本のタイトル |
作者名 |
推薦のコメント |
エンガッツィオ司令塔
(文藝春秋) |
筒井康隆 |
もう、タイトルだけで、やられたって思いましたよ。電車ん中で読んだんだけど、もう、一人でニヤニヤしてた。私、いい小説を読むとなぜかニヤニヤしちゃうんですよ。
短編衆なので、他にもおもしろい作品が詰まってます。「首長ティンプグの尊厳」は某K国によるミサイル発射の原因になったとかならないとか…。えんがちょ。 |
虚航船団
(新潮文庫) |
筒井康隆 |
メタフィクションのトップランナー筒井康隆が書いた超虚構小説。文具船に乗った文房具たちと鼬族の戦いを虚構的世界に構築した狂気の一作。 |
百年の孤独(新潮社) |
G・ガルシア・
マルケス |
マコンドの村に生きるブエンディア一族の歴史。メルキアデスの羊皮紙が解読された時、その謎は明かされる。
現実の中の超現実。リアルに綴られる描写。
そして終末に行くにしたがい消えて行く人々。 |
彼岸先生
(新潮文庫) |
島田雅彦 |
マヒロ君がどん底の時、いつも助けてくれる島田雅彦の小説。その中でもこの作品は逸品でございます。マヒロ君のバイブル的存在。 |
舞踏会へ向かう三人の農夫
(みすず書房) |
リチャード・パワーズ |
1枚の古びた写真から縦横無尽に広がる思索的世界。
全体的に皮肉っぽい文章の書き方で古今東西の事象を捻り込み、作者の持てる知識の全てを注ぎ込んだ一品。リチャード・パワーズはこの作品を書く時に「自分以外誰も読まない事を前提にして、自分が書く最初で最後の長編小説」だと思って書き進めたそうだ。 |
101/2章で書かれた
世界の歴史
(白水uブックス) |
ジュリアン・バーンズ |
文字通り10と2分の1章で書かれた小説。各章毎、物語だけとってみても面白く、それにさらに思索的要素が含まれてくるというお腹いっぱいな内容。 |
Trainspotting
(青山出版社) |
アーヴィン・
ウェルシュ |
キャラがたってるって感じ。これ読んだ時は久しぶりに面白い小説読んだって思ったね。 |
ポスト・オフィス
(学研) |
チャールズ・
ブコウスキー |
アメリカ現代文学をやっつけたパンク作家チャールズ・ブコウスキー。彼の処女長編がこれだ。
彼自身の30代を書いたこの小説は陽気にブッ飛んでいて爽快だね。 |
穴掘り公爵
(新潮社) |
ミック・ジャクソン |
執着系ナンセンス。現代最高の小説に送られるブッカー賞の最終候補に残った。ユーモア感あふれる魅力にマヒロは完全にこの世界の住人。 |
死霊
(講談社など) |
埴谷雄高 |
この小説を紹介すべきかどうか迷いました。
何故かっていうとこの小説、気軽に手を出すと火傷するんです。何せ日本文学史上の記念碑といわれているほど、とてつもない形而学上的哲学小説ですから。
マヒロも火傷したクチです。 |
富士
(中公文庫) |
武田泰淳 |
富士の裾野の精神病院で繰り広げられる人間模様。埴谷雄高が大絶賛した衝撃の全体小説。
でもこの本、最近本屋で見ないんだよな。絶版しちゃったのかなぁ。 |
中二階
(白水uブックス) |
ニコルソン・ベイカー |
主人公がエスカレーターに乗る所から降りる所までを書いた注釈小説。こんな小説の書き方があったのか。主人公の超ミクロ的思考とユーモア感。いいねぇ。 |
武装島田倉庫
(新潮文庫) |
椎名誠 |
近未来。油泥と混沌に覆われた「戦後」の中で北政府や略奪団と闘う男たちの物語。
本当はあまりお薦めしたくない(教えたくない)一冊。マヒロ君、影響受けまくりですから…
ここだけの話し、椎名誠のSFって本当にすごいよな。 |
殿さまの日
(新潮文庫) |
星新一 |
異色時代小説短編集。或る殿さまの日常を淡々とした筆調で書き綴る「殿さまの日」、隠密に対する恐怖に藩が翻弄される「江戸から来た男」など、めっちゃ面白い小説の数々。 |
海辺の光景
(新潮文庫) |
安岡章太郎 |
正統な日本文学を読みたいと思ったらこれかな。私小説的手法で語られるリアルな小説世界。 |
八甲田山死の彷徨
(新潮文庫) |
新田次郎 |
実際にあった悲劇を元にした小説。八甲田山で行われた厳寒の雪中行軍訓練。
読んでるだけで凍えてくる。俺ぁ絶対冬山行かね〜ぞ。 |
争いの樹の下で
(新潮文庫) |
丸山健二 |
二人称文学。「おまえ」に対し語り下ろられる形で進行する思索的近未来小説。
たまにはこういう小説も紹介しましょう。 |
花ざかりの森・憂国
(新潮文庫) |
三島由紀夫 |
三島由紀夫で一冊だけ薦めろと言われればこれ。特に「憂国」はもっとも三島由紀夫らしい小説。
「憂国」…226事件に参加できなかった青年将校の切腹を書いた内容。本人監督主演で映画化もしている。 |
重力の都
(新潮文庫) |
中上健次 |
愛とエロスの美文調。文体によって官能を表現した至高の一冊。「岬」(文春文庫)とあわせて読もう。 |
フルメタルジャケット
(角川文庫) |
グスタフ・
ハスフォード |
スタンリー・キューブリックの映画とは多少違う内容。特に最後。「ジョーカー」と「カウボーイ」のやりとりは泣きます。 |
インディヴィジュアル・
プロジェクション
(新潮社) |
阿部和重 |
日本における90年代小説シーンの代表がこの小説。
映写技師オヌマの破綻していく「戦闘的日常」日記。 |