まえがき

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なぜ JavaScript なのか

20年ほど前,やっと「パソコン」という言葉ができたころ,パソコンを使うということと,BASIC言語を学ぶことが同一に見られていました.BASICの全盛期でした.
10年ほど前,高校数学のカリキュラムのなかにはプログラミングが入ってきたころ,世の中ではアプリケーションプログラムが充実してきて,BASICは廃れ始めていました.でも,教科書で使われたのはBASICでした.
いま,プロ用として使われている一部のBASICは別にして,一般には手に入りにくいものになりました.「手にする必要もないもの」と言っていいでしょう.
2004年度からは高校で新教科「情報」が始まります.そこで使われる言語は何になるのでしょうか?

さて,かつてプログラミング入門言語としてBASICが主流だった理由は何だったのでしょう.確かに「初心者が取りつきやすい」,「すぐに結果が見られる」という理由がありました.しかし,「無料で手に入った(パソコンに付いてきた)」ということは否定できない大きな理由です.

実はいまの時代に無料で手に入る,いや,パソコンを使っているならば,ほとんどの人かすでに持っているプログラミングの環境が JavaScript なのです.

JavaScript はインターネット・エクスプローラ (IE) またはネットスケープ・ナビゲータ (NN) というブラウザソフトに組み込まれています.ソース・プログラムはホームページを表示するための HTML 言語内に記述され,このファイルをブラウザが表示することでプログラムが実行されます.
ですから,必要なソフトはブラウザとテキスト・エディタ(またはワープロソフト)だけです.Windows 機か Macintosh 機か,あるいは IE か NN かによって,表示などに若干の違いがでますが,基本部分の文法は同じです.

もちろん欠点もあります.HTML 内に記述するので,HTML についての知識が多少必要です.ホームページを制作する人は増えているというものの,HTML そのものを書く人は少ないでしょう.しかし,JavaScriptでのプログラミングを主に考えるとすると,HTML はわずかで済みます.また,長いプログラムを書くのにも適していません.そもそも,ホームページ内でちょっとした入出力と処理をさせるための言語です.そこは割り切ってください.だからかえって「プログラムってこんなものか」ということを感じてもらうだけの目的に利用できることでしょう.とはいうものの,関数の記述はC言語と似ています.ですから,そのあと発展して高度なプログラムを作成する人たちにとっても無駄にはならないはずです.
 
 

◆目的

JavaScriptによってアルゴリズムを学ぶことを目的とします.
ですから,ホームページ作成にとっては重要な見栄えに関する処理については,ほとんど扱いません.
 

◆必要なソフトウェア

1.ブラウザ

ホームページを見るためのソフトです.次のどちらかを用意してください. 以後,特別な場合を除いて単に「ブラウザ」と呼びます.
両者を区別しなくてはいけない場合はそれぞれ IE,NNと略記します.
JavaScript言語処理プログラムはブラウザに組み込まれています.

2.テキスト・エディタ

HTML,JavaScript を書くためのソフトです. 以後,特別な場合を除いて単に「エディタ」と呼びます.
「メモ帳」は同時に1つのファイルしか扱えません.複数のファイルを同時に扱えるエディタが便利です.
ワープロソフトを使い,テキスト形式で保存する方法でも可能です.

◆必要とする予備知識

1.パソコンの基本的な操作
2.ブラウザ,エディタの操作
 

(きょうはここまで)