テレサ・ブライトのウクレレ・レッスン


発売:ラッツパック・レコード(株)
03−3470−2179

番号:LEIV−0037
(原盤=パアアニPRD−1004−2)

価格:税抜き4,800円

原題:Learn to Play Beginning Ukulele 1

1997年暮に画期的なウクレレ・レッスン・ビデオが輸入・発売されました。
以下にデータとライナーノートをご紹介いたします。


テレサ・ブライトのウクレレ・レッスン

■ テレサがユニークな勉強法でウクレレを教えます

 ハワイの女性シンガーであるテレサ・ブライトは、レイ・レコードから何枚もCDをリリースしている事で、日本の皆様にもよく知られている歌手のひとりです。
彼女も他のハワイアン音楽家と同様に、小さい時からウクレレに親しんで成長してきました。
 そのテレサが自分で編み出した独特の方法による、分かりやすいウクレレの弾き方を皆さんに紹介するビデオがこれなのです。
 彼女の編み出した方法というのは、それぞれのコード(和音)の名前とそれをを弾くストロークの数をひとつにまとめて表わす方法です。勿論彼女以前にもこの方法での指導が行われていたかも知れませんが、このビデオを反復利用することでウクレレの弾き方を早く理解できるメリットは大変大きいと思います。
このビデオではC、F、G即ちハ長調、ヘ長調、ト長調という代表的なキー(調)の 曲を伴奏する際に用いられる和音をまず勉強し、続いてそれらの和音を使った曲を1曲ずつ歌い、伴奏していきます。
 ここに使われた曲はあまりなじみのない曲ですが、テレサの遠い親戚でレイ・レコードの「カ・ピリナ」で彼女と共演したフランク・ヒューイットの作品から「ホオラウナ・アロハ」「レフア・マカノエ」の2曲と、ロット・カウヴェの作品「ヘ・アロハ・ノ・オ・ホノルル」の合計3曲です。
■ 説明は英語ですが心配いりません
 テレサはもちろん英語で説明をしていますが、さいわいにして彼女がウクレレの現物を使って解説をしているので、だいたいの内容は理解できると思います。
 念のためビデオの進行に合わせた簡単な注釈を次項に記しておきました。ビデオの大体の位置が必要になりますので、お手持ちのVTRで時間式カウンターが付いているようでしたら、ビデオの最初のタイトル「Beginning Ukulele」が現れたところでカウンターをリセットして00'00"または00分00秒となるようにしておいてください。
 これからの説明はおおよその時間表示を使いますが、あまり細かい時間を示しても意味がないので、ここでは一応5秒単位で書くことにいたします。

■ ビデオの内容

00'00" Beginning Ukulele〔さあ、ウクレレを勉強しましょう〕

 ウクレレの勉強を始めるに当たって、テレサが自己紹介をしています。彼女がハワイのレコード大賞である「ナ・ホク・ハノハノ・アウォード」を受賞した女性歌手であることは自己紹介に含まれていませんが、現代のハワイを代表する歌手のひとりとして有名です。
01'40" Knowing Your Ukulele 〔ウクレレについての知識〕
ウクレレの各部の名称を解説しています。フレットというのは音の高さを決める目的で埋め込まれた金属のことを指し、ペグというのは弦巻きのことです。
02'05" Positioning Your Ukulele 〔ウクレレはこのように持ちます〕
 彼女は右利きなのでもちろん右利き用の持ち方を紹介しています。
(左利きの方はウクレレを逆向きに持つとともに、弦の順番も逆にするか、頑張って右利きの練習をしてほしいとのことです。)
 ウクレレのボディーを右手の脇の下にかかえ込み、手先が自由にうごけるようにします。一方左手は拇指とほかの指の間隔を開けてU字形をつくり、その部分でネックを挟むようにします。
03'05" Tuning Your Ukulele〔ウクレレを調弦しましょう〕
 テレサはあまり詳しくは触れていませんが、この「調弦」という作業は結構手間がかかります。正しい音の高さに合ったか否かの確認をピッチ・パイプ(ウクレレの4音だけを持つハーモニカのような器具)やピアノで行うのはかなり「慣れ」が必要です。できれば「電子チューナー」と呼ばれる電子的な調律器具をおすすめします。これであれば微妙な音の高さの違いを示してくれるので比較的容易に調弦できます。
 ウクレレの弦は常に調弦したままでおいてください。一度ゆるめた弦を再び調弦しようとしても、ナイロン弦のため弦がすぐに伸び、低い音になってしまいます。新しい弦を張るときや、ゆるめてしまった弦を調弦するときは、目的の高さよりも1音程度高く、すなわちGCEAではなくADF#Bに調弦したまましばらく置いた後、目的の高さに合わせ直すと早く調弦が安定します。
05'50" Strumming Your Ukulele 〔ウクレレを弾きましょう〕
 適当な訳語がないので「弾く」としましたが、日本語で「弾く」というと、まずピアノやバイオリンを演奏するイメージであるのに対して、ここで言う「ストラム」というのは和音を「ボロン」とひとまとめに弾くことを指しています。
 普通のテキストでは人指し指を使ったダウン・ストローク(下向きに弾きおろす)からスタートしますが、テレサの方法は始めから実用的な往復のストロークを紹介しています。すなわち右手の拇指の爪で弾き上げるアップ・ストロークの後、人指し指の爪で弾き下ろすのを一組として勉強する方法です。ただ一つ注意しなければいけないことは、弾き下ろすタイミングを1、2、3、4とテンポをとるタイミングにピッタリ合わせ、弾き上げるタイミングはそれより前でなければいけないという点です。ストラムを8回続ける練習でこのタイミングを会得してください。
07'15" Playing Your Ukulele 〔それではウクレレを演奏しましょう〕
ここからコードの押さえ方になります。
07'35" The "C" Chord Series 〔ハ長調の曲に使う和音〕
 まずハ長調の和音の練習です。ウクレレのいちばん基礎となる押さえ方ですので何度も何度も練習しましょう。
 左手の人指し指から小指に向かい(1)(2)(3)(4)と指に番号を付けてありますのでそれを頼りにコードを押さえてください。
 同じコードを続けて弾く(ストラムする)ことをC/16 C/8 のように書くのがテレサ独特の表記法ですので、これにも慣れるようにしてください。
14'50" Putting The "C" Series Together〔ハ長調の和音を続けて弾きましょう〕
 ここまでに勉強したそれぞれの和音を続けて弾く練習です。これを何度も反復することで、スムーズに別の和音へ移行できるようになるでしょう。練習してみるとひとつの和音の回数が少ないほど難しいことがわかると思います。
17'10" The Hawaiian Vamp in "C" 〔ハ長調でのハワイアン・バンプ〕
 ハワイアン音楽には「バンプ」と呼ばれる部分がよく含まれています。「バンプ」というのは「つながり」を表す言葉で、フラ・ソングの始まりと終わりに付き、歌詞が1番、2番と進む際にもその間に付くことの多いフレーズです。
 バンプはいろいろなパターンの和音の組み合わせで構成されていますが、代表的なものは自分のキー(調子)の1度上のセブンスと4度上のセブンスを経てキーの和音へ進むパターンです。
 ちょっと分かりにくいのですが、ハ長調(キーがC)の場合ではD7→G7→C、ト長調(G)であればA7→D7→Gとなります。テレサはこの章では、ハ長調に使われる和音の練習をしています。D7とG7がそれぞれ2拍なのでこの二つの和音で1小節、Cが4拍なのでこれが1小節と合計2小節でひとつのバンプが構成されます。そして曲の始まりと終わりにはバンプを2回ずつ弾き、曲間には1回のバンプを弾くのがハワイアン・フラ・ソングの標準パターンになっています。
18'15" "Ho'olauna Aloha" in "C" 〔ハ長調の曲ホオラウナ・アロハ〕
 今まで勉強したハ長調の和音を使って最初の曲「ホオラウナ・アロハ」の伴奏をしましょう。前項でバンプは2回と書きましたがテレサはこの曲だけでなくほかの2曲もすべて曲の始まりのバンプを4回ずつ弾いています。この「回数」は一種の約束ごとですので4回であってもそう決めてあれば問題にはなりません。
21'55" The "F" Chord Series 〔ヘ長調の曲に使うコード〕
ヘ長調の曲で使う和音に移ります。
 ハ長調の場合より和音の数がひとつ多くなっていますが、ヘ長調だから多いのではなく、使われる曲「ヘ・アロハ・ノ・オ・ホノルル」で必要な和音が5個あるという理由からそうなったのです。
26'30" Putting The "F" Series Together〔ヘ長調の和音を続けて弾きましょう〕
 ハ長調のときより和音がひとつ増えましたが、同じ流れで弾いていけば問題なくマスターできるでしょう。
29'25" The Hawaiian Vamp in "F" 〔ヘ長調でのハワイアン・バンプ〕
 ハ長調のところで説明しましたように1度高い和音のセブンス即ちG7から4度高いセブンスC7を経てFに進行するパターンがヘ長調のバンプです。
30'15" "He Aloha No O Honolulu" in "F"〔ヘ・アロハ・ノ・オ・ホノルルです〕
ヘ長調の曲の伴奏をしましょう。この曲も4回のバンプから始まります。
30'45" The "G" Chord Series 〔ト長調の曲に使うコード〕
 ここでテレサがDと紹介している押さえ方で弾いたときに出る和音はDではなくD7なのですが、ハ長調のときに出てきたD7と違う押さえ方なので区別する目的でDと表記したと思われます。従って次のバンプのところでA7→D→Gと書いてあっても実際にきこえる和音はA7→D7→Gの進行になります。
38'15" Putting The "G" Series Together〔ト長調の和音を続けて弾きましょう〕
 A7→D7→Gを16回ずつ、8回ずつと繰り返していき、最後にト長調のバンプの練習に進みます。
41'15" "Lehua Makanoe" in "G" 〔ト長調の曲レフア・マカノエ〕
 A7、D7、GにCを加えた4つの和音を使って最後の曲を伴奏しましょう。
 今まで使った和音のおさらいをしてテレサのレッスンも幕を閉じます。


 彼女のウクレレ・レッスン・ビデオはこの「入門編」の他に
「中級・上級編」もあるとのことですので、更に勉強されたい方はそのビデオに挑戦して下さい。


         日本ウクレレ協会常任理事 小 林 正 巳
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