館、動物園を国内に持つには、観客も大事です。派手な展示を面白がるが、受け身の一見さんではなく、訪問者が行く度に自分で何かを発見してくるという態度が水族館、動物園を育てることになると思います。

 ちょっと長い文章になってしまいました。水族館ばかりでなく、動物園も好きな施設で、学生時代はよくボーッと半日も過ごしていたものです。この日は連休ということもあり、上野動物園は込んでいました。人気の動物コーナーではずいぶん子供に足を踏まれてしまうなど、ゆっくり動物は見られなかったのですが、花壇にアオスジアゲハがきて吸蜜をしているのに出会えました。アオスジアゲハは関東以南では珍しくもないでしょうが、北限が秋田県の南金浦町で、北東北の人間の眼には新鮮に映ります。それにアオスジアゲハは普通種ですが、その色、デザインといいすばらしい蝶です。

 東京都上野公園 1999年10月11日 Graphium sarpedon アオスジアゲハ

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