蠍小僧の報復

作:スコーピオンフェイサー様

僕の名前は天王寺マモル
僕は幼い頃から他人と接するのが苦手で友達も殆どいなかった。
休み時間も自分の机で本を読んだり勉強をしていた。
その内周りから隠キャなどとからかわれ、いじめの対象になった。
あのころは毎日のようにいじめにあっていた。
男に殴られるのもつらかったが、それ以上に屈辱的だったのが女子達に性的な嫌がらせや金品を要求される事だった。
僕は都内でも有数のエリート校に進学し、これでいじめからも解放されると思っていた。
案の定、僕を殴っていた馬鹿な男達とは離れる事が出来た。
しかし、よりによって僕を一番苦しめたあの女達と一緒になるなんて…
僕の心は絶望感でいっぱいだった。
そんなある日、僕は彼に出会った。
ある日、公園のベンチで悪態をついてると

「よう。お困りのようだな?」

と突然、道化師風の男が話かけてきた。

「何ですか?あなたは」
「悩みがあるなら相談に乗るぞ。」

見るからに胡散臭いと思ったが僕は彼に話す事にした。

「実は僕、いじめにあってるんです。」
「僕をいじめていた男子とは別の高校に行って離れ離れになれたのですが、性的な強要をする女子達とは同じ高校になってしまって…」
「悩んでいます。」
「お前、そいつらに報復したいと思わないのか?」
「俺が力を貸してやるよ!」

彼は人身満々にそう言った

「えっ!」

僕は彼の言葉に困惑する。
「その仮面を着けろ。そいつはお前を強くしてくれる。」

僕は言われるがままに仮面を着ける。すると仮面の内側から蟲が現れ僕の体を覆い蠍のような姿へと変貌を遂げた。

「コロセ…コロセ…コロセ!」
と頭に謎の声が頭に響き、激しい怒りが込み上げできた。

「僕をこんなに苦しめたあいつらが許せない。皆殺しにしてやる!」
僕はそう決意し、自宅に帰った。


翌日、僕は学校へ行き計画実行の為に放課後まで待つ。
放課後。僕をトイレに呼び出したいじめっ娘の安藤らが金品を要求してきた。

「おい、マモル。金持ってきたか?」

「ああ、この封筒に入っている。」

安藤は封筒を受け取り中身を見る。
「こどもぎんこう?てめえふざけてんのか!」
そう言って僕の胸ぐらを掴む。
「ふざけてるのは君の方だろ?君みたいな屑に渡す金なんかないよ。」
「てめえ!調子こいてんじゃねえぞ!」
激昂した安藤が殴りかかってくるが、僕は蠍男になり安藤を尻尾で刺して体に毒を流し込む。
安藤は泡を吹きながら悶え死んだ。

「あーあ。簡単に死んじゃったよ。」

「今までこんな奴に怯えてた自分が恥ずかしい。」

安藤のサイドキックの柴田と小倉は僕の姿と行動に戦慄し逃げようとする。

「おい、何処へ行くんだよ!」

僕は尻尾を柴田の首に巻きつけこう囁く。

「金はな、命より重いんだよ。僕の両親が汗水垂らして稼いだ金をかつあげするなんておこがましいにも程がある!」
「その命で今まで僕から取った金額を払って貰うぞ!」

「あたしが悪かった。お願い許して…」
「絶対に許さない!」
僕は怒りに任せて柴田の首をへし折った。

安藤と柴田の死を目の当たりにした小倉は悲鳴を上げながらで逃げようとする。
僕は彼女を尻尾で縛り上げ壁に叩きつける。追い詰められた小倉は失禁し号泣していた。
そんな彼女の姿をあざ笑い、尻尾から毒液を噴射する。すると小倉の体はみるみる溶け、服と骨だけになった。

これで復讐は終わった。
これからどうなるのかは僕にも分からない。

(終わり)