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トニー・ウイリアムス
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類い希な天才ドラマー
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偉大なるドラマー、トニー・ウィリアムス。ワイルドで多彩なリズムを自在に叩き出す名ドラマー、
トニー・ウィリアムスは、17歳でマイルス・クインテットに加わり若き天才の名をほしいままにし、
1960年代、マイルスの黄金時代をともに築いた偉大なアーティストだった。
それから、約30余年、常にジャズ界のトップ・ドラマーの地位を確保しつつ、その躍動的でパワフル
なバスドラムと絶妙なシンバルの切れ味が特徴の彼のドラミングは、純ジャズのジャンルのみならず、
フュージョンやロックのジャンルでも、我々を楽しませてくれました。しかし、1997年2月、
まさかの急逝。享年50才。なんと、残念なことだったろう。トニーの早すぎる死は、ジャズ界にとって、
大きな損失でした。これから、という年齢だったのに、実に残念でなりません。
さて、今回は、そんな彼の「純ジャズ」の部分をご紹介します。 |
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TONY WILLIAMS / LIFE TIME
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1.Two Pieces Of One: Red
2.Two Pieces Of One: Green
3.Tomorrow Afternoon
4.Memory
5.Barb's Song To The Wizard |
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若きトニー・ウィリアムスのデビューアルバム。当時のジャズ界の流行を見事に反映した、実にフリーな演奏。
しかし、本能のおもむくままに、好き勝手に吹いたり、叩いたりするのではなく、底辺にリズムとコードがある
なかでの演奏なので、フリー・ジャズというよりは、モード奏法の最先端の演奏といったほうが適切である。
意外と聴きやすいので、フリー・ジャズの入門編には、うってつけのアルバムといえる。
即興性は、ジャズ演奏の重要な要素であるが、このアルバムの演奏を聴いていると、聴きやすいメロディーと
いうものを考慮せず、無駄なものを省いていくと、ジャズって、このような即興性の高い演奏がのこるんだろう
な、って感じがするのだ。そして、その即興性に特に重要な要素は「演奏技術の高さ」である。
まず、とにかく、このアルバムのリーダーであるトニー・ウィリアムスのドラミングが、実に素晴らしい。
テクニックがとにかく凄い。こんなに「雄弁に語る」ドラムは、唯一無二、トニーのドラミングだけだろう。
時には荒々しく、時には繊細に、とにかく素晴らしく柔軟なドラミング。ドラムを志す演奏家は、必ず、この
トニーの全てのドラミングをしっかりと聴き、研究すべきだと僕は思うくらいだ。
サイドメンも素晴らしい面々ばかり。冒頭から3曲目までのベースは、ゲイリー・ピーコック(現在、キース・
ジャレットとのスタンダード・トリオで有名)。実に、自由で奥の深い、根太いベースを聴かせてくれる。
変幻自在のトニーのドラミングに素早く反応し、時に、トニーのドラミングをリードする。この様な伝統に
根ざしたフリーな演奏には、ピーコックのベースは最適だ。テナー・サックスは、当時、新進気鋭の若手
サム・リバース。フリーな演奏の中にも、決して破綻をきたさない、優れた技術に裏打ちされた骨太なテナー
には、すっかり、耳を奪われる。
後半の4ー5曲目は、ピアノやビブラフォンの入ったカルテットの演奏になるが、これらの演奏は、現代音楽を
彷彿とさせる完全にフリーな演奏。好きな人にはたまらんだろうが、普通の人達には実にとっつきの悪い演奏が
繰り広げられる。
とにかく、このアルバムは、冒頭の3曲の、優れた即興性を聴くべきアルバムである。この冒頭3曲のトニーの
ドラミングは、実に天才的である。 |
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1.Extras
2.Echo
3.From Before
4.Love Song
5.Tee
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トニー・ウィリアムスが、一番トンガっていた時代の過激なアルバム。とにかく、全編、フリー・ジャズの
波が押し寄せている。メロディアスな聴きやすいジャズを期待すると大きく外れるのだが、先の「ライフ
タイム」のレビューでも書いたが、フリー・ジャズという演奏フォーマットは、ジャズの即興性のみを取り
出して楽しむには最適なフォーマットであることは間違いない。フリー・ジャズって、どんなものかなあ、と
思って、一度、フリー・ジャズを聴いてみたいなあ、と思っている方には、先にご紹介した「ライフタイム」
と併せて「お勧め」のアルバム。
フリー・ジャズのアルバムの中には、本能のおもむくまま、とにかく、無茶苦茶に吹きまくり、叩きまくりと
いうアルバムが多々あるが、このトニーのアルバムはそうでは無い。全編、トニーのインテリジェンスが溢れて
いる。1曲目〜3曲目の演奏なんぞは、フリーな演奏の最先鋒なのだが、トニーのドラミングに耳を傾けてみる
と、デビューアルバムの「ライフタイム」の時よりの、より柔軟で、より多彩なドラミングが素晴らしい。
ドラミングだけ聴いていても楽しめる、表現豊かなドラミングに磨きがかかっていることがよく判る演奏だ。
競演しているサイドメンも良し。ここでも、デビュー作の「ライフタイム」と同様、ベースのピーコックが
素晴らしい。トニーのドラミングとフリーな演奏に、ぴったりとはまる、実に優れたベースを聴かせてくれる。
ピアノのハンコックも、フリーなフォーマットの中でも、その個性的なフレーズとアプローチを駆使して、
その実力を見せつける。サックスは、サム・リバースとウエイン・ショーターの二本立てだが、ウエインの
サックスの方がより柔軟で、より自由。
4曲目の「LOVE SONG」は、このアルバムのハイライト。それまでのフリー寄りの演奏から、雰囲気がガラリ
と変わって(もしかしたら、このアルバムから見ると異質ともいえる)、フォークタッチの、哀愁を帯びた
魅力的なメロディーを持った、ジャズの従来の伝統的な演奏フォーマット。その演奏の内容たるや、
「素晴らしい」の一言。やはり、このメンバーが一丸となって、伝統的なフォーマットを演奏すると、今でも
最高峰と言える演奏になるのだ。この4曲目、一度、聴くべし。 |
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TONY WILLIAMS / YOUNG AT HEART
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1.Promethean
2.Young at Heart
3.On Green Dolphin Street
4.Farewell to Dogma
5.How My Heart Sings
6.Fool on the Hill
7.Neptune: Fear Not
8.You and the Night and the Music
9.Body and Soul
10.This Here
11.Summer Me, Winter Me
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偉大なるドラマー、トニー・ウィリアムスの遺作。このアルバムは、17歳でマイルス・クインテットに
加わり、若き天才の名をほしいままにした彼の、50歳にして最後の録音。躍動的で力強い演奏は生き生き
として絶好調であるとさえ思えるが、このわずか5ヶ月後に、突如として、彼はこの世を去ることになる。
そういう想いで聴くと、とても切なくなるのでいけないのだが、このアルバムでの最大の驚きといえば、
ピアノのマリュグリュー・ミラーだろう。全編に渡って、端正で柔軟、かつスケールが大きくパワフルな、
純ジャズ・ピアノをしっかりと聴かせてくれるのだが、僕としては驚き。ミラーが、こんなにバリバリと、
純ジャズのピアノを弾きたおすのを、他に耳にしたことがないからだ。マリュグリュー・ミラーって、
なかなかのピアニストであることを再認識した次第。
しかし、よ〜く聴いてみると、ドラムのトニーの支えがあっての、ミラーの名演ということに気がつく。
昔のトニーは、とにかく、手数の多さと、超弩級の爆音みたいなドラミングで、他を圧倒するどころか、
時にはうるさいくらいで、特に、気に入らない相手だとそれが増幅されて辟易することがあるくらい、
前へ出る、目立ちたがりのドラマーだったんだが、このアルバムでは、ピアノやベースがソロを取るとき
には、しっかりバッキングに回って、時には鼓舞激励するが如く、時にはやさしく見守るが如く、硬軟自在
のドラミングで、若手の二人をサポートする。
そんなドラミングをバックにしているからこそ、マリュグリュー・ミラーのピアニストとしての才能が、
最大限に発揮されるのだろう。とにかく、僕の大好きなスタンダード「オン・グリーン・ドルフィン・
ストリート」や、ビートルズの名曲「フール・オン・ザ・ヒル」のカバーなどでは、このトニーとミラーの
関係が最良の形で提示されており、聴いていて楽しい。しかし、今まで、こんなトニーって(実に立派)、
あんまり聴いたことがなかったな。このアルバムで見せた、素晴らしいテクニックに裏打ちされた、素晴ら
しいバッキングが以降、続いておればと思うと、早すぎる死が悔やまれてならない。
ともあれ、トニーのパワフルなバスドラムとシンバルの切れ味、そしてピアノ・ベースと三位一体となった
豊かで鮮やかな響きは必聴です。
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