「メレ・フラ3」
MELE HULA Volume #3
M & H Hawaii
MHCD 1106

「メレ・フラ3」
ラッツパック・レコード

「メレ・フラ」シリーズ第3弾
 このアルバムに先立ってリリースされました「メレ・フラ」「メレ・フラ2」は、ハワイアン音楽とハワイの風景写 真を合 体させた単行本「Musical Images of Hawaii」に収録された50曲のハワイアン音楽から選んで録音されましたが、「メレ・ フラ3」を作るにあたって「メレ・フラ」シリーズを最初から担当してきたミチコ・ウラタさんとカズエ・クレバヤシさん という二人のプロデューサーは、この単行本から離れた自由な見方での選曲を行いました。

「ワイキキ」のエピソード
 その選曲で特に目立った点は「ワイキキ」など、英語の歌詞を持つ曲を4曲も加えたことでしょう。そして私にとっては「メレ・フラ」シリーズ にブリックウッド・ガルテリアが初登場したこと、さらにその彼がなぜ「ワイキキ」を選んだかに大変興味を惹かれまし た。 そして偶然の機会に知り合ったハワイ在住の木村禧太郎さんにこのブリックウッドと「ワイキキ」の関係を解き明かして 頂きましたので以下にご紹介いたしましょう。
 木村さんは2000年まで25年間勤務したハワイアン航空で日本へのセールス担当をされていたそうですが、仕事の関係から 宣伝部の人達とよく一緒に行動されたそうです。一方、1980年代には名歌手で作曲家のアンディ・カミングスがその宣伝部のリーダーで、ブリックウッドも宣伝部の一員だったとのことです。クリスマスや日本へのプロモーションなどの際は彼等を中心にしたチームでツアーをし、木村 さんも同行したのですが、アンディの名作である「ワイキキ」をブリックウッドがレパートリ ーとしてよく唄っていたことを覚えておられるそうです。その意味でこのCDでブリックウッ ドの歌う「ワイキキ」はまさにアンディ直伝の「正調・ワイキキ」と言って良いでしょう。

多彩なミュージシャン
  ブリックウッド以外にも19名のミュージシャンがこのアルバムの録音に参加しています。伝え聞くところでは、彼等ミュ ージシャンにとってこの「メレ・フラ」シリーズへの参加を依頼されるということは、名誉なことと思われているようで、 いずれのミュージシャンも「腕に撚りを掛けてアレンジした曲」をひっさげて録音に参加しています。 主立ったミュージシャンを紹介しましょう。

クニア・ガルデイラ:
彼は「伝説のミュージシャンであるギャビィ・パヒヌイの孫」といつも紹介されますが、その必要もないほどの実力者に成長いたしました。その意味で言うと、ハーブ・オオタ・ジュニアはいつまでも父親の名前を背負っているので可哀想な感じがします。
メアリーアン・リム、サニー・リム、ローナ・リム:
名門の「リム・ファミリー」のお母さんと息子、娘の三人です。
ケヴィン・ケアロハ:
クニア、サニーとのトリオで2000年、2001年の「メレ・フラ・コンサート」のミュージシャンとし て来日。素晴らしい歌やベース、ウクレレの演奏を聴かせてくれました。
ケオニ・アトキンスン、イヴァラニ・アトキンスン、リリノエ・アトキンスン:
やは り 「メレ・フラ・コンサート」で素晴らしい男性フラをご披露したケオニとその娘たちで す。
ダニー・アカカ:
「メレ・フラ(1)」から参加しているこのシリーズの常連で、ハワイの歴史にも造詣が深い歌手です。スチール・ギターのアレン(またはアラン)・アカカは彼の弟です。
ヒロシ・ハタ:
大阪出身のギタリスト。丁度ハワイに滞在している際に声が掛かって録音に参加しました。

トラディショナルから最新ヒットまでを収録
 20曲という常識を越えた?曲数を収め、トラディショナル曲からハパ・ハオレ曲、そして最新のヒット曲まで(しかも7 8分というCDの規格限界まで収録されています)という幅広い選曲がされていますので、このCDは多くのハワイアン 音楽ファンにご満足頂けるアルバムと言えるのではないでしょうか。

マット・コバヤシ 


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