家田重晴（中京大学教授）、渡邉正樹（東京学芸大学助教授）、
松村みち子（タウンクリエイター主宰）、松岡弘（大阪教育大学教授）
Shigeharu IEDA, Masaki WATANABE, Michiko MATSUMURA and
Hiromu MATSUOKA
Abstract
In June 2001 a middle-aged man murdered several children at
Ikeda
Elementary School associated with Osaka University of Education.
After the
murder case, a temporary school was constructed at a place
near the
original site. In the temporary school facilities and equipment
were carefully
designed to protect children against crimes of offenders intruding
into school.
A security guard at the school gate, observation video cameras
on school
sites, a teachers' room looking onto the playground, checking guests
at the
front desk, emergency buttons in classrooms, safety rules and manuals,
and
other measures were considered to be extremely important for
protection
against crimes.
はじめに
大阪教育大学附属小学校では２００１年６月に小学校内で起きた児童ら殺傷事件の後、
本校舎から約５００m離れた別の場所に仮校舎を建設したが、その際、学校でこのよう
な事件が二度と起きないよう、防犯体制に十分注意を払って施設や設備を作っている。
また、緊急時の対応についても検討を行い、事件の反省を元に対応をマニュアル化し、
日頃から、いざという時の行動を各々がしっかり把握できるように準備している。
学校の防犯体制を考えるうえで、附属池田小学校仮校舎における防犯体制は大いに参
考となると思われるので、その概要をここで紹介する。
本研究は、財団法人伊藤忠記念財団の平成１３・１４年度委託研究、「子どもの危機
管理の実態とその改善方策に関する調査研究 ー家庭・学校・地域の連携をめざしてー」
の一部として実施したものである。
（注） 本研究報告は、「中京大学体育学論叢 第四十五巻 第２号」（平成１６年３月
３１日発行） に収録されているものです。著作権は中京大学にあります。
引用される場合は、出所を明記してください。