Phyllodesmium sp

ある日ふと気づくと、それまで元気だったウネタケ(Sinularia)のボリュームが減り、一部垂れ下がっているのに気づきました。周囲を見回すと下に、ピンク色のミノウミウシがいます。長さは静止時5、6cm、移動時は10cm弱はあります。
ミノウミウシの仲間は刺胞動物食ですので、とっても怪しい。ただ、食害現行犯でないので、ちょっと行動を観察する事にしました。

数時間後、やはりウネタケに取り付いて頭部を動かしています。食べています。
ピンセットでつまみ出すことにしましたが、ピンセットで捕らえようとすると、ミノがぽろぽろ落ちてきて水槽を舞います。
そのミノは、本体より離れても、ミミズのようにうウネウネ動いて、岩や手に付着します。
自切して本体を逃がすトカゲのしっぽと同じなのでしょう。
ウミウシ自体は結構綺麗ですが、このミノウネウネは多少不気味。
本体を逃さないように、頭部を摘んで除去しました。
頭部とそれにつづくミノの取れた体は、先ほどよりずっと縮まって、3、4cmほど。

しかし、なぜこんなに大きいウミウシに気づかなかったんでしょう?
このウミウシの種名は分かりません。
サガミミノウミウシなどが属するPhyllodesmium属のウミウシであることは間違いないでしょうが、種小名までは調べましたが不明です。

ミノの中には消化器官が透けて見えますが、サガミミノウミウシよりはずっと不透明に近く、表面に蛍光色はありません。
ミノの数は写真で見るとおり、多く着いています。
自然界の食物は不明ですが、うちでは上記のようにウネタケ(Sinularia)を食べておりました。
最近、このウネタケは当初の紫からピンク色に変わっていましたが、その色とそっくりです。
そっくりだから、このウネタケに取り付いたのか、それとも食べたウネタケの色が出たのか、不明です。

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