我が家では少し前ハムスターを飼っていました。長男が友だちからもらって帰ってきたのです。ダメだと言えず出会ってしまったらかわいいので、それからゲージやらなにやらを買い求めてペットショップに行きました。

名前はハムちゃん(安易なネーミングですね)、名前がなかなかきまらないうちにこの呼び方が定着しました。夜になるとカラカラと音をたてて遊具であそびます。

ある日ゲージのフタをしっかり閉めていなかったのでしょう、ハムちゃんが逃げ出してしまいました。あわててさがすけど小さい体のハムちゃんはなかなか見つかりません。階段を上がることは無理だと思ったので二階と一階を中心に捜しましたが見つかりません。お腹が空いたら出てくるだろうと数カ所にひまわりの種をおいておいてその晩は寝ました。
 
だけど二階のどこのひまわりもそのまんま・・・食べた気配もありません。まさか一階?と思って降りるとそこのひまわりは確かに食べた痕があります。よかった〜。ピアノの下に潜り込んでいました。どうやって階段を降りたのか不思議で仕方なかったのですが、その後転がり落ちるようにして降りるのを目撃して納得。一段でも降りてしまったら後は降りるしかありませんものね。

子どもたちも一ヶ月くらいはいろいろと世話もやいていましたが、結局は私がエサやトイレのお世話係。時々自己主張してカラカラカラカラと大きな音をたてて注目を集めていました。

そうして一年くらいたった頃でしょうか、寒い冬も無事越えて元気にしていたハムちゃんでしたが、ちょっと食欲が落ちたように思いました。ひまわりの種を残してあるのです。おかしいなと思ったけれどもそんなに気にせずいつもと同じようにエサをあげていました。

ある日少し食べたときちょっと気になって抱っこしてみたのです。すると喉に詰めたような息苦しい表情をし、前足を口元に持ってゆきもがき、目を白黒させて苦しがりはじめました。なに?なぜ?私がさわったから?「どうしたの?」「ハムちゃん」「がんばって」「どうして〜」と泣きながら叫び喉をさすったり、背中をさすったりしたけどダメでした。

ヒクヒクと痙攣したかと思うと次の瞬間には息絶えました・・・・。あっという間の出来事でした。うそ!どうして!私の手のひらでさっきまでエサを食べていたハムちゃんが今はもう息をしていないなんて!

「ハムちゃんごめんね」「どうして」と大泣きしました。家にいたのは私だけ。少しやせた感じのハムちゃんのお腹をそっとみると小さな腫瘤を見つけました。病気にかかっていたのかもしれない。だけどそのことにそれまで気づきもしなかった・・・・・。

だけどあのとき私が抱き上げなければまだ生きていたかもしれない。そう思うとそれだけで心が苦しくなりました。

帰ってきた子どもたちにそのことを伝えて一緒にお墓をつくりました。息子たちも目に涙をためていました。なんだか本当にかわいそうなことをしました。もっといっぱい遊んでもっといっぱい自由に歩かせてあげればよかった。

ハムちゃんごめんね。
ハムスターのハムちゃん