HSA Skimmer

 1999年11月7日、A水槽のSkimmerをBerlinXLから、High Speed Aeration Skimmer:HSAに変えてみました。BerlinXLに不満があったわけではないのですが、単に私が新しいものが欲しくなったというだけです。

 A水槽は300リットルなので機種はHSA500、動力ポンプはRMD550です。HSA500は190〜950リットル、HSA1000は380〜3800リットル水槽対応だそうです。

 SkimmerポンプをRMD300Nから550に変えるのに、サンプの水を抜いたりして、一仕事。HSA1000はRMD700〜1000、HSA500はRMD550〜700が推奨ポンプだそうです。水流の強さ、流量が泡形成の重要ポイントなのでポンプも換えねばならなくなったのでした。

全体像

ベンチュリー部

ValveとBottom

廃液溜


 泡形成の仕組みはベンチュリとダウンドラフトの合作です。上の写真の2番目、スキマー上部の小部屋の中に黒く見えるのが、ベンチュリです。上から強烈な勢いで水が通過すると、ベンチュリ管の側面にあいた穴に揚力が生じ、空気を泡として引き込む形です。この小部屋は下とは連絡が無く上のコックの付いたものが小部屋への空気取り入れ口です。水が流れるとベンチュリが空気を引き込むので、この小部屋は陰圧となり、小部屋への空気供給量は、空気取り入れ口のコックで調整されます。赤いぽっちはオゾンを添加するときのつなぎ口です。
 ベンチュリ管内部には穴の部分でより高速流になるような仕組みが取りつけられています。

 3番目の写真を見て下さい。上から落ちてきた空気混じりの水流は、シリンダーの下部の皿にぶつかって上方に跳ね上げられます(上方からの落水パイプと皿の間には写真でははっきりしませんが隙間が空いています)。こうして、シリンダーで泡と水流が攪拌されて、いくらか気泡を含んだ水は四角のBottomに落ちます。Bottomで気液分離されたあと、Bottom下部の水は向かって左へ排出されます。

 「サンプへの戻り水のパイプは水平またはサンプに向かって下向きに」と説明され、その一方で「ポンプ停止時には四角のBottomの上に水位がくるように」と説明されています。
 しかし、写真で分かるように、排水パイプはBottom内で下向きですから、ポンプを止めるとサイフォンの原理で、パイプ下面のところまで、排水されて水位が下がってしまいます。上の二つの説明は矛盾すると思うのですが、うまく作動するのだろうか?

 Waste Collecter:廃液溜は2リットルほどの容量があります。4番目の写真で見えているオレンジのピンポン玉が廃液がいっぱいになったとき、上方に押しつけられ、それ以上流入して溢れるのを防止しています。緑のチューブが流入ホース、太いのが空気抜きです(ピンポン玉入り)。

 Break In:立ち上がりは、数時間から数日間だそうです。GateValveを解放にし、エア吸入口もFullOpenでシリンダー内の水位上昇を待つそうです。起動開始後3日の今、まだ立ち上がっていません。
この時点で気づいたこと:

1)エアーレイションの作用が非常に強い。
 吸気口の吸気音が非常にうるさいので、ホースを付けてサンプの入っている台の下に入れたら、照明している昼なのに、pHが急落しました(7.9前後まで)。どうもリアクターから、漏れたCO2を吸入したためのようなので、ホースの先を天井近くにもってくると、すぐpH8.2前後へ回復しました。(部屋の換気口近く)
 また、この状態で、朝見ると、pHが8.3ほどあり、いつもの夜間のpH低下がありません。水槽内生物の呼吸で、夜間CO2が溜まり、朝はpHが8.0付近まで低下するのが今までの日内変動だったのですが、これが消失しました。呼吸のCO2を全て飛ばしてしまうほどの曝気能力のようです。このようなことはエアーポンプを何台も使ってもあり得ないことでした。HSAはエアーレイション能力が桁違いのようです。

2)立ち上がっていないのに、廃液溜に廃液がある。
 1番目の写真のようにまだ、水位はシリンダーの1/4ぐらいで廃液ホースの高さまでまだ全然行っていないのに、廃液がありました。3日で100ml弱です。初め、蒸発水が凝結したのかと思いましたが、廃液は黄色で、蒸発水凝結ではありません。おそらく、激しく攪拌されるシリンダーでできた細かいミストが集まったのでしょう。
 ベンチュリは泡の表面濃縮がその回収能力ですが、ダウンドラフトやHSAなど、激しい落下水を作るタイプはミスト生成による汚れの分離もあるのでしょう。これは廃液、ひいては水槽海水成分にも違いがでてくるかもしれません。

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