ソリュージンU〜処刑されたOL〜
作:J.K様
およそ半年前、ソリュージン溶解注射液を研究開発したK社が、売り込み先のS社への取引の場で、実験台としてS社の社長秘書の女性(23才)にソリュージンを注射、全身溶解に成功していた。
今、2001年10月、そのソリュージンがついに、ある会社の中で実際に使用されてしまった。
S社はブラック・グラス社(BG社)へ、ソリュージンを高値で売り込んでいた。BG社は、東京に本社のある医薬品メーカーであったが、どういうルートでソリュージンの情報を得たのか、その威力を充分認識できていた。
自社の薬と調合し、人類不治の病の根源を消滅(溶解)させるべく、新薬開発を狙っていたのだ。毒も使い方によっては、人類にとってとても役に立つ薬になるということであった。BG社は、この新薬開発プロジェクトを、競合他社に気がつかれないように、かなり神経を使っていた。しかし・・・
ここはBG社の社長室。デスクの前には黒メガネの女社長、黒井サチ(45才)が座っていた。その右サイドには小柄な黒いスーツの男が立っていたが、社長秘書のようであった。
トン、トン! 社長室のドアをノックする音がした。
「開発プロジェクトの野川です。」。。。若い女の声だった。
「入りなさい。」女社長のことばで、その若い女は入室してきた。
コツ、コツ、コツ、コツ、コツ。
ヒール高7センチの黒パンプスの歩行音が止まった。若い女は女社長のデスクの前で立ち止まり、一礼した。
その若い女は、BG社開発部業務課OL、野川真由(22才)で、今回の開発プロジェクトのメンバーでもあった。身長165センチ、髪型はセミロングのパーマ、イヤリングとネックチェーンを身に付け、アイボリー色っぽいブランドもののツーピースのスーツを着用、スカートの丈は膝上10センチ程度、スタイルは結構いいOLであった。
女社長の座っているイスの後部上方には、20型程度のテレビモニターがあった。社長室内の3方向から撮影しているビデオカメラが真由を映し出していた。正面から、顔、後部から、全身の後ろ姿、左サイドから、スカートと脚、という3つの画面が映っていた。また、モニターの右上にはBG社のロゴマークの黒メガネが示されていた。
女社長「野川真由!あなたの裏切り行為は許せないわ!」
真由「え!?・・・」
女社長「すべてわかっているのよ!あなたが業務上知り得たソリュージンの情報を競合他社へ漏えいしようと企てていることをね!」
真由「・・・・」
女社長「我がBG社の掟は知っているわね!」
真由「ま、待って下さい! こ、これには深い訳が・・・」
女社長「借金しながらも、ブランドものをいろいろ買っているようね。そのスーツもそうでしょ。情報を漏えいして、その見返りに大金を手に入れて借金を返済するつもりね。」
真由「社長! お、お願いですウ。許して下さい! お願い!」
女社長「会社への裏切り行為をすればどうなるのか、他の社員への見せしめよ。それと、目の前でソリュージンの威力も見てみたいから。」
女社長はデスクの上、左側にあったいくつかのボタンのひとつを押した。するとモニター画面上の真由の顔の上に、「 開発プロジェクト野川真由 22才を注射溶解刑に処す! 社内ネット中継。」という文字が表示された。
真由は恐怖に脅え、二、三歩後ずさりした。
「た、助けてーー!お願いですーー!」
女社長が別のボタンを押すと、社長室へ小柄な黒スーツの2人の男が入室してきた。そのうちの1人は例のソリュージン入りの注射器を持っていた。ピストンの長さ30センチ、針の長さ10センチという大きな注射器の中に、オレンジ色のソリュージンが100cc入っていた。普通は200cc使用して、約3分で完全溶解、無臭で済むのだが、高価な薬のためか、少し節約して100ccを使うらしい。
真由は逃げようとしたが、2人の男に体を捕まれてしまった。
「いやーー!やめてーー!」
「いや、いや、いやよーー!」
床に押さえつけられた真由は懸命にもがくが、もうすでにどうすることもできなかった。注射器を持った男は、真由の左脚の太腿付近、ちょうどスカートの裾のあたりに、しっかりと針を刺し、打ち込み始めた。・・・・
真由の顔が引きつった。針が5センチほど打ち込まれた。打たれた部位からは出血が見られた。
「うつ! うーーー! くううーーー!! 痛―――!!」
真由は激痛のため尻を少し動かしているせいか、スカートが上下動いていたが、割とスムーズに注射が始まった。ソリュージン注入開始。「ぷしゅーー!」
もうひとりの男が真由を押さえていなければ、真由はのたうち回っていただろう。体を固定され、真由の苦痛のあえぎがしばらく続いた。
「あうーー! あ、あ、あ! ううーーん!! いたーーーい!」
100ccのソリュージン注射は終わった。針がゆっくり抜かれたが、打たれた部位からはさらに出血が認められた。太腿の裏側にまで達するかのように血が流れてきていた。が、それを止血する処置は施されなかった。
体内を回っているソリュージンの激痛にもだえる真由。
コツ、・・コツ、・・コツ、・・コツ、・・
ばたつかせた脚でパンプスが床を蹴る。
シュ・・シュ・・シュ・・
体をもがきながら、スーツ、スカートも波立っていた。
およそ3分過ぎ、真由の顔や脚の皮膚が蒼白くなっていった。そして5分程過ぎたころから、真由の両脚が、顔が、そして手が、
「ぶくぶく・・・ぶくぶく・・・ぶくぶく・・・ぶくぶく・・・」
と白い泡状の溶液となって少し膨らみ始めた。そして、胸部や腹部も同様の化学反応を起こし、スーツ、スカートとともに少し膨らみ始めていた。
「うぎゃーー!! あ、あ、あ・・・」
真由の最後の声だった。
そして3分過ぎ、泡状のものは今度は急にしぼみ始めていった。
「じゅる・・・じゅる・・・じゅる・・・じゅる・・・」
2,3分後、白い泡状の溶液は真由の肉体を溶かし、床にべっとりと付着したまま、乾燥してしまったのだ。
スーツ、スカート、パンプスはほぼ完全に残存、パンストの一部と、スーツの襟にかかっていた髪の一部も残存したが、真由の肉体は完全に溶解してしまった。10分間の注射溶解刑は終わった。ほとんど臭いは発生しなかった。
この処刑の模様は、BG社のネットワーク回線で開発プロジェクト室にもネットで中継された。処刑後の女社長のコメントはこうだった。
「BG社の掟。裏切り行為は絶対許さない。今回のプロジェクトの失敗も許さない。この女のようになりたくなければ、命をかけて取り組め!」
こんな厳しい会社の社員は大変である。
(終わり)