moe.jpg「サウス・シー・アイランド・マジック」

モエ・ケアレ

Pila Li'ili'i PILA-1003
(輸入盤)Mountain Apple MACD 2059
Moe Keale/SOUTH SEA ISLAND MAGIC

カジメロ兄弟、エマーソン兄弟と作ったサウンド

 エディー・カマエを中心としたグループ「サンズ・オブ・ハワイ」に加わっていたギャビイ・パヒヌイ達ミュージシャンの中で、ただひとり現在でも活躍しているモエ・ケアレは3枚のCDをリリースしていますが、1996年リリースの「Imagine」以外の2枚はいずれもLPアルバムの復刻盤です。この「サウス・シー・アイランド・マジック」も1980年のLPを2000年に復刻したもので、ソロ・アルバムの少ないモエにとって大変貴重なアルバムです。

 このアルバムのレコーディングに参加したミュージシャンとしては、当時ブラザース・カジメロ結成後間もないロバートとローランドのカジメロ兄弟、そしてアコースティック・スチール・ギターの名手ケンとギターのフィルというエマーソン兄弟そしてベースのテリー・ポールという面 々でした。特にケン・エマーソンのアコースティック・スチールとモエ・ケアレのウクレレ・ソロはこのアルバムのカラーを明確に打ち出しています。

 ニイハウ島生まれのモエの父親はオアフ島に移住し、そこでカウアイ島生まれの女性と結婚し、モエが誕生しました。「モエ」は「モーゼス」から取ったミドル・ネームで、ハワイ語のファースト・ネームは「ナラニ」ですが、クム・フラである彼の息子もこの「ナラニ」をファースト・ネームにしています。彼の住んでいたパロロ谷はニイハウ島出身者が多く住んでいて、イズことイズラエル・カマカヴィヴォオレも9歳までここに住んでいましたが、モエはそのイズの叔父にあたる間柄です。  


曲目解説

  1. サウス・シー・アイランド・マジック
    アンディー・イオーナ不朽の名作をウクレレとスチールのバックで唄います。

  2. ノ・ケ・アノ・アヒアヒ:ルナリロ王に捧げた歌で、ロバートとモエのデュオで唄っています。

  3. リマフリ:カウアイ島の滝や谷のある一帯を唄った曲。タイトルはハワイ語ですが歌詞は英語。

  4. セプテンバー・イン・ザ・レイン:一転してモエの快活なウクレレ・ソロの演奏です。

  5. ウルヴェヒ・オー・カアラ:ハワイアン音楽には珍しいワルツ。カウボーイ調の曲。

  6. スィングタイム・イン・ホノルル:ケンのスチール、フィルのギターとの掛け合いで唄います。

  7. マーカハ:ベースをつとめるローランドの作品。オアフ島西岸マーカハを唄っています。

  8. ハレイヴァ・フラ:エイミーの歌で有名になりましたが、モエの歌も大変素晴らしいものです。

  9. スカッチ・ン・ソーダ:この曲はモエが好きなポップスで、ケンのスチールが美しく響きます。

  10. ウア・マル:アルバムの最後は「いつまでも」いう曲。ウクレレが素朴な音を出しています。

マット・コバヤシ


Jam Selections