ヤエヤマヒルギの水中栽培

 初めてヤエヤマヒルギ(Rhizophora mucronata)の種を買ったとき、いきなりリーフアクアリウムの強い光の中に、上半分を出して浮かべてしまいました。3本の内、1本は手の届かないライブロックの隙間に落としてしまいました。残った2本は芽を少し伸ばしましたが、やがてひからびて枯れてしまいました。(空中部分は完全に乾燥していて、割り箸のようにポキッと折れてしまいました。)
 幼木は、薄い海水で中等度の光の中で芽を伸ばさせ、少し成長してから、高塩分、高照度のリーフアクアリウムに入れるべきだったのです。 (後で買った種はそうしています。)

 ある日、水槽掃除をしていると岩の透き間から、堅くて径1mmほどの針金のような物が出ていました。昔入れたヤギの骨格かと思って、ちぎりながら引っぱり出してみると葉を数枚つけたヤエヤマヒルギの幼木が出てきました。「針金」の正体はその根だったのです。
 ヤエヤマヒルギの幼木は水中でも葉を展開し、成長可能のようです。高い浸透圧でも、海水に全体が浸かっていれば、ひからびたりしない植物のようです。
 水中栽培は他のメリットもあります。空中ではカイガラムシにやられやすい植物ですが、水中ならその心配はないでしょう。(水槽に殺虫剤を使用した物は入れたくありませんし。)また、水中から空中へ、自分で伸びてきた芽、葉は始めから順応しているので、ひからびる心配はないと思います。
 ヤエヤマヒルギの種や幼木をアクアリウムに入れるときは、てっぺんを2,3cmの水深にして育てるのも一法だと思います。

 

 マングローブと気づかずに根を引っこ抜いてしまいましたが、また伸びてきました。